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PEUGEOT 3008 HYBRID
1.2リッター直3「PureTech」をベースに開発
プジョー 3008と5008に搭載される「プジョー48Vハイブリッド・システム」は、137PSを発揮する1.2リッター直列3気筒「PureTech」ガソリンターボエンジンと、21kW(29PS)の電気モーターを内蔵した新開発6速デュアルクラッチ電動ギヤボックスで構成される。走行中に充電可能な48Vバッテリーを搭載し、低速域でのトルクアップと最大15%のCO2(燃費)削減(3008で126g/km、5008で128g/km〜)を実現した。都市部での走行においては、50%以上の時間を100%ゼロエミッションで走行することができる。
運転中、プジョー「 i-Cockpit」を介してハイブリッドシステムの動作状況が表示され、異なるモードへと変更することもできる。日常的な運転領域では、内燃機関と電動モーターがインタラクティブに作動して、エネルギー消費を最適化。また、急加速時などの低回転域においては内燃機関を電気モーターがサポートし、追加のトルクを供給する。
減速時に内燃機関は停止し、電気モーターは48Vバッテリーへと電気エネルギーを充電するための発電機となる。さらに市街地における短距離走行時などでは、「ゼロ・エミッションモード」を選択することで、電気モーターのみで走行することも可能になっている。
市街地走行の50%を電動走行でカバー可能
「プジョー48Vハイブリッド・システム」は最大15%の燃費削減を実現。1km走行時あたりのCO2排出量は3008で126g、5008で128g。同等の機能を持つ内燃機関を搭載したCセグメントSUVと比較すると、平均約1リッター/100kmの燃費削減が可能になった(WLTP複合サイクル)。この燃費削減は主に市街地走行(−2.5リッター/100km)と通常走行(−0.7リッター/100km)で達成されており、高速道路における燃料消費量は内燃機関モデルと変わない。
バッテリーに十分な電力が充電されている状態では、100%フル電動モードで発進し、低速走行(駐車時など)を行うことができる。特に市街地走行において、3008 ハイブリッドと5008 ハイブリッドは、50%以上の時間を100%ゼロエミッションで走行することができる。
高速走行時(最高145km/h)では、定速走行時と減速時にドライバーがアクセルペダルを離すと、自動的に内燃機関が停止。低速時にドライバーがアクセルを踏み込むと、電気モーターがターボの応答時間を補うべく、ブーストで追加トルクを供給する。これにより、無駄なシフトダウンを回避し、より快適なドライビングとダイナミズムを実現している。
バッテリーをフロント左シート下に設置
48Vリチウムイオン・バッテリーは総容量898Wh、有効容量432Wh。車両の寿命まで同じレベルの性能を維持するよう設計されており、8年/16万kmの保証が付帯する。バッテリーはフロント左シート下に設置。プジョーによると、従来のリヤシート下の設置に比べて多くの利点があるという。
室内空間が広く使えることに加えて、ラゲッジルームの容積とユーティリティ性も確保。ケーブル長を短くすることが可能になり、エネルギーロスを大幅に減らすことが可能になった。さらに、車体中央に重量物のバッテリーを配置したことで、最適な重量配分によるドライブの楽しさも実現している。
「プジョー48Vハイブリッド・システム」を搭載したモデルには、専用ディスプレイを搭載。このデジタル・ディスプレイには、100%電動走行時のブルーメーター表示、システム内のエネルギーの流れ、バッテリー充電量、パワーメーターによる動作状況(チャージ/エコ/パワー)、電動走行距離の割合などが表示される。
48Vハイブリッドシステムは、1.2リッター直列3気筒「PureTech 130」を置き換える形で導入。3008と5008に続き、208 、2008、308、308 SW、408にも順次搭載される予定だ。3008 ハイブリッド/5008 ハイブリッドは、フランスのソショー工場で生産され、2023年第2四半期からヨーロッパで販売。現時点で日本への導入は未定となっている。