【SUVライバル比較】フロンクスvsライズ&ロッキー、サイズやスタイルはどのくらい違う?駆動方式やパワートレインは?

スズキが全長約4mのコンパクトなSUV、フロンクスを日本市場に導入する。ライバルとなりそうなのは、同じく全長約4mのトヨタ・ライズ/ダイハツ・ロッキーだ。日本仕様のフロンクスはまだ明らかになっていないこともあるが、早速ライズを軸にライバル比較をしてみよう。
PHOTO:中野幸次(NAKANO Kouji)

スズキは7月25日、2024年秋頃に日本市場に導入するコンパクトSUVフロンクスのより詳しい情報を公開した。

フロンクスはスズキが2023年にインドや中南米、中近東で展開されてきたもの。全長4mを下回る小さなボディからくる取り回しの良さがウリのSUVだ。

スズキ・フロンクス

日本のマーケットにおいて直接的なライバルとなるのは、トヨタ・ライズだ。同モデルはダイハツが開発、製造し、同社がトヨタにOEM供給している。

2019年11月にデビューしたライズは、その使い勝手の良さから人気を博し、2021年11月にはハイブリッドモデルも追加された。

トヨタ・ライズ

ボディサイズ

全長はフロンクス、ライズともに3995mmと同じ。ホイールベースについてもフロンクスが2520mm、ライズは2525mmと5mmしか変わらない。

上がフロンクス、下がライズ

その一方で、全幅はライズが1695mmなのに対し、フロンクスは1765mmと、5ナンバーサイズ(全長4700mm×全幅1700mm×全高2000mm以下)を超えている。

左がフロンクス、右がライズ

また、全高はフロンクスが1550mm、ライズは1620mmとなっており、フロンクスのほうがロー&ワイドなボディを持っている。

左がフロンクス、右がライズ

最小回転半径はフロンクスが4.8m、ライズは4.9m(上級仕様のZは5.0m)と大差はない。

サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット、リヤがトーションビームなのは共通している。

エクステリア

フロンクスのエクステリアはクーペライクなフォルムであることが一番の特徴。ルーフはBピラーから緩やかに後傾し、寝かされたリヤウィンドウが垂直に切り立ったリヤエンドをつなげている。

フロンクス

それでいて、左右に大きく張り出した前後のフェンダーやキャラクターライン等がコントラストをを作り、ダイナミックでありながら優雅な雰囲気を醸し出している。

フロンクス

ライズはフロンクスとは対照的に伝統的なオフロード車的シルエット。Aピラーの角度はフロンクスとそう変わらないが、ルーフはより後方に長く伸びている。コーナーバンパーやフェンダーも角張った造形ながら張り出し感は抑えられており、無骨な印象を与えている。

ライズ
ライズ
フロンクスライズ
全長×全幅×全高3995mm×1765mm×1550mm3995mm×1695mm×1620mm
ホイールベース2520mm2525mm
乗車定員5名5名
車重1070~1130kg970kg~1070kg
サスペンション前:マクファーソンストラット式コイルスプリング
後:トーションビーム式コイルスプリング
前:マクファーソンストラット式コイルスプリング
後:トーションビーム式コイルスプリング
最小回転半径4.8m4.9~5.0m
タイヤサイズ195/60 R16195/65 R16/195/60 R17(上級グレード)

インテリア

前席インターフェースのレイアウトはフロンクス、ライズともにオーソドックスな配置。ダッシュボード中央上部に大型ディスプレイ、その下にハザードランプスイッチやエアコン操作パネル、USBポートなどが置かれている。

フロンクスのインテリア

エアコンの操作スイッチはどちらも物理ボタンだが、フロンクスがトグルタイプ、ライズはダイヤルタイプとなる。

また、運転席の計器はフロンクスが液晶ディスプレイのほかアナログメーターを持つ一方、ライズはデジタルスピードメーターとカラー液晶ディスプレイの組み合わせとなっている。

ライズのインテリア

どちらもインテリアにはシルバーの加飾が装着されるが、フロンクスはブラックとボルドーのツートン内装でシックで上質な雰囲気。ライズは赤のアクセントカラーを加え遊び心とアクティブネスを演出している。

