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アウトドアシーンでは高い信頼感と映え度を発揮するジープ・ラングラー
今更いうまでもなく、「ジープ・ラングラー」はクロカン4WDの代名詞的存在だ。頑強なラダーフレーム構造に大きなタイヤとパワフルなエンジンを搭載し、あらゆるシーンでも高い走破性を誇る「ジープ・ラングラー」は、今も昔もアウトドアズマンの憧れの的となっている。
その一方で、「ジープ・ラングラー」に憧れを抱いている人たちは、平面的で角ばったボディに丸目2灯のクラシカルなフォルムにも惹かれているはず。これは1945年に誕生した「CJ-2A」から脈々と受け継がれている伝統的なフォルムだが、ほかのクルマでは絶対に体験できない唯一無二の独特な味わいがあり、ここに心踊らされているファンが多いのは確かだ。
このような背景から、すでに「ジープ・ラングラー」のオーナーとなった人はもちろん、これから購入しようと思っている人たちは、アウトドアシーンでの高い信頼性と映え度に大きな期待を寄せていることだろう。
気になる「ジープ・ラングラー」の積載力はいかに?
アウトドアシーンでの活躍が期待されている「ジープ・ラングラー」だが、キャンプ、フィッシング、サーフィン、ボードのどれをとっても大小合わせてさまざまなギアをフィールドへ持ち込む必要があり、ラゲッジスペースなどの積載能力は大きな関心事だ。
巷では、「ジープ・ラングラー」には「荷物があまり載らない」とか「車中泊には向かない」などとささやかれることもあるが、実際のところはどうなのか、この記事を読んでいる皆さんは大きな関心があるはずだ。そこで今回は、実際にキャンプギアを積み込んでみて、どれほどの積載能力があるのか検証してみることにしよう。
2名分のキャンプギアを積み込んで積載能力を検証
今回の検証では、2名でキャンプへ行く際に必要となる標準的なギアを用意して、実際にどれほどの積載能力があるのかを試してみた。用意したキャンプギアは下表のとおりだ。
積み込みにあたっては、重量配分に配慮しながら、荷崩れすることなく、極力デッドスペースが発生しないよう注意しながら作業を実施。結論からいうと、2名でキャンプへ行く際の標準的なギアといえども、ラゲッジスペースのみでは積みきれず、リアシートも利用する必要がある。足しげくキャンプへ出かけている筆者からすると想定内の結果だが、いつも少々物足りなさを感じるのは確かだ。
また、積み込みの際に気になるのは、車内全域に設置されているロールバーの存在。これはフルオープンで走行する際に乗員の安全を守るために必要なものだが、とりわけラゲッジスペースでは影響度が高く、リアクオーターウインドウ付近にデッドスペースを生む要因となっている。
ここには小さなグッズならばいくつか積むことができるが、ウインドウのすぐ近くなので、重い物や金属製のグッズは怖くて置けない。そこで筆者は、ウインドウ保護を兼ねてアウターなどの衣類、マット、ブランケットなど柔らかいものを挿し込むスペースとして利用している。
ボディサイズやボディ形状を考えると積載能力は及第点
検証後に積み込んだキャンプギアを降ろして並べてみると、実は結構なボリュームであることがわかる。「ジープ・ラングラー(JK型)」のボディサイズは、全長4,705mm×全幅1,880mm×全高1,845mmと、本格的なクロカン4WDとしては比較的コンパクトな部類に入る。しかも、たくさんの人や荷物を積むことのできるワンボックスではなく、長いボンネットフードが付いた2ボックスであることを考えると、これだけ積めるのならば及第点をあげてもいいだろう。
ギアが肥大化する冬場はルーフラックやルーフボックスで対処
キャンプでは、季節、気温、天候などによって持ち物が変化するが、今回の検証ではオンシーズン(春から秋の3シーズン)を想定していたので、シュラフやブランケットなどの就寝用品は比較的薄手のものをチョイスした。
しかし、冬場になると就寝用品は厚手のかさ張るものになるうえ、電気毛布なども必要になるので、キャンプギアの容量は増える傾向にある。さらに、石油ストーブや薪ストーブなどの暖房用品も必須になるので、ラゲッジスペース+リアシートでは容量不足になることは必至だ。
そんな時に役立つのが、ルーフラックやルーフボックス。ただし、ルーフラックの場合は、雨対策としてキャンプギアをコンテナボックスに入れたうえで載せるとよいだろう。
ところが、「ジープ・ラングラー」は本格的なクロカン4WDゆえ車高が高く、ルーフラックやルーフボックスを取り付けた場合は荷物の上げ下げに苦労する。そのために脚立を持ち歩くのは面倒なので、筆者はドアフックに引っ掛けるだけでステップとなる「ドアステップ」を常時携帯している。
積載場所を分散すると、さらに積載能力がアップする!
今回は、「ジープ・ラングラー」に2名分のキャンプギアを実際に積み込んで積載能力の検証を行ったが、ボディサイズやボディ形状を考えると、若干物足りなさはあるものの及第点という結果。前述のとおり、ルーフラックやルーフボックスを利用すると、真冬の重装備+愛犬でも十分搭載することが可能だ。また、「ジープ・ラングラー」のリアシート下には、横長の比較的空間があるので、ここも積載スペースとして利用すると、さらに積載能力はアップする。
気になる車体の変化はというと、リアの沈み込みはほとんど感じられず、操舵感や走行安定性にも大きな影響はなかった。やはり「ジープ・ラングラー」には、乗用車ベースの軟なSUVとは違って、ハードな条件になるほど絶大な信頼感を提供してくれる4WDであることを改めて実感させられる。これから秋にかけては、本格的なアウトドアシーズンに突入するので、「ジープ・ラングラー」を駆って出かけるのが楽しみで仕方ない。