新型レクサス RXは高性能ハイブリッドを含む3つのパワートレイン

5代目レクサス RXが3グレードで日本導入! 新4輪駆動システム「DIRECT4」採用

トップグレードの「RX500h」、プラグインハイブリッドの「RX450h+」、エントリーグレードの「RX350」の3グレードがラインナップされた。
トップグレードの「RX500h」、プラグインハイブリッドの「RX450h+」、エントリーグレードの「RX350」の3グレードがラインナップされた。
レクサスは、ラグジュアリークロスオーバーSUV、新型「RX」をフルモデルチェンジ。11月18日から日本市場での販売をスタートした。踏ん張り感のあるスタイルと、独自性を追求した次世代レクサス・デザインを纏い、新開発4輪駆動カシステム「DIRECT4」が新たに導入されている。

LEXUS RX

歴代RXの価値観に次世代レクサスの価値観をプラス

電動化技術を活かした新たな走りを予感させる低重心で踏ん張り感のあるスタンスと伸びやかなシルエットを両立したと謳う。

レクサス RXは、1998年北米において、ラグジュアリークロスオーバーSUVのパイオニアとして誕生した。2005年には「RX400h」を発売し、ラグジュアリーセグメント初となるハイブリッドモデルを導入するなど、ラグジュアリー市場における電動化の先駆者として、2022年9月までに世界約95ヵ国と地域で黒計約362万台を販売。レクサスのコアモデルとして、世界中で高い人気を集めてきた。

レクサス・インターナショナルのチーフェンジニアを務める大野費明は、新型RXについて次のようにコメントした。

「新型RXは、2022年6月のワールドプレミア以来、お客様から大変多くの反響をいただきました。初代RXがラグジュアリークロスオーバーSUVとして誕生してから24年、初代が新しい市場を創造して以来、世界中の国や地域のお客様にご愛顧をいただきました。5代目となる今回、レクサスのコアモデルだからこそ、守りに入らず『変革に挑戦』という想いのもと、走りとデザインを刷新しました」

「歴代RXが大切にしてきた上質な乗心地と静粛性を大事にしながら、『走って楽しいクルマ、運転していると自然と笑顔になれるクルマ』を目指し、クルマの素性を鍛え上げ、レクサスならではの走りの味を磨いています」

レクサス・インターナショナルのプロジェクトチーフデザイナー 草刈穰太は、デザインに関して以下のよう説明を加えている。

「新型RXでは次世代レクサス・デザインの方向性である『機能的本質や動的性能に根差したプロポーションと独自性の追求』を念頭に置き、デザインをつくり込みました。電動化に向かうレクサスの新たなデザインアイデンティティを表現する、スピンドルボディを採用し、冷却機能とスピンドルボディの塊感を両立したシームレスなグリルとすることで、RXとしての独自性を追求しています」

「また、電動化技術を活かした新たな走りを予感させる、低重心で踏ん張り感のあるスタンスと、伸びやかなシルエットとしました。インテリアにおいても、人間中心の思想である『Tazuna Concept』に基づき、クルマとドライバーがより深く直感的につながり、操ることを楽しめる運転席と、開放的で快適な居住空間の両立を目指しています」

ホイールベースを60mm延長し、トレッドを拡大

プラットフォームはカムリと同じ「GA-K」をベースにリヤ部分を新開発。ねじり剛性の高いリヤボディの骨格配置を採用した。

今回、クルマの素性を徹底的に鍛え上げたコンセプト「Lexus Driving Signature」をさらに進化させた。重心高、慣性諸元、軽量化、剛性など、クルマの素性を徹底的に磨き上げ、レクサスの原点である、上質な乗り心地と高い静粛性を追求。あらゆる走行シーンにおいて、減速、操舵、加速がシームレスに繋がる気持ち良さなど、ドライバーの意図に忠実で、リニアな応答を目指した。

新型RXでは「GA-K」改良プラットフォームを採用。軽量化と低床化により、重心高を従来型から15mmも引き下げることに成功。全長は先代モデルと同様ながらもホイールベースを60mm延長し、トレッドをフロント15mm、リヤ45mmずつ拡幅することで、ヨー慣性モーメントを低減させるパッケージとしている。

サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット式サスペンションを採用。リヤには路面への駆動力の確実な伝達とスムーズな車両姿勢変化の両立を目指し、新規開発のマルチリンク式サスペンションが導入されている。アッパーアーム配置と形状の工夫により、ボディサイドメンバーが室内側へ張り出すことのなく、広い室内スペースが確保された。

マルチリンク式サスペンションの採用に併せて、「GA-K」プラットフォームのリヤ部分を新たに開発。加えて、車両加減速、操舵旋回時のサスペンションからの入力をしっかりと支える、ねじり剛性の高いリヤボディの骨格配置も採用している。

空力操縦安定性の技術では、フロント周辺のエアフローの適正化により、Cd値低減だけでなく優れたプレーキ冷却性能も確保。床下のエンジンアンダーカバーにディンプル形状を設け、微小な空気の流れを床下に発生させることで、接地感を高めるとともに、低速から高速域の走行安定性を高めている。ドア形状からガラス面までの段差を最小化することで、高い整流効果や、リヤスポイラーの後端形状とスポイラーの形状工夫による乱流抑制効果で、操縦安定性も大幅に向上した。

路面を選ばず駆動力を発揮する新開発「DIRECT4」

トップグレードの「RX 500h “F SPORT Performance”」は、電動化技術により、走る喜びを追求。レクサスが掲げる電動化ビジョン「Lexus Electritied」に基づき、電動化技術を用いた基本性能の進化を実現した。同時に、クルマがもたらす楽しさや喜びを提供し続けることを目指している。

新たな電動化技術として、路面や走行状態を問わず、クルマの接地荷重に応じて常に4輪の駆動力を緻密に制御するシステム「DIRECT4」を採用。緻密な4輪駆動制御により、前後輪のグリップ力を最大限に活かし、姿勢コントロールを行いながら、気持ちのいい走りを実現した。

搭載される新ハイブリッド・システムは、フロントに高トルクの2.4リッター直列4気筒ターボエンジン、モーター、6速ATを搭載。リヤには高出カモーター「eAxle」を配置した。

バッテリーには高出力なバイポーラ型ニッケル水素電池を採用。効率的かつレスポンスに優れた動力性能をもたらすため、エンジンとモーターの間にクラッチを配置することに加えて、6速ATはトルクコンバーターの代わりにクラッチを導入し、モーターとトランスミッションの間に設置した。これにより、状況に応じて、エンジンとモーターの使い分けや統合が可能になった。

新ハイブリッド・システムは、アクセル踏み込み時、エンジンの過給遅れを、前後モーターがアシストすることで低減。アクセル操作に対する駆動力のレスポンスに遅れが少なく、加速の立ち上がりが早く、ダイレクト感のある走りを実現した。また、高回転域においては、トルキーなターボエンジンとeAxleにより、高速域でも力強くも伸びやかな加速を楽しむことができる。

「Active Noise Control/Active Sound Control」を採用し、直列4気筒ターボ特有のノイズを除去しつつ、エンジンモーターの力強さと伸び感をサウンドで演出。クルマとの対話や気持ちの良い走りをさらに引き出すことが可能になった。

多彩なパワートレインをラインアップ

新型RXは、カーボンニュートラルへの貢献、多様化するカスタマーのニーズに応えるため、多彩なパワートレインをラインナップ。「RX500h」の2.4リッター直列4気筒ターボハイブリッドシステムを筆頭に、クラストップレベルのEV 航続距離と力強い加速性能を実現する「RX450h+(2.5リッター直列4気筒+プラグインハイブリッドシステム)」や、トルキーでダイナミックな走りを実現した 「RX350(2.4リッター直列4気筒ターボエンジン)」を展開。RX350にはAWDとFWDが設定される。

今回、従来の“F SPORT”の パッケージ仕様に加えて、パワートレインまで強化したパフォーマンスモデルとして“F SPORT Performance”を設定。フロントプレーキには、対向6ピストンプレーキキャリパーを採用し、リニアでダイレクト感のあるブレーキフィーリングを実現した。

後輪転舵角を拡大した「Dynamic Rear Steering(DRS)」も新たに採用し、車速に応じて後輪を前輪と逆相/同相に最大4度転舵させる。これにより、低速時はコーナリング時の旋回性や取りまわしの良さを、高速域では高い車両安定性を実現した。専用に開発した21インチタイヤを設定することで、ハンドリング性能をさらに向上させている。

