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シビックは本田技研工業(以下、Honda)が製造販売する乗用車で、1972年に初代モデルがデビューして以来50年あまり、「CIVIC=市民の」という名前の通り、Hondaを代表する大衆車として世界中で親しまれており、2022年現在までに歴代11代を数えているHondaで最も息の長い車種としても知られています。7代目のEU型までは、日本ではいわゆる“5ナンバー・サイズ”、欧州では“Bセグメント”と呼ばれる小型乗用車でしたが、2005年にデビューした8代目にあたるFD型からはいわゆる“3ナンバー・サイズ”、“Cセグメント”と呼ばれる中型乗用車にサイズアップされています。最新モデルは2021年にデビューした、11代目にあたるFL型になります。
さて、そのシビックの中で、スポーツモデルにおける最上位グレードとなるのが“TYPE R(タイプ アール)”と呼ばれるモデルで、Hondaのスポーツ車全体の代名詞ともなっています。シビックにも6代目のEK型の時から“TYPE R”が設定されるようになりました。
しかし単純にシビックのスポーツモデルの最上位グレードというわけではなく、8代目シビックをベースとした“TYPE R”が2種類あるため、歴代の数え方がそう単純ではありません。そこで、ベースモデルであるシビックとは別のシビック TYPE Rという独立した車種として歴代が数えられている事もあります。シビック TYPE Rを単独の車種として数えた場合、2022年12月現在の最新モデルは1997年にデビューしたEK9型初代“TYPE R”から数えて6代目となる、2022年9月にデビューしたFL5型になります。
FL5型“TYPE R”は、スポーツモデルの本質的価値である「速さ」と官能に響く「ドライビングプレジャー」が両立する究極のピュアスポーツ性能を目指して開発され、Honda独自のVTEC TURBOエンジンをさらに磨きあげることで、出力とトルクの向上を実現するとともに、運転に夢中になることができるような痛快なドライビングフィールを追求しています。さらにTYPE R専用のデータロガー『Honda LogR(ホンダ ログアール)』を搭載して車両の機械的な運動情報などをドライバーにリアルタイムに伝えることで、新たなドライビングプレジャーを提供しています。
外観デザインはロー&ワイドを強調して、圧倒的な速さと美しさを兼ね備えたデザインを目指しています。冷却性能向上のためグリル開口部を大きくするとともに、サイドシルガーニッシュやリヤスポイラーなどで空力性能を追求しながらも、リヤフェンダーをボディと一体化することで、流れるような美しいデザインに仕上げています。もちろん見た目だけでなく、限界走行時における安定性を実現するため、フロント、リヤともに効果的にダウンフォースを向上させるとともに、ボディの細部形状まで徹底的にこだわることで、優れた空力性能を実現しており、リヤスポイラーはスリムなアルミダイキャスト製のステーにすることで空気抵抗を低減するとともに、スポイラー下面に負圧が発生する面積を拡大させてダウンフォースを向上させています。
一方、インテリアは、車に乗り込むときの高揚感と運転時に集中できる空間を、赤と黒を用いてハイコントラストに表現しています。そのため赤いシートとフロアカーペットを採用し気持ちの高ぶりを演出。サーキットでの限界走行時でも運転に集中できるよう、直感認知性を向上させたノイズレスな視界を追求し、反射を抑えた偏光ガンメタリック塗装を採用するなど、ブラック基調のインストルメントパネルとしています。
エンジンは3代にわたって続く2.0ℓの直列4気筒DOHCエンジン、K20C型が採用されていますが、ターボチャージャーの刷新などにより最高出力243kW、最大トルク420Nmへと向上しています。また、冷却性能向上のためにフロントグリルの開口面積が大きくされ、ラジエーターの有効開口面積が48%拡大。さらに、グリル開口部から取り込んだフレッシュエアを、コアサイズとファン能力を向上させたラジエーターに効率良く通し、ボンネットに設けたフードベントから排出するエアフロ―レイアウトとすることで、排熱と空力性能を向上させています。さらに、まるで足裏に吸いつくようなアクセルワークを追求するため、エンジンECUの駆動力制御マップなどの緻密な設定により、アクセルペダル開度に対しエンジンレスポンスを向上させ、トルクも早期に立ち上がるようにすることで、アクセル操作に対する駆動力応答性が全域で高められています。