フロンクスのリヤシート
フロンクスのフロントシート
ライズのインテリア

荷室については、フロンクスのトランク容量はまだ不明だが、クーペライクスタイルな分やや不利かもしれない。しかし、リヤシートのアレンジはできるため、長いものの積載は可能だ。

フロンクスの荷室
フロンクスの荷室(リヤシートを畳んだ状態)

パワートレイン

フロンクスは販売される地域ごとに展開されるパワートレインは異なっているが、現状で日本に導入されるのは“1.5L直列4気筒NA+マイルドハイブリッドとパドルシフト付6速AT”の組み合わせ。駆動方式は2WDと、雪が降る日本市場のために用意された4WDが選べる。

フロンクスのエンジンルーム

一方のライズは、2019年のデビュー当初“1.0L直列3気筒ターボ+CVT”のみだったが、2021年に“1.2L直列3気筒+CVT”とエンジンは発電専用で駆動には関与しない“1.2L直列3気筒+シリーズハイブリッド”が追加され、現在は3種類がラインアップされている。

ライズに搭載される1Lターボエンジンは1.5LNAエンジン級の性能を持っており、出力的にはフロンクスと同等。また、1Lターボモデルの駆動方式は4WDのみになっており、四駆が必要な人にとってはこのパワートレインが唯一の選択肢となる。

フロンクスライズ
パワートレイン1.5L直列4気筒
+マイルドハイブリッド
1L直列3気筒ターボ1.2L直列3気筒1.2L直列3気筒
+シリーズハイブリッド
エンジン型式K15C1KR-VETWA-VEWA-VEX
エンジン最高出力74kW(100PS)/6000rpm72kW(98PS)/6000rpm64kW(87PS)/6000rpm60kW(82PS)/5600rpm
エンジン最大トルク135Nm(13.8kgf・m)/4400rpm140Nm(14.3kgf・m)/2400~4000rpm113Nm(11.5kgf・m)/4500rpm105Nm(10.7kgf・m)/3200~5200rpm
使用燃料無鉛レギュラーガソリン無鉛レギュラーガソリン無鉛レギュラーガソリン無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量37L36L36L33L
モーター型式WA06AE1A
モーター最高出力2.3kW/800~1500rpm78kW(106PS)
モーター最大トルク60Nm/100rpm170Nm(17.3kgf・m)
トランスミッションパドルシフト付6速AT7速シーケンシャルシフト付CVT7速シーケンシャルシフト付CVT
駆動方式2WD/4WD4WD2WD2WD
燃料消費率(WLTCモード)17.4km/h20.7km/h28.0km/h

燃料消費率はフロンクスは未公表。ライズは1.0L直3ターボで17.4km/h、1.2L直3で20.7km/h、1.2L直3ハイブリッドで28.0km/h(いずれもWLTCモード)と、優れた燃費性能を誇る。

また、フロンクス、ライズともに衝突被害軽減ブレーキや全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)といった予防安全技術や運転支援機能をしっかりと備えている。

鍵となるのは価格か

このたび公開されたフロンクスの日本仕様はまだプロトタイプの段階であり、詳細なスペックはまだ明らかになっていない。

日本市場におけるグレード展開や価格も現状では不明のまま。ただ、フロンクスが生産されているインドでは、最も安価なグレードの1.2L/5MTモデルで75万1500ルピー(約138万円)、最も高価な1.0Lターボ+ハイブリッド/6ATでは128万7500ルピー(約236万円)で販売されている。

一方のライズは、安価なX、スタンダードなG、上級なZの3グレードが展開されており(ハイブリッド車のみGとZのみ)、1.2Lモデルは170万7000円~203万9000円、1Lターボモデルは198万4800円~229万9200円、一番高価なハイブリッドモデルは216万3000円~232万8000円という価格設定。

ちなみに、ロッキーについては安価なL、スタンダードなX、上級なプレミアムGという3グレード展開(こちらもハイブリッド車はXとプレミアムGのみ)。1.2Lモデルは167万7000円~206万8000円、1Lターボモデルは195万4800円~232万8200円、ハイブリッドモデルは212万6000円~235万7000円とされている。

ダイハツ・ロッキー

フロンクスは、インドでの販売価格やライズ/ロッキーの車両価格を考えると、為替レートの影響は避けられないが、200万円代前半までという設定となれば、小さなSUVの購入を考えている人にとっては魅力的な選択肢となりそうだ。

フロンクス

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