コンパクトのベンチマークと言える上質な乗り味とスタイリング「プジョー2008」【最新コンパクトカー 車種別解説】

ハッチバックの208をワイド化したSUV「プジョー2008」。機械式立体駐車場にも対応するなど日本の環境にマッチしている。フランス車が得意なコンパクトカーの中でも王道中の王道を行く安定感と安心感はいつでもどこでもユーザーに寄り添ってくれるだろう。
REPORT:石井昌道(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:佐々木萌香

3種のパワートレインを展開 ボディ剛性や操縦安定性も◎

 ハッチバックの208に比べると全長210mm、全幅25mm、全高25mm、ホイールベース70mmそれぞれ大型化されSUVに仕立てられた2008。

エクステリア

リヤバンパーのクロームエキゾーストエンドがガソリン車であることを示す。なお、電気自動車であってもバッテリーの分散搭載により最低地上高は205mmを確保しており、SUVらしい機能性を誇るパッケージだ。最小回転半径は5.4m。

全高が機械式立体駐車場に対応した1550mmに収まっているのが日本の都市部のユーザーにとってうれしいところだ。

インストルメントパネル

さまざまな情報を立体的に表示するメーターを小径ステアリングの上から覗き込むのが、プジョー「3D i-Cockpit」独特のスタイル。2022年4月の小変更で、シフト操作系が全車でトグルタイプに変わっている(写真は変更前)。

Bセグメントのコンパクトカーはフランス車が最も得意とするところで2008でもデザイン、上質な乗り味ともに世界のベンチマークと言える存在だ。パワートレインは1・2lガソリンターボ、1・5lディーゼルターボ、BEV(電気自動車)と3種類用意され、ユーザーの好みやライフスタイルに合わせて選択できるようになっている。

居住性

大きな見どころはシャシー性能。剛性感の高いボディとしっかりと踏ん張るサスペンションで操縦安定性が高く、フンワリとした以前のフランス車らしさはないのだが、路面が悪くてもゴツゴツ感がなく、しなやかに凹凸をいなしていくのが見事だ。コーナリングも得意科目で、日本車やドイツ車よりも気持ち良く曲がっていく感覚が強い。小さくても元気いっぱいの走りをみせてくれる。

うれしい装備

可動式フロアボードの下に約90mmの深さをもつラゲッジアンダースペースを用意する。ボードを開けた状態でキープできるストッパー付き。
アドバンスドグリップコントロールは「GT」と「BlueHDi」に標準装備。走破性を高めるスノー、マッド、サンドなどのモードを用意。
月間登録台数     NO DATA
現行型発表      20年9月(一部改良22年4月)
WLTCモード燃費    20.8km/l ※ディーゼル車

ラゲッジルーム

パワートレインはそれぞれに魅力があるが、ディーゼルでもいやな振動が伝わってこないのは立派。ガソリンは実用トルクが充実していて排気量から想像する以上によく走ってくれる。BEVはこのクラスとしては異例なほど上質で価格も手頃。慣れが必要なドライビングポジション以外は文句のつけようがない仕上がりなのだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.142「2022-2023 コンパクトカーのすべて」の再構成です。車両価格は刊行当時の情報です。

http://motorfan-newmodel.com/integration/142/

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