おなじみのタンクローリーの『トミカ』です! | トミカ × リアルカー オールカタログ / No.90 UDトラックス クオン エネオス タンクローリー

町でよく見かけるエネオスのタンクローリーも『トミカ』になっています! | トミカ × リアルカー オールカタログ / No.90 UDトラックス クオン エネオス タンクローリー

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.90 UDトラックス クオン エネオス タンクローリー (希望小売価格550円・税込)

タンクローリーとは主に石油や液化ガスのような液体やガスのような気体を運搬するために用いられる、荷台部分に円筒状のタンクを架装した特殊貨物輸送車両です。「ローリー」とはイギリス英語でトラックのことを指しますので、「タンクローリー」とは「タンクトラック」とか「タンク式輸送車」という意味になります。輸送する物は飲料水や牛乳などの液状の食材、危険物や毒物であるガソリンや液体燃料、高圧の液化ガス燃料、化学薬品、セメンのような建築資材など、液状の積み荷の運送に用いられます

『トミカ』のモデル車に比較的近い、海外版(中国版)初代クオンのタンクローリー仕様実車フロントビュー。(日産ディーゼル版 CWB452型/水タンク車)*『トミカ』モデル車両とはと同一規格ではありません。
UDトラックス クオン(2代目)タンクローリー(フルキャブ/前2軸)実車フロントビュー。*『トミカ』モデル車両とはと同一規格ではありません。

タンク部分には積み荷の特性から複数の運搬物が混載されることはなく、食品用タンクローリーは食品のみ、燃料用タンクローリーは燃料のみの運送に用いられ、それぞれの積み荷の特性や関係する法律や法令に従って、タンク部分を作るのに使われている素材が鋼板やステンレス、アルミ合金など異なっています。一般的には鋼鈑製が多いのですが、食品ではステンレスが、油脂類ではアルミ合金が使われることが多くなっています。

タンクローリーのタンク部分は楕円形の断面を持つものがほとんどですが、これは車体の重心を低くしてバランスを取りやすくし、転倒し難くするためです。基本的にはタンクに詰めて運ぶものの種類が変わっても楕円形断面のタンクが用いられます。ただし高圧ガスローリーのように高い圧力をかけて運搬物を詰め込む場合(=圧力封入)には、断面が真円形のタンクが使われます。これは内部からの圧力を均等に外側にかけることでタンクの強度と耐久性を安全に維持するためです。

なお、タンクローリーは積み荷の種類によって道路交通法以外の規制を受けるため、特に危険物や高圧ガスなどの運送に用いられるタンクローリーの運転には積み荷に合わせた資格――危険物取扱者や毒物劇物取扱責任者など――の取得が必要となります。

UDトラックス クオン(2代目)タンクローリー(ショートキャブ/前2軸)実車フロントビュー。『トミカ』と比べると大きく異なっているのが、車輪が後2軸ではなく前2軸になっている点。前2軸だと直進性が良くなり、タイヤが小さくできるので低床化にも有利だ。*『トミカ』モデル車両とはと同一規格ではありません。
クオンの姉妹車、海外で販売されているクエスターのタンクローリー。こちらは『トミカ』と同じく後2軸のレイアウト。前2軸に比べると小回りが利くのが利点とされている。

公道やガソリンスタンドでよく目にするのが、『トミカ』の『No.90 UDトラックス クオン エネオス タンクローリー』のモデルになっている燃料ローリーです。これは燃料メーカーの貯蔵所から各ガソリンスタンドへの燃料供給業務や貯蔵所間の燃料の移送などに用いられるものです。燃料ローリーは消防法の危険物に指定される燃料を積載するため、消防法によってさまざまな規制を受けており、単なる自動車ではなく「移動タンク貯槽所」という危険物施設とされています。このため一般的な危険物施設同様に厳しい基準が求められるため、一般のトラックよりも設備基準や運行に厳しい制限を受けています。たとえば消防法の危険物に該当する液体燃料を積載するため、車検のほかに消防法で定める消防検査にも合格する必要があります。

さて、『トミカ』の『No.90 UDトラックス クオン エネオス タンクローリー』ベースの車両、クオンというトラックはUDトラックスの大型トラックです。このクオンは現在、2代目モデルとなっていますが、この『トミカ』で再現しているのは初代モデルのフルキャブ車となっています。

2代目クオンの操作性に優れたコクピット。

実は実車の製造メーカーのUDトラックスは2010年に社名変更しており、それ以前は日産ディーゼルという会社名でした。ですから2017年に登場した最新の2代目クオンは最初から『UDトラックス クオン』という車名ですが、2004年に発売された初代モデルは当初は『日産ディーゼル クオン』という車名でした。そこでこの『トミカ』のモデルは初代クオンの2010年以後の生産車…と言いたいところですが、実はそれ以前の生産車に対しても、希望すればUDトラックスの新エンブレムに無料交換するサービスを行なっていたため、モデルの年式を特定することはほぼ不可能です。

2代目クオンは8ℓエンジンの採用などで約300kgのシャーシ軽量化を実現している。

さて、2004年に登場した初代クオンは発売当時、電気系統、安全面、環境面において世界初ともなる革新性をもつ、さまざまな最先端技術が組み込まれていましたが、特に環境対応技術は高い評価を受けました。日本では、2005年を目標に新長期排出ガス規制が設定されましたが、あまりに厳しい目標のため、業界では達成は不可能と考えられていました。これに対し、初代クオンは排出ガスの浄化装置に、トラックでは世界初となる尿素SCRシステム『FLENDS(フレンズ)』を採用することで環境性能と燃費性能を大幅に高め、新長期排出ガス規制適合を施行の1年前に実現しています。エンジンには、ユニットインジェクターを採用したGEエンジンシリーズを搭載、最高モデルは410psとなっていました。

2代目クオンに採用されている8ℓのGH8エンジン。
2代目クオンに採用されている、スムーズな走りを実現するオートマチックトランスミッション『ESCOT-Ⅵ』。

2017年に登場した2代目クオンも、先代から受け継ぐクラス最高レベルの燃費・環境性能と力強さの両立、スムーズでストレスの少ない快適な走りをもたらすドライブライン、乗員と積荷を守ることに加えて、周囲の安全性も同時に確保する先進的な安全装備、快適かつ運転に集中できるインテリアなど、先進的なトラックとなっています。もちろん2代目クオンをベースとしたタンクローリーもラインアップされています。

『トミカ』の『No.90 UDトラックス クオン エネオス タンクローリー』は外形の再現性も上々で、エネオスのロゴマークなどの雰囲気もよく出ているものとなっています。

■UDトラックス クオン CV ローリー(2PG-CV4BA型) 主要諸元 (諸元は最新の実車のものです。『トミカ』のモデル車両と同一規格ではありません)

全長×全幅×全高(mm):7995×2490×3710

ホイールベース(mm):4570

トレッド(前/後・mm) :2040/1835

車両重量(kg):2200

エンジン:直列GH8E型直列6気筒ターボインタークーラーディーゼル

排気量(cc):7697

最高出力: 263kW(357ps)/2200rpm

最大トルク:1428Nm(146kgm)/1200-1600rpm

トランスミッション:7速AT(ESCOT-Ⅵ)

サスペンション(前/後):エアサスペンション

ブレーキ(前後) :空気式 ディスク

タイヤ:(前後):11R22,5-14PR

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