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パイオニアのカロッツェリア『楽ナビ』がオンライン対応に
まずはカーナビから話を始めよう。注目はパイオニア・カロッツェリアからこの春デビューする『楽ナビ』だ。楽ナビと言えば、市販カーナビ全体のど真ん中でもあり、顔役でもある。その楽ナビがついにオンライン化を果たす意味合いは大きい。トップエンド機であるサイバーナビの専売特許だったオンライン対応の冠が、楽ナビにもつく。言い換えればこれは、オンライン・カーナビのスタンダード化にもつながる重大ニュースだ。
お馴染みとなった独自のリアルタイム走行&交通情報「スマートループ渋滞情報」を取得できることは元より、地点検索するにしても、オンラインを前提とすればその範囲は膨大に広がる。地図更新ひとつとってみても、メディアを介さずに通信によって更新できれば地図情報管理の煩わしさからも解放される。
その上で、車内をWi-Fiスポットに変えられる「ドコモ・イン・カー・コネクト」も有料オプションとして設定されることになった。主に走行時を前提として、データ通信量の制限なく使えるネット接続サービスは、様々にある通信契約の中でも破格の扱いといえ、エンタメの可能性を大きく広げてくれる。
使い手を選ばない間口の広さはもちろんのこと、家族みんながハンドルを握る機会があるファミリーカーなどにこそうってつけだろう。オンライン化が推進された中、ご子息からも高評価を得られるだろうし、それこそ有料オプションとなるドコモ・イン・カー・コネクトをチョイスすれば、ロングドライブの道中も、より有意義になってくれるはずだ。
ディスプレイオーディオも裾野を拡大!?
続いてはディスプレイオ・オーディオ機。ここでも話題の中心はパイオニア・カロッツェリアの新製品にある。この春、1DINによるフローティングタイプとして、アッパークラスの『SF700』に続き、スタンダードクラスの『SF500』が新たに用意された。
専らApple CarPlayやAndroid Autoなど、スマホとつなげて使うことを前提とするディスプレイオーディオも、通信を前提とした最新のAV機器。この度発売されたSF500は、Amazon AlexaなどSF700に搭載される一部の豪華機能を省いたスタンダードモデルとなる。
それでも新型機種だけに、SF700にはない機能もある。それこそが「ウェブリンク」への対応だ。スマホと機器本体をUSBとBluetoothで同時接続することにより、対応アプリをモニター本体に映し出すことができ、かつディスプレイ上からも操作できる機能だ。
SF700にはスマホを介さずにインターネットブラウザを本体内で作動できる機能があったが、SF500にはそれがない。それでもウェブリンクを使い、YouTubeを始めとする対応アプリをスマホ経由で本体から操作できるようになる。
機能の多寡で見ても、ハードのスペックにおいてSF700とSF500では明確な差があるものの、全体的な印象としてその差はあまり感じない。とかく、専らアップル・カープレイやアンドロイド・オートなどを使う人にとってはなおさらだろう。
割り切りというよりも、使う人のニーズによってはジャストサイズにもなり得る。その意味で見ても、SF500の登場はディスプレイオーディオの裾野を広げる大きな契機にもなるだろう。