これらに加え、迫力あるエンジンサウンドにするため、エンジン回転上昇時の中周波音を増強し迫力ある排気原音に進化させ、排気の主流が通過するサイレンサーの中央配管には、アクティブ・エキゾーストバルブ機構を新たに採用。エンジン回転数に応じて最適なバルブ開度とすることで、車外騒音法規を満たしながら、エンジン出力向上と迫力ある排気サウンドの両立を実現しています。さらに、アクティブサウンドコントロールシステム(ASC)を採用し、駆動力レスポンスに呼応する気持ちの良いエンジンサウンドを実現しています。
シャシーはFL型シビックをベースとしながらも、“TYPE R”として細部まで熟成を図るとともに、足まわりの支持剛性が高められています。4輪独立電子制御ダンパーのアダプティブ・ダンパー・システムの制御は、車体のモーションとタイヤ4輪の接地性を連携してコントロールするロール・ピッチ制御に、バネ下加速度を加えた制御を行なうことで、荒れた路面でも優れた運転操作による車両との一体感とダイレクト感のあるハンドリングを実現しています。また、旋回性能を高め車両パフォーマンスをより向上させるため、TYPE R専用チューニングタイヤをミシュランと共同開発。ウエット性能や耐摩耗性能を維持したまま、優れたドライグリップ性能を実現しました。さらにホイールには、通常に対してインナーとアウターのリム形状を反転させた“リバースリム構造”を採用。ホイールのイン側の歪みを低減し、旋回Gや加減速時にタイヤ内側の接地圧を安定させることで、さらなる接地性向上を目指しています。ブレーキは先代モデル同様に2ピースディスクブレーキシステムを継承していますが、マスターパワーの特性を変更し、低速から高速までのさらなるコントロール性の向上が追求されています。
これらに加え、新たなドライビングプレジャーの提供を目指したTYPE R専用データロガー『Honda LogR』を車載ナビにアプリとして搭載。自分自身の運転操作による車両の機械的な運動情報などをリアルタイムに知ることができ、また、TYPE Rユーザー同士でのその情報のシェアを実現。採点機能で自分の運転技術レベルがわかるだけでなく、ユーザー同士のコミュニケーションで互いに切磋琢磨できるようになっています。
『トミカ』の『No.78 ホンダ シビック TYPE R』は、この最新のFL5型“TYPE R”を上手く再現しています。この『トミカ』で、ぜひ最新のHondaの走りへの熱き想いを感じてみてはいかがでしょうか。
■ホンダ FL5型 シビック TYPE R(2022年モデル)主要諸元
全長×全幅×全高(mm):4595×1890×1405
ホイールベース(mm):2735
トレッド(前/後・mm) :1625/1615
車両重量(kg):1430
エンジン形式:K20C型直列4気筒DOHC
排気量(cc):1995
最高出力:243kW(330ps)/6500rpm
最大トルク:420Nm(42.8kgm)/2600-4000rpm
トランスミッション:6速MT
サスペンション(前/後):ストラット/マルチリンク
ブレーキ(前/後) :ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ:(前後) 265/30ZR19 93Y
■毎月第3土曜日はトミカの日!
毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2022年12月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.78 日産 GT-R NISMO 2020 モデル』に代わって『No.78 ホンダ シビック TYPE R』が登場します。また、それまでの『No.40 ホンダ シビック TYPE R』に代わって『No.40 消防活動二輪車 クイックアタッカー』が登場します。なお、『No.78 ホンダ シビック TYPE R』には、初回出荷のみの特別仕様(特別色)もあります。