クロカンとはどんな車？SUVとの違いやおすすめ車種を紹介！

クロカンとはどんな車？

クロカンとは、オフロード走行用に作られた車両を指すボディタイプのカテゴリ名です。正式名称はクロスカントリー車といいます。

凸凹が多い路面の上を走るために車高が高く、強い衝撃を受けてもボディが歪まないように、タフな作りとなっているのが特徴です。低燃費性能を重視しているために流線型となった他のボディタイプとは異なり、ボディのエッジが立った四角いスタイリングのものが大半。第2次世界大戦時の軍用車をルーツとするモデルもあり、質実剛健な印象を全体にまとっています。

クロカンとSUVの違い｜ポイントは構造にアリ！

悪路走破性が高いボディタイプの代表例にSUVがあります。クロカンはSUVの一種となるカテゴリ（厳密にはSUVの始祖）ですが、ラダーフレーム構造を取り入れているのが、モノコックフレーム構造やプラットフォーム構造を取り入れた普通のSUVとの大きな差です。

ラダーフレームは強靭なボディを作り上げるために欠かせない、馬車の時代から存在するパーツです。ハシゴ状（ラダー）のフレーム（骨格）の上にエンジンやシート、ハンドルその他のパーツを載せ、足回りとなるサスペンション、ホイール、タイヤを装着する、プリミティブな構造となります。骨格が極めて高い強度を持つため、強い衝撃を受けても歪みにくい。また重大な故障が起きてもパーツ単位での交換が可能で修理しやすいという特徴を持ちます。

クロカンの選び方｜購入満足度を高めるポイント

ヘビーデューティなルックスだけではなく、オフロードでこそ、道なき道を走り抜けられる本領を発揮できるという独特な個性を持つクロカン。その選び方のポイントをまとめてみました。

デフロック代わりとなるブレーキLSD

オフロードの走行性能を重視したモデルには、泥濘んだ道や砂浜で片輪が滑ってしまったとき、または片輪が浮いてしまったときでも、反対側の車輪に駆動力を伝えるためのデフロックやLSDが備わっています。このデフロックやLSDを装備していない車両は見た目だけのクロカン車、と思われがちですが、近年は空転しているホイールにのみブレーキをかけるブレーキLSDトラクションコントロールを採用したモデルも登場しました。

ブレーキLSDトラクションコントロールも悪路走破性の向上に効果がある機能です。見過ごさないようにしましょう。

リジットか独立懸架か足回りをチェック

サスペンションの構造によっても悪路走破性と乗り心地が異なります。ラダーフレームを採用したクロカンは主にリジッドアクスル式のサスペンションを採用していますが、これは悪路走破性の高さを重視したからのこと。路面と車体底部の距離を大きくとることができます。

しかし近年は舗装道での乗り心地を重視して、フロントに独立懸架式のサスペンションを取り入れるモデルも出てきました。

クロカン級の走行性能を持つSUVもある

大小様々な岩がゴロゴロしている場所を走るにはクロカンでなくてはなりません。

しかしそこまで荒れてはいない道を走るのであれば、モノコックフレーム＆独立懸架式サスペンションの車両でも、十分な悪路走破性を発揮するモデルもあります。代表的なのは、スバル・フォレスターやランドローバー・ディフェンダーです。

クロスカントリー競技・ダートトライアル競技に出場するのでなければ、車内空間が広く、日常移動時の乗り心地に優れるこれらの本格派SUVを選ぶのもいいでしょう。

クロカンおすすめ人気車種5選

以下では、クロカンおすすめ人気車種を紹介します。

クロカン1. スズキ ジムニー

スズキのジムニーは、軽自動車枠のクロカンです。極めてコンパクトなボディかつオフロードでのクロスカントリー性能が高いことが特徴であることから、山や林道、岩場や砂漠などでも走行可能です。また他のモデルでは大きすぎて入れない場所でも進むことができます。

ジムニーは小回りが利き、駐車場や狭い道でも運転しやすいというメリットもあります。さらに、キュートなルックスやカスタマイズの幅が広いことでも人気を博しています。

※モデル・グレードは一例です

クロカン2. トヨタ ランドクルーザー プラド

強固なラダーフレームを採用したランドクルーザープラドは、数十万キロの走行でも車両の剛性が失われないことで、世界中で人気のモデルです。センターデフロック機構によりタイヤの空転を最小限に抑え、どんな道でも直進安定性が高いのも特徴です。

また電子制御エアサスペンションや可変スタビライザーを装備することが可能であり、快適性能重視の車両とすることも可能です。衝突回避支援パッケージ トヨタセーフティセンスPによる安全性能の高さにも注目です。

※モデル・グレードは一例です

クロカン3. ジープ ラングラー

クロカンの代表作といえるモデルがジープのラングラー。強固なラダーフレームと上部を支えるパイプフレームによって、万が一キャビンが大きく歪むようなトラブルにあっても、走り続けることができる性能を持ちます。

これはフロントの7スロットグリル＆丸形ヘッドライトと同じく、第2次世界大戦時の軍用車ジープから連なるDNA。ドアやサイドパネル、フェンダーなどの外装の取り外しも簡単に行えるため、カスタマイズの自由度の高さにもつながっています。

※モデル・グレードは一例です

クロカン4. メルセデス・ベンツ Gクラス

70年代の初代モデル時から世界各国の警察や軍隊が使ってきたという歴史を持つ、メルセデス・ベンツのGクラス。実は外車のクロカンで最も売れているモデルです。

馬車の幌車を思わせるルックス、ラフでタフな性能とラグジュアリーな内装を高い次元で両立させており、大柄なボディながら道を選びません。実は舗装道も長めのホイールベースが功を奏して得意です。あらゆる地形に対応して走り抜けられる、究極のアドベンチャーカーとしても注目されています。

※モデル・グレードは一例です

クロカン5. スズキ ジムニー シエラ

軽自動車のジムニーにオーバーフェンダーを装着、パワートレインを1.5L直4ガソリンエンジンとすることで大型化・大出力化を果たしたのがジムニー シエラです。

障害物をものともしないアプローチアングル、ランプブレークオーバーアングル、デパーチャーアングルを実現し、オフロードの走破性能をさらに高めました。

ラダーフレームとキャビンの間に使われるボディマウントゴムが振動を低減してくれるため、歴代のジムニーのなかでも乗り心地はもっとも快適です。

※モデル・グレードは一例です

クロカンおすすめ車種の価格比較表

【Q&A】クロカンについて多い質問

以下では、クロカンについて多い質問・疑問に回答します。

Q. 乗用車以外のクロカン車はあるの？

あります。その答えはトラックです。耐久性が求められる車両にこそ使われているラダーフレームは、多くの荷物を乗せるトラックやバスにも採用されています。

さらにトラックは林業、林道作業などの用途で使われるモデルもあり、高い悪路走破性が求められています。クロスカントリー競技・ダートトライアル競技といったレースに参加するためにトラックを選ぶ選手もいます。

Q. なぜクロカンの自動車の数は少ないの？

ラダーフレームを採用しないSUVが全盛期となっている現在。これは以下のような理由があります。

• 岩場のような場所を走るケースが少なくなった
• 舗装道での乗り心地を重視するドライバーが増えた
• ラゲッジスペースの容量を重視するドライバーが増えた

ルックスはアウトドア志向。しかし乗り心地は一般的な乗用車で、ステーションワゴンクラスの使い勝手の良さがある。日常的に未舗装の山道を走る人が少ない現状、クロカンの代わりにSUVを選ぶ人が増えたことで、モノコックボディのSUVが多く作られるようになりました。

Q. クロカンの自動車のデメリットは？

クロカンというかラダーフレーム採用車は重くて狭い、というデメリットがあります。大黒柱を何本も使っているような構造ゆえ、軽量化が難しいのです。

車重は燃費性能にも関わってきます。ランドクルーザープラドのようにアルミボディを使うことで軽量化するケースもありますが、コストがかかります。フレームとフロアが一体化していないからこそ、キャビン内の空間も狭くなってしまいます。

クロカンの車は口コミ・評判も参考に購入しよう

一見しただけでアクティブな印象を受けるクロカン。日本で購入できるモデルには限りがありますが、それぞれ独自の個性を持っています。

これからクロカンを愛車としたいと考えている方は、自分のライフスタイルとマッチするモデルはどれなのか。オーナーの口コミや、SNS上での評判なども参考にしてベストな1台を選びましょう。

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