エクステリアデザインは、より低重心に見せるボディ同色のロワパーツ、ウィンドウグラフィックを引き締めるブラックステンレスのウィンドウモール、21インチ専用アルミホイールなどの専用アイテムを設定。「F SPORT」よりさらにに上質かつ、力強い走りのイメージを付与したアイテムが奢られた。

次世代レクサスを象徴するエクステリア

サイドビューはフード先端を上げ、バックウィンドウ後端を下げることで、水平的で低重心な姿勢を表現。

新型RXは、次世代レクサスを象徴するモデルとして、機能的本質や動的パフォーマンスに根差した、プロポーションと独自性の追求に挑戦。デザインコンセプトを「ALLURING x VERVE」とし、心を奪われる魅惑的な姿(ALLURING)と、気迫を感じる力強さ(VERVE)を表現した。

具体的には、駆動力コントロールや「DIRECT4」による新たな走りをシルエットや面質で表現することにこだわった。また「スピンドルボディ」という、塊造形と冷却機能を両立するシームレスグリルにより、レクサスの独自性をアピールしている。

ホイールベースの延長、低重心化、前後トレッドの拡幅によるスタンスの良さをベースとしながら、低重心で踏ん張り感あるスタイルを実現。サイドビューはフード先端を上げ、バックウィンドウ後端を下げることで、水平的で低重心な姿勢を表現した。また、全長とフロントオーバーハングをキープしながら、Aピラーの付け根を後ろに下げることで、フードの伸びやかさを強調するとともに、キャビンの重心がリヤに乗っているようなスタンスの良さを表現している。

リヤドアからリヤフェンダーにめがけて力強く張り出す面は「eAxle」が生み出すトラクションの力強さを表現。そこからサイドシルによどみなくつながる造形は、美しいハイライトのループを生み出している。特徴的な表現に挑戦してきたクォーターピラーは、4代目「RX」から採り入れたフローティングピラーを踏襲しながら、より立体的に進化。リヤまで回り込んだデザインとすることで、スタイリッシュな印象を手にしている。

「Tazuna Concept」を導入したインテリア

インテリアには、クルマとドライバーが直感的につながり、より運転操作に集中できるコクピット思想「Tazuna Concept」を導入。歴代RXが重視してきた開放感や居心地の良い上質な空間を目指した。

「Tazuna Concept」は、人が馬を操る際に使う「手綱」に着想を得たコンセプト。ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを高度に連携させ、視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく、運転に集中しながらナビゲーションやオーディオ、各種機能の制御が可能になった。センターディスプレイは、大型のタッチディスプレイ(14インチ)を採用し、多くの機能をディスプレイ内のソフトスイッチに集約した。

インストゥルメントパネルやセンターコンソール周辺のハードスイッチにも、サイズや形状、レイアウト、表示情報など各機能の使用頻度も考慮しながら、直感的に操作できる最適な配置と形状が追求された。

メーターフードからドアトリムまでおおらかにつながる造形によって、開放感ある広がりと、パッセンジャー全員が包み込まれる空間を両立。14色のテーマカラーと、好みに合わせて選べる50色のカスタムカラーの設定が可能な「マルチカラーイルミネーション」により、夜間でも広がりと包まれ感のある空間を演出する。また、Aピラーを後ろに引くことで、上方と左右の視野角を拡大し、前席での開放感が向上した。

ラゲッジスペースは、バックドアトリムの薄型化等により、荷室長を50mm拡大し、612リットルの容量を確保。スーツケース(77/63リットル)を各2個計4個、または95インチのゴルフバッグ4個の収納が可能となっている。荷室の床面を30mm下げることで、荷物の積み下ろし時の負担を軽減。ワンタッチトノカバーを採用するなど、利便性も大幅に向上した。

車両本体価格(税込)

RX500h “F SPORT Perfomance”(AWD):900万円
RX450h+ “version L”(AWD):871万円
RX350 “version L”(2WD):664万円
RX350 “version L”(AWD):705万円
RX350 “F SPORT”(AWD):706万円

【問い合わせ】
レクサス インフォメーションディスク
TEL 0800-500-5577

【関連リンク】
・レクサス IS公式サイト

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…