フォルクスワーゲン「ID.Buzz」の日本導入決定!! 発売は2024年末頃? 今も人気のフォルクスワーゲン・タイプII「ワーゲンバス」の再来なるか!?

2023年はフォルクスワーゲン日本販売70周年。その節目の年を記念して特別仕様車「ゴルフ・プラチナムエディション」の発売が告知された。合わせて、ワーゲンバスの愛称で長らく親しまれてきたフォルクスワーゲン・タイプIIの現代版となるべく開発された「ID.Buzz」の日本発売決定もアナウンスされた。

フォルクスワーゲンが日本での販売を開始したのが1953年。フォルクスワーゲン・タイプI、いわゆる”ビートル”がその最初のクルマである。販売数は108台。さらにこの時、3台のタイプII、通称”ワーゲンバス”も販売された。
そんなタイプII”ワーゲンバス”を電動化時代の現代に甦らせたのが「ID.Buzz」だ。

2台のフォルクスワーゲン・タイプIIと並ぶID.Buzz(中央)

ID.Buzzの日本導入は決定! 発売時期は2024年末以降に……

ID.Buzz

2017年のジュネーブモーターショーにコンセプトカーとしてワールドプレミアとなったID.Buzzは同年の東京モーターショーで日本初お披露目。大いに話題を呼んだ。
そして2022には量産モデルを公開し、ヨーロッパでは先行受注が始まっている。日本への導入も大いに期待されていたところだが、2023年3月9日に日本導入決定がアナウンスされた。気になる発売時期は、早くて2024年末と発表されたが、世界的な自動車のデリバリー遅れを考えると2025年にずれ込む可能性も考えられる。

ID.Buzz

とはいえ、フォルクスワーゲン ジャパンは電動車「ID.4」の日本導入に合わせ、充電ネットワークを全国217店舗に展開(3月1日現在)するほか、アウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲンの3ブランドによる独自の充電ネットワーク「プレミアム チャージング アライアンス(PCA)により、3社のどのディーラーでも充電できるなど、EVの利用環境を整えている。さらに、ID.ジーニアスと称するスペシャリストを揃え、ユーザー対応窓口としてID.コンシェルジュ サービスも設置を進めている。
ID.Buzzが日本で発売する頃には、充電環境も今よりさらに整っておりEVも使いやすくなっているはずだ。

シンプルなインターフェースの運転席まわり。
インストゥルメントパネルも過度な操作系や装飾はない。
2列目シート
フロントシート
ラゲッジルーム
2列目格納時
6:4分割可倒式2列目シート

フォルクスワーゲン・タイプIIは今でも人気のあるクルマだが、初代のT1のデビューは1950年。二代目のT2が1967年に生まれ、ブラジル仕様が2013年まで生産されたとはいえ、本国モデルは1979年で生産終了している。最後のリヤエンジンモデルであるT3も1979年デビュー、1990年生産終了である。趣味のクルマで覚悟をもって乗るのでなければ、これからの時代は厳しい。
それだけに、電動化時代の” ワーゲンバス”としてID.Buzzへの期待は大きい。

ID.Buzz(参考出品)
仕様:4ドア/右ハンドル
全長×全幅×全高(mm):4712×1985×1937
最大出力;150kW(204ps)
最大トルク:310Nm(31.6kgm※)
総電力:77kWh
一充電走行可能距離(WLTP):423km
交流電力消費率(WLTP):20.7kWh/100km
車両重量:2471kg
ボディカラー:ライムイエローメタリック/キャンディホワイト

2台のワーゲンバスを展示

手前のモデルががT1、中央がID.Buzzで、奥がT2だ。

この日は、ID.Buzzと共に2台のワーゲンバスも展示された。
1台はフォルクスワーゲン・タイプ2の第一世代(1950年〜1967年)であるT1。もう1台は第二世代であるT2だ。どちらもポップアップルーフを備える「ウエストファリア」だった。

T1
T1
T1

元来は積載性を考慮したビジネスユースが前提のモデルであったが、そのユーティリティはレジャー用としても人気を博した。日本でも人気のモデルであり、2000年頃にブームが再燃。その後、ヨーロッパでもブームが起きたため、日本から逆輸出された個体も少なくないという。

フロントウインドウは開閉可能な”サファリ”ウインドウ。エアコン非装備の場合はこれが真夏の走行時の命綱に。
極めてシンプルなコックピット。カゴを設置して収納力と使い勝手をアップ。

展示されたT1の来歴までは紹介されていなかったが、ポップアップルーフの前後にキャリアを装着。後席には棚などを設たキャンピングカー仕様になっていた。加えて、リヤバンパーにはヒッチメンバーも設置されていた。

T2

T2は10968年モデルのウエストファリアで、アメリカ、ニュージーランドを経て日本に輸入され、しばらくは輸入雑貨屋で活躍していた。その後、長らく”納屋物件”だったものを「フォルクスワーゲン・クラシックカー・プロジェクト」として、フォルクスワーゲングループジャパンの社員8名がフルレストアを行ったという。

T2
T2

ボディの状態が悪く、部品を全て取り外し逃走を徹底的に剥離。腐食や穴を修復し、パーツは本国ドイツのVWクラシックパーツセンターやアメリカ、イギリスから取り寄せた。その点数は231点にも及んだ。今なお新品のパーツが手に入るのがワーゲンバスの良いところではある。
オリジナルのカラーに近づけつつ、最新の水性塗料でフルペイント。最終的にはのべ228日間の作業でフルレストアを完成させたという。

T1に比べるとグッと近代的になったコックピット。それでもまだまだシンプルだ。
木目のドア内張や、シートカバー、フロアマットなど、アウトドアテイストのデザインを採用。
広い後席にはテーブルが設置される。
2列目から3列目へはウォークスルーになっている。

果たして期待のID.BuzzはこれらタイプIIのように末長く愛されるモデルになっていくのか? 昨今キャンプブーム、アウトドアブームもあり、ウエストファリアのようなモデルが追加されるのか? 日本での発売はもちろんのこと、発売後の展開にも期待せずにはいられない。

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