メルセデス・ベンツが、電動バン新型「EQT」を発表! 日常使いにも適した電動化へのエントリーモデルとして721万円より受注を開始!

新型メルセデス・ベンツ「EQT」
メルセデス・ベンツの電動シリーズに新型「EQT」バンが欧州市場に追加された。新しいEQTは、家族連れやレジャーを楽しむ人々に、メルセデスブランドの完全電動化の世界への魅力的なエントリーを提供する電動バンモデルだ。従来の姉妹モデルであるTクラスの可変性と高品質の装備レベルにオール電化の利点を組み合わせた電動パワートレインを搭載しており、ボディサイズは4498×1859×1819mm。ロングホイールベースのヴァリアントも今年中に登場する予定だとされている。車両価格は約49,000ユーロ(≒721万円)からで、近日中に受注が開始される。

最新の電気モーターで効率化を最大に

欧州市場に投入された新型EQTのパワートレインには、ピーク出力122ps、最大トルク245Nmの電気モーターが用意されている。リチウムイオン電池は、リアアクスル前のアンダーボディの衝突防止位置に設置され、使用可能容量は45kWh。職場や自宅、公共の充電ステーションで、車載充電器を使って22 kWの交流充電が可能だ。

直流(DC)の急速充電ステーションを使用すれば、SoC(充電状態)と高電圧バッテリーの温度に応じて、さらに高速に処理される。EQTは80kWのDC充電器を搭載しており、その場合、充電時間は10~80%間で38分ほど。EQTの充電はメルセデスのスターマークの下にあるフロントで行われ、特に市街地で狭い駐車場で充電する場合には実用的だ。AC/DC充電のために、EQTはCCS充電ソケットとCCS充電ケーブルを標準装備している。

バッテリー運用に貢献する高効率クライメートシステム

EVモデルでネックとなるのがバッテリー電力を過剰に消費するエアコンシステムだ。ガソリンモデルでは、エンジンの発熱を暖房にそのまま利用することができたが、EVでは発熱のための余分な電力のために、航続距離やバッテリー寿命を犠牲にしてしまっていた。しかし、新型EQTではEVモデルの弱点に改良を加え、季節を問わない経済的な運用を実現している。

新型EQTでは、空気中の熱移動を担うヒートポンプを採用することで、特にエネルギー効率を高め、車内温度をマネジメントすることによって過剰な電力消費を抑えている。それにより、車両のバッテリー電力は車内空調には使用されず、搭載されたヒートポンプのコンプレッサーにのみ供給されることで、航続距離の確保に貢献している。

また、充電ステーションで充電する際も、インテリジェント・サーマルマネジメント(温度管理システム)により、搭載バッテリーを介することなく、充電ステーションから供給された電力を直接利用して車両に乗る前のエアコンを稼働させることができる。このプリエントリー・クライメート・コントロール・オプションは、車両バッテリーの過負荷を軽減してバッテリー寿命を延ばすだけでなく、季節に応じた快適な車内温度を確保することができる。つまり、走行中に車内温度を上げるために電力を使用する必要がなく、最小限の電力で車内温度を維持するだけでよいということだ。そのため、バッテリーのエネルギーは主に駆動系にだけ利用され、経済的なクルマ移動を実現している。

メルセデス・ベンツの誇る安全システム

安全性はいまや、メルセデス・ベンツの本質的なブランドバリューとなっている。新型EQTでもそれは健在で、エネルギーを吸収するロードパスを備えた安定したボディ構造と、豊富なドライバー支援システムによって最大限の安全性が確保されている。重大な側面衝突に備えて、運転席と助手席の間に展開するセンターエアバッグも装備されている。車内には、これを含む合計7つのエアバッグが標準装備されている。

運転支援システムを調整する際、開発チームは特に、ドライバーに気づかれにくい、最も調和のとれた制御介入を行うことに重点を置いており、システムが介入するストレスを最大限削減している。ドライバーアシスタンスシステムは、レーダーセンサーとカメラで交通と環境を監視していおり、必要に応じて警告やサポートを発してくれる。

EQTは、法的に義務付けられているABSとESPに加え、メルセデス・ベンツのエマージェンシーコールシステムを標準装備している。例えば、通信はそれぞれの国の言語ではなく、ドライバーがインフォテインメントシステムで設定した言語で行われる。これは、例えば、海外で緊急事態が発生した場合などに役立ち、車両オーナーが使用する言語でのコミュニケーションに貢献している。緊急時にはメルセデス・ベンツの緊急コールセンターが、最寄りの救助コーディネートセンターに連絡する。その他のブランドらしい機能 車載通信モジュールによるデータ送信に加え、事故に関する最も重要なデータをSMSでメルセデス・ベンツの緊急コールセンターに送信することで、送信の信頼性をさらに高めている。

ドライバーサポートシステムも充実

  • ヒルスタートアシスト:坂道発進時にブレーキペダルからアクセルに足を移すとブレーキ圧が維持され、後退を防止。
  • クロスウインドアシスト:風を受ける側の前輪と後輪のブレーキ操作をアシストし、突風の影響を軽減。
  • アテンションアシスト:ドライバーの注意力低下や眠気を検知し、音と映像で休憩を促す。
  • アクティブブレーキアシスト:追突事故や交差する車両との事故、歩行者や自転車との事故回避に貢献。
  • アクティブレーンキーピングアシスト:70km/hから作動し、ブレーキ介入の代わりにステアリング操作をサポート。
  • ブラインドスポットアシスト:レーダーを使用して、アウトサイドミラーでカバーされていない車両の側方を観察し、音声による警告とアウトサイドミラー内の照明用三角形の形で視覚的な警告を発する。
  • スピードリミットアシスト:カメラを使って制限速度を認識し、インストルメントクラスターに表示する。車両が制限速度を超えた場合、視覚的および聴覚的な警告を発する。

さらに、新型EQTには、アクティブセーフティをさらに強化するために、2つの安全システムを追加したアシスタンス・パッケージが用意されている。

アクティブディスタンスアシストDISTRONIC:設定した速度と前走車との距離を自動的に維持する。ボタンを押すと現在の速度を採用することができ、カメラとレーダーセンサーからの情報を利用している。車間距離は4段階に設定が可能で、前方車両が停止した場合は自動的にブレーキをかけて停止させることができる。また、3秒以内に渋滞が解消されれば、EQTは自動的に発進し、それ以外の場合はボタン操作やアクセルの踏み込みで発進する。

アクティブ・ステアリング・アシスト6:ドライバーがEQTを車線の中央で維持することを支援するもので、直線道路やわずかに曲がりくねった道路での単調な運転に貢献する。このシステムは、検出されたレーンマークを使用する。

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