ベストセラー小型ハイブリッド乗用車の2代目も『トミカ』デビュー!

トミカ × リアルカー オールカタログ / No.34 トヨタ アクア

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.34 トヨタ アクア (サスペンション可動・希望小売価格550円・税込)

2022年10月の第3土曜日に、それまでの『No.34 ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ』に代わって『トミカ』のラインアップに加わったのが『No.34 トヨタ アクア』です。

アクア(Z・2WD/クリアベージュメタリック)<オプション装着車>実車フロントビュー。
アクア(Z・2WD/クリアベージュメタリック)<オプション装着車>実車リヤビュー。

アクアはトヨタが製造販売する小型ハイブリッド乗用車です。トヨタは以前よりカーボンニュートラル実現を目指し、「サステナブル(持続可能)な移動手段をプラクティカル(実用的)に市場に投入する」という考えのもと、“もっといいクルマづくり”に取り組んできましたが、そんな中、「ハイブリッドカーを身近なものにする」という思いを込め、「次の10 年を見据えたコンパクトカー」を追求し、高い実用性に加えてハイブリッド専用車として圧倒的な低燃費・静粛性を購入しやすい価格で実現するべく、2011 年東日本大震災のその年にトヨタ自動車東日本株式会社(当時の関東自動車工業株式会社)の岩手工場で誕生したのが初代アクアでした。

その意志を継いで2021年に登場したのが、今回の『トミカ』の『No.34 トヨタ アクア』のモデルとなっている、2代目となるMXPK1型のアクアです(実は初代も2012年から2014年まで『トミカ』として販売されていました。現在は販売を終了しています)。初代が担ってきた役割を発展させ、「さらに次の10 年を見据えたコンパクトカー」として、ユーザーが毎日楽しく、安全・安心で快適に乗ることができる充実した装備と、より高度な環境性能を追求しているのが特色です。

初搭載となったバイポーラ型ニッケル水素電池。

優れた環境性能と上質感のある走りの実現のため、2代目アクアにはBグレードを除く全車に、豊田自動織機と共同開発された、従来型の電池と比較してコンパクトで高出力な性能を持つ『バイポーラ型ニッケル水素電池』が駆動用車載電池として世界初採用されています。この電池は集電体の片面に正極、もう一方の面に負極を塗った『バイポーラ電極(Bipolar:双極)』を複数枚積層させてパックにしたもので、従来型のニッケル水素電池と比べて集電体などの部品点数が少なくなるのでコンパクト化できるのが特徴です。

バイポーラ型ニッケル水素電池の断面図。

そのため従来型の電池と同等のサイズの場合、より多くのセルを搭載することが可能になっており、また、通電面積が広くシンプルな構造により、電池内の抵抗が低減することで大電流が一気に流れるようになるため、出力の向上につながっています。この新型電池は、初代の電池に比べ約2 倍の高出力を実現しています。

従来型のニッケル水素電池(左)と バイポーラ型(右)との構造比較。コンパクト化されていることがわかる。

2代目アクアは、この新型電池の高出力の性能を生かすことで、アクセル操作への応答性が向上するとともに、低速からパワフルでスムースな加速が可能になりました。また、電気だけでの走行可能速度域を拡大したことで、街中の多くのシーンでエンジンを使わない電気だけでの走行を実現しています。

E-Four(電気式4WDシステム)は、発進時や雪道などの滑りやすい路面でスムーズに4WD状態へ切り替えることで、発進性・走行安定性をアシスト。またシステムを小型軽量化し、車両後方にコンパクトに配置することで、低燃費に貢献しながら足もとスペースや荷室容量のゆとりも確保した。

この電池の特性によりBグレードを除く全車に、走行モードから“POWER+モード”を選択するとアクセルペダルを緩めるだけで回生によって減速度を増大させて滑らかに減速することができ、アクセル・ブレーキペダルの踏みかえ頻度を抑えてドライバーの負担を軽減しつつ意のままの走りを実現する『快感ペダル』がトヨタで初採用されています。

1.5ℓ“ダイナミックフォースエンジン”を搭載した『THS Ⅱ』ハイブリッドシステム。(画像は同系統のヤリスのものです)

