メルセデス・ベンツが電動コンパクトバン「eシタン」を発表! 45kWhバッテリーが航続距離280kmを確保し、都市部でのデリバリーサービスを支えるアシに

メルセデス・ベンツは、ミディアムバン、ラージバンに続き、コンパクトバンクラスにも完全電動モデルとなる新型「eシタン」を欧州で発表した。商用バンのセグメントでは、eシタンはパネルバンとして発売され、4498mmのコンパクトバージョンと4922mmのロングバージョンの2つのモデルが発売される。(ロングモデルは少し遅れて発売される模様)45kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は280~284kmを確保。これは、都市部での宅配便やシャトルカー、デリバリーカーとしてスモールバンモデルを頻繁に利用する商業顧客のニーズを満たすものとなっている。価格はコンパクトモデルで約36,000ユーロ(≒530万円)から。

荷物積み込みに特化した荷室スペース

欧州市場に投入された新型「eシタン」は、開口部の広いスライドドアと57cmの低い荷台高により、車内への容易なアクセスや荷物の積み込みを実現している。スライドドアは狭い駐車場では特に実用的なため、要望に応じて2枚目のスライドドアも用意されている。リアドアの2つの部分は90度の位置でロックでき、最大180度まで横に開くことができる。

テールゲートはオプションで用意されている。運転席と荷室間の仕切りは、固定式(窓あり・なし)のほか、回転式の仕切りが用意されている。助手席側のグリルを90度回転させ、運転席側へ旋回させてロックすることができる。助手席のシートは折りたたみ式になっているため、特に長尺物の運搬に適したフラットな面を生み出すことができる。

商業貨物輸送に最適化されたパネルバンとは対照的に、「eシタン・ツアラー」は地域的にエミッションフリーの旅客輸送に特化したモデルだ。ツアラーには、リアウィンドウ付きテールゲートと2つ目のスライドサイドドアが標準装備されている。

また、リアドアを装備することも可能で、リヤのベンチシートは 1/3から2/3の分割可倒式。室内には数多くの収納オプションが用意され、日常生活でも使いやすいようになっている。オプションとして、eシタン・ツアラーのリアシートの背もたれからテーブルを折り畳むことができ、2列目の乗客のための書き物台やスナックとして活用することができる。このテーブルにはカップホルダーも内蔵され、さらに、フロントシートのバックレストの低い位置には、フリル付きのポケットが設置されるなど、ツアラーならではのオプションも用意されている。

高効率同期モーターを搭載

eシタンには、ピーク出力122ps、最大トルク245Nmの外部励磁型の同期モーターを搭載。発進時からスタンディングスタートでの力強い加速を発揮する。リチウムイオンバッテリーはリアアクスル前方のアンダーボディに配置され、衝突の際に乗員を保護する役目を果たす。パウチセルからなる 8つのバッテリーモジュールにより、使用可能容量は45kWhが確保されている。ドライブモードは、「コンフォート」、「ECO」の2種類が搭載され、3つの回復レベル(D- / D / D+)も用意されている。

eシタンは、職場や自宅、公共の充電ステーションで、車載充電器を介して11kWまたはオプションで22kWの交流充電が可能だ。直流(DC)の急速充電ステーションでは、充電状態(SoC)と高電圧バッテリーの温度に応じて、最大80kWの電力で充電することができる。つまり、38分で10%から80%まで充電することができ、充電時間の短縮に貢献している。

街中でも安全な運転支援システム

メルセデス・ベンツの誇る安全性能は、eシタンでも健在だ。搭載される包括的な運転支援・安全システムは、さまざまな場面でドライバーをサポートし、レーダーセンサーやカメラを使って交通状況や周囲の状況を把握、必要に応じて警告を発し、介入することでドライバーをサポートする。新型eシタンでは以下のようなシステムが標準で搭載される。

  • ヒルスタートアシスト:坂道発進時にブレーキペダルからアクセルに足を移すとブレーキ圧が維持され、後退を防止。
  • クロスウインドアシスト:風を受ける側の前輪と後