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Nichols Cars N1A
生産に向けたローンチ仕様を公開
ニコルズ・カーズは、長くF1マシンの開発携わってきたエンジニア、スティーブ・ニコルズ(Steve Nichols)が2017年に設立。今回、ニコルズはマクラーレン M1Aへのオマージュとして、同社初の市販モデル「N1A」を開発した。N1Aは、7.0リッターV型8気筒自然吸気エンジンをリヤミッドに搭載し、不必要な装備を省いた超軽量スポーツカーとして100台以下が販売される。
2017年にニコルズ・カーズを設立したスティーブ・ニコルズは、時代を超えて輝き続けるドライバーズカーを実現すべく開発をスタート。大排気量自然吸気エンジンを搭載する黄金時代のレーシングカーを現代に蘇らせたN1Aは、すでに開発の最終段階に入っており、今回、生産に向けたローンチ仕様が公開された。
F1で活躍した経歴を持つスティーブ・ニコルズ
スティーブ・ニコルズは1980年代後半から1990年代前半にかけてマクラーレンに在籍し、F1マシンに初めてカーボンファイバーを導入。その後、フェラーリ、ザウバー、ジョーダン、ジャガーなどを渡り歩き、2000年代まで活躍を続けている。
F1においては最新テクノロジーを追い続けてきたニコルズだが、彼が憧憬を抱いてきたのは1960年代に活躍したレーシングカーだった。今回、ニコルズは北米のCan-Amシリーズで活躍を見せたマクラーレン M1Aからインスピレーションを得て、N1Aを開発。ボディパネルはカーボンファイバー製となり、M1Aを象徴するデザイン要素が、N1Aのディテールにも採り入れられている。
ジョン・ミネットCEOは、スティーブ・ニコルズとのN1Aプロジェクトについて次のようにコメントした。
「スティーブ・ニコルズの名前を、モータースポーツ界では知らない人はいないでしょう。このプロジェクトにおいて、スティーブだけでなく、才能豊かな自動車業界のプロフェッショナルたちと共に働けたことを、私は心から光栄に感じています。完成したN1Aはチーム全員の素晴らしいハードワークの結晶だと言えるでしょう」
「N1Aは、遠くから眺めても、運転席からの風景も、どちらでも忘れられない存在になるように努力してきました。エアロダイナミクスから、フルカスタマイズが可能なインテリアに至るまで、私たちは最高を目指してきました。今、その成果を目の当たりにして、信じられない気持ちです」
659PSを発揮する7.0リッターV8NAエンジン
ニコルス・カーズ製7.0リッターV型8気筒自然吸気オールアルミエンジンは、ゼネラルモーターズ製「LS3」ブロックをベースに開発された。専用ピストンとコンロッド、ドライブ・バイ・ワイヤ・スロットルを備え、最高出力659PSを発揮。1トン当たり710PSという強大なパワーを実現している。
ヒストリックF1エンジンのスペシャリスト「ラングフォード・パフォーマンス・エンジニアリング(LPE)」の技術陣が、V8自然吸気エンジンの組み立てを担当。このパワフルなNAエンジンに、ダナ・グラツィアーノ製6速マニュアル・ギヤボックスが組み合わせられ、後輪を駆動する。
クラシカルなエクステリアを持つN1Aだが、シャシーは軽量高剛性のカーボンファイバーとアルニウム製で構成。足まわりにはダブルウイッシュボーンとアンチロールバーを標準装備し、公道だけでなく、サーキットにおいても路面の凹凸をしなやかに吸収する。
今回公開されたのは、7.0リッターV8エンジンを搭載したローンチ・エディションは、マクラーレン MP4/4の勝利数と同じ、15台が限定販売される。N1Aの総生産台数は100台以内に留められる予定だ。
ディスプレイ類が排されたコクピット
レーシングカーをイメージしたコクピットは、ダッシュボードにモータースポーツ黄金時代を彷彿とさせるアナログ式メーターを配置。最高級のレザー&ファブリックが組み合わされたシートとトリム、無垢のビレットから削り出されたアルミニウム製コンポーネントにより、シンプルながらも高級感のあるインテリアを実現した。
近年のスーパースポーツのダッシュボードに配置された大型タッチスクリーンはあえて採用せず、コクピットは1960年代のレーシングカーを思わせるプリミティブなイメージでまとめられた。ただ、クラシカルな内外装を持つNA1だが、トラクションコントロールは標準装備。パワーステアリングと切り替え可能なABSは、オプションで用意されている。
シートやトリム類は、ニコルズ・カーズが展開する豊富なパーソナライゼーションプログラムを活用することで、素材やカラーを自由に組み合わせることも可能となっている。