また、2代目アクアでは初代同様にハイブリッドシステムはリダクション(減速歯車)機構付『THS II』を用いていますが、エンジンは1.5ℓのM15A-FXE型に、モーターは1NM型にそれぞれ換装されており、初代では設定されていなかったリヤモーターを搭載する電気式4輪駆動システム『E-Four』が採用され、雪道でもより安心して走行できるようになっています。これらの技術により、2代目アクアはコンパクトカークラストップレベルとなる35.8km/L の低燃費とハイブリッド車らしい軽快な走りを高次元で両立しています。

非常時給電システム付きのアクセサリーコンセント(AC100V・1500W)が装備されている(写真はZ/2WD)。
アクセサリーには、窓を閉めても外部へ給電コードが出せる外部給電アタッチメント給電バイザーなども用意されている。

また、2代目アクアには最新の安心・安全機能が装備されていますが、そればかりでなく、災害時など万が一の際に役立つアクセサリーコンセント(AC100V・1500W)と給電機能が全車に搭載されているのも特徴です。車両駐車時に“非常時給電モード”にすると、電気ポットやドライヤーなどの家電製品が使用可能な非常用電源としてクルマを活用できます。

アクアの低重心・高剛性ボディ。TNGAプラットフォームのもと、エンジン構成位置などの重量配分を最適化することで低重心化。軽量でありながら高剛性ボディの採用で安定感に優れた新しいコンパクトカーの走りの質を追求している。

ボディでは初代から受け継ぐコンパクトさはそのままに、TNGA(GA-B)プラットフォームを採用することで、高いボディ剛性と静粛性に加え安定感のある走りを実現しています。加えてホイールベースを初代より50mm 延長することで、特にリヤシートの居住空間や荷室空間を拡大し、利便性が向上されています。インテリアは機能をひとくくりに集約し、シンプル・クリーンかつ上質な空間が表現され、ボックスティッシュなどを収納できる助手席アッパーボックスや、センターコンソールには充電ケーブルをスッキリ格納できるスライド式トレイなどが採用され、便利でスマートな収納が実現されています。さらに、操作性・視認性に優れた10.5 インチ大型ディスプレイオーディオがトヨタコンパクトカーとして初採用されています。

『トミカ』の『No.34 トヨタ アクア』は、実車のコンパクトでスマート、エモーショナルかつ動感のあるスタイリングを上手く表現しています。コレクションに加えたくなる1台でしょう。

■トヨタ アクア (Zグレード E-Four/4WD) 主要諸元

全長×全幅×全高(mm):4050×1695×1505

ホイールベース(mm):2600

トレッド(前/後・mm) :1480/1485

車両重量(kg):1230

エンジン形式:M15A-FXE型直列3気筒DOHC

排気量(cc):1490

最高出力:67kW(91ps)/5500rpm

最大トルク:120Nm(12.2kgm)/3800-4800rpm

フロントモーター形式:1NM型交流同期式

フロントモーター最高出力:59kW(80ps)

フロントモーター最大トルク:141Nm(14.4kgm)

リヤモーター形式:1MM型交流誘導式

リヤモーター最高出力:4.7kW(6.4ps)

リヤモーター最大トルク:52Nm(5.3kgm)

動力用主電池:ニッケル水素電池 5.0Ah

トランスミッション:電気式CVT

サスペンション(前/後):ストラット/ダブルウィッシュボーン

ブレーキ(前/後) :ベンチレーテッドディスク/ドラム

タイヤ:(前後) 185/65R15

■毎月第3土曜日はトミカの日!

No.34 トヨタ アクア(初回特別仕様) (サスペンション可動・希望小売価格550円・税込)*初回出荷のみの特別仕様(特別色)です。

毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2022年10月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.34 ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ』に代わって『No.34 トヨタ アクア』が登場します。また、それまでの『No.77 日野プロフィア 日本通運トラック』に代わって『No.77 日立建機 マカダムローラ ZC125M-5』が登場します。なお、『No.34 トヨタ アクア』には、初回出荷のみの特別仕様(特別色)もあります。

No.77 日立建機 マカダムローラ ZC125M-5(希望小売価格550円・税込)

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