妥協なき質感を誇るレクサスSUVの末弟「レクサス UX」【最新国産新型車 車種別解説 LEXUS UX」

日本の環境に適したプレミアムコンパクトSUV、レクサス UX。運転の楽しさを追求したレクサスブランドの中でも、実用性に優れながら、今回の改良のポイントであるスポット溶接の追加で走りの質感が大幅に向上した。安全性能もカメラとレーダーの性能ともにアップしている。
REPORT:渡辺陽一郎(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:中野孝次 MODEL:花乃衣美優

20点ものボディ補強でより味わい深い走りを実現

今、売れ行きを急増させているカテゴリーがSUVだ。15年ほど前は、新車として売られる小型/普通車の約10%だったが、今はsuvが30%近くを占めてミニバンを上まわる。SUVの販売は、日本と海外の両方で好調だから、新型車の投入も活発だ。特にレクサスは海外向けのブランドとあって、SUVを充実させて車種数も多い。

エクステリア

一文字のテールランプがアイコンとなる先進的なリヤビュー。撮影車のボディカラーは新規設定のソニックイリジウムだ。新型はボディのスポット溶接打点が20点追加されており、ボディ剛性も強化されている。

2022年には、レクサスのコンパクトSUVに位置づけられるUXが、規模の大きな改良を受けた。注目される変更点はボディの補強で、スポット溶接を20点追加した。Fスポーツには、ショックアブソーバーの減衰力を変化させるAVSとパフォーマンスダンパーも備わる。

乗降性

ちなみに改良前のUXは、前後方向の揺れが気になり、ステアリングホイールには路上からの振動も伝わりやすかった。改良ではそこに手が入り、さらに小さな操舵角から、車両は進行方向を正確に変える。また峠道のカーブを曲がっているときに、アクセルペダルを戻すことで、車両を内側に向ける操作もしやすい。

このセッティングが行き過ぎると、後輪の接地性が下がって安定性を損なうが、改良を受けたUXは上手にバランスを取った。ちなみに今のレクサスブランドは、フルモデルチェンジを受けたRXなども含め、ドライバーのコントロール領域を広く確保して運転の楽しさを追求している。UX同士で新旧モデルを乗り比べると、近年のレクサスの走りに対する考え方の変化がよくわかる。

インストルメントパネル

もともと上質感に定評のあるインテリアは、マルチメディアシステムを刷新。高解像度の12.3インチタッチディスプレイを標準装備し、タッチ操作しやすい位置に搭載するなど、使い勝手を高めている。

改良を受けてUXの特徴も際立ってきた。UXの全高は、SUVとしては低く、立体駐車場を使いやすい1540㎜に収まる。もともと重心の低いボディに、剛性を高める改良を加えたことで、先に述べたスポーティな運転感覚を味わえる。UXの外観と走りは、SUVというよりも5ドアハッチバックに近い。

居住性

パワーユニットは、2.0ℓ直列4気筒のガソリンエンジンと、2.0ℓをベースにしたハイブリッドだ。ガソリンエンジンは実用回転域の駆動力に余裕を持たせて運転しやすいが、登り坂でアクセルペダルを踏み増すと、エンジンノイズが高まる。その点でハイブリッドは、モーター駆動の併用で動力性能に余裕があり、加速も滑らかでノイズは小さい。

低燃費だけでなくレクサスに相応しい上質感も味わえる。選ぶときに注意したいのは乗り心地だ。改良を受けて不快な挙動を抑えたが、Fスポーツに乗って街なかを時速40㎞以下で走ると、乗り心地が硬めに感じる。今のレクサスらしい機敏な走りを味わえる半面、18インチのランフラットタイヤなどが影響を与えた。快適性を重視するなら17 インチタイヤ装着車を推奨したい。

うれしい装備

「UX250h」は2段デッキタイプの荷室フロアを採用。荷物の大きさや形状などに合わせて、デッキボードの高さを2段階で調整できる。
一部改良        22年7月7日
月間販売録台数      395(22年7月〜12月平均値)
WLTCモード燃費       22.8km/l ※「UX250h」系のFF車

ラゲッジルーム

居住性は以前と同じで、身長170㎝の大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシひとつ分だ。少し狭いが、床と座面の間隔を十分に確保したから窮屈な印象はない。全長は4495㎜に収まり、最小回転半径も5.2mだから、小回りの利きも良い。

SUVでありながら、立体駐車場を使いやすいことも含めて実用性が優れている。試乗してノイズや乗り心地が気にならなければ、日本の使用環境に適した買い得なプレミアムコンパクSUVになる。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.147「2023 国産新型車のすべて」の再構成です。

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