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雲が問題ならばその上で発電
太陽光発電に限らず、再生可能エネルギーは天候や気象条件に左右されることが問題にされる。
太陽光発電に限っていえば、いつも天気が良ければ安定した電力が得られる。それには、雲の上にパネルを設置すればよいことになる。
国際気象学会では、国際雲図表の中で雲の種類を高層雲、中層雲、低層雲と分けた上で、都合10種類の雲に分類している。これらの雲のいくつかは薄い雲で太陽の光をよく通すから発電の妨げにはならない。
また積雲は夕立を降らせる雲で、高い高度にまで上り、太陽の光も遮るが、その面積と滞留時間は長くなく、一時的に発電に影響を与えることにはなるが著しく発電量を低下させるものではない。
問題は層雲である。空一杯に広がるのが層雲で、時間的にも長く続く。その高度は2000mまである。さらに、太陽光発電に最も大きく影響を与えるのが、乱層雲で乱という文字が付くと雨を降らせる雲という意味である。太陽光発電で最も大きな影響があるのは乱層雲で、高度は7kmに及ぶ。
ということは高度7km以上であれば、気象の影響をほとんど受けずに太陽光発電が可能になる。すると、ここまで表面がパネルでできた巨大な気球を上げるという考え方がでてくる。

地上7㎞までの乱層雲が最も大きな影響がある。
積乱雲も影響があるが、時間と広さが限定的。
気球はどうか?
フレキシブルで軽量なパネルが製品化されると、その選択はあり得る。その具体的な方法として直径の大きい筒状で表面が太陽光パネルでできた気球を作り、内部にヘリウムを入れることで、上空に浮かすこととする。カーボン繊維とアルミを使った高強度の電線で係留し、かつ、発電した電力を送るものとする。設置する場所は海岸から程近い海上とする。

高度7㎞のところに表面がパネルでできた気球を係留する。
高強度の電線で気球を係留するとともに、この電線を通じて
発電した電力を海面まで伝送する。発電量を増やすために、
地球の自転に合わせて気球を回転させる。
ということが基本的考え方である。このような気球を日本全体の近海に設置して行くことにより、計算上は極めて大きな発電が可能となる。これを係留気球発電と呼ぶことにしよう。
係留気球発電では複数の気球を並べ、これらを電気的及び強固な絶縁物で結線し、大きな平面状とする。その理由は、上空で起こした電力をできるだけ損失を少なく海面まで運ぶために電池同士を直列に繋いで高電圧とすることが第一点である。もう1つの理由は台風や嵐の時に気球や係留用のケーブルが破壊されないことに備えるために、パネルに当たる風圧を多くのパネルで受け止めるということのためである。
さらに受光光量を大きくするためには、地球の自転に合わせてパネル全体を回転させることで発電量を大きくすることができる。
10km四方の太陽光パネル50組で日本の発電量に匹敵
もし、上空での太陽光パネルの実用的効率を20%とすると、1平方メートル当り年間200kWhの発電が可能である。
気球を並べて作る気球の全体を気球団と呼ぶことにする。気球団の上空から見た大きさが10km四方としよう。すると年間で発電できる電力量は200億kwhとなる。ということは同様の気球団を日本の沿岸近くに50個係留すれば、現在の日本の発電量に匹敵する電力が得られることになる。
海に面した県に1個ずつ、関東、名古屋、大阪のように電力需要の多いところでは複数個の気球団を設ければ、1兆kWhの発電が可能である。
そして、こうして起こす発電は天候に左右されにくいので便利な電力源として利用が可能である。
ここでは係留気球発電とこれの集合体である気球団による太陽光発電に関しての概念を述べた。これは上空7kmのところに大面積の気球を上げ、海上に設ける係留基地まで電力を送り、さらに陸地まで送電することで、天候に左右されない大量の電力を得ることが可能であろうという概念を述べた。
これが現在考えられる技術で実現可能であるかの定量的検討は、次回行なうこととする。

中空のアルミの押出成形材を4本組み合わせて、フレーム構造を作り
その脇にインバーターを配置した。これに8個のインホイールモータ
ーを取り付け、8輪車、8輪駆動とした。