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クルマの共同所有という新しいサービスで憧れの名車のオーナーになれる

「RENDEZ-VOUS(ランデブー)」は、共同所有という形でユーザー(オーナー)をマッチングし、1人での所有ではハードルが高いスポーツカーやクラシックカー、高級車などを共同所有という新しい方法でサービスを提供している。利用期間は1年間で、横浜市にあるガレージにあるクルマを24時間365日利用できる。年間72日間利用できる。

たとえば、ある高級スポーツカーを1人で所有した場合、1300万円の車両価格に加えて、保険料(月額3万円)、メンテ費用(月額3万円)、駐車場代(月額5万円)という維持費が月額11万円かかるとする。「RENDEZ-VOUS(ランデブー)」であれば、6人で共同所有した場合、保険料、メンテナンス費用、駐車場代込み(ランデブーのガレージ。自宅などに乗って帰った場合は、別途かかる)月額4万4000円で済むというのが一例だ。

この新サービスは、導入以来、425台の申込台数があり、マッチング済みの台数は26台という大反響ぶりで、今後、神奈川県にある二子新地にガレージを増やすほか、ほかの大都市圏への進出も検討するという。

99%オリジナルのレストアを実現した1975年式ポルシェ930ターボ
今回、プレス向けに公開されたのは、レストア済みのポルシェ930ターボ。1975年にミツワ自動車が輸入したシャーシ番号「9305700051」の個体で、亡くなったオーナーの家族から同社に相談があったという。じつは、ミツワが最初に納車した個体だそうだ。2022年にランデブーが受け継ぐと決意した。そうなると、番号が1番若い「9305700050」の行方が気になるが、ミツワが研究用に輸入したものの、現在は行方知らずとのこと。

今回、レストアされた1975年式の930ターボは、オーナーが倉庫で保管し、走行距離は約3万7000kmと短く、大切に乗り、保管されていた。しかし、半世紀の月日が経ち、ホコリまみれ、カビだらけという状態になっていたというのは当然だろう。レストアを請け負ったのは、ミツワ自動車から事業継承したポルテック。ポルテックの上野氏は、6気筒中、2気筒は圧がかからず、パーツの入手も含めて想像以上に困難な仕事だったと打ち明けた。ポルテックには、30年も40年もミツワで働いてきた熟練のメカニックがいるそうだが、それでも困難だったという。

しかし、レストアは、99%オリジナルという驚異的な再現性を実現し、オリジナルと異なるのはサンバイザーのみというから驚きだ。塗装もオリジナルのままで、こんな1975年式の930ターボはほかに存在しないだろう。パーツは、ドイツには意外となく(すぐに手に入るなどの条件もあり)、スペインやイタリアなど世界中からかき集めたそうだ。

ランデブーの浅岡亮太代表も何度もやめようかと思ったそうだが、「オートモビルカウンシル2023」でホコリを被ったままの同モデルを展示したところ、4人の共同オーナーが集ったという。この930ターボは、「RENDEZ-VOUS」の旧サービスで1年間の共同所有の後、売却される。4人の共同オーナーは、一括で約600万円の費用を支払う。レストア費用は800万円以上かかり、当初の見込みを大幅に超えたと打ち明けている。売却時の市場想定価格は、「予想できない」としていて、日本国内に残すことを前提に、この4人に購入優先権があるという。

今回の930ターボのレストア事業は、ランデブーの旧サービスであり、費用的にも縁遠いと感じる方もいるかもしれない。しかし、冒頭で紹介したように、新サービスであれば、1人では購入を躊躇う高級スポーツカーやクラシックカー、あるいはキャンピングカーまで、より気軽にオーナーになれるのは間違いない。なお、人気なのはポルシェやフェラーリなどのスポーツカーで、RX-7やアルファロメオ4C、ジャガーEタイプなども注目が高いという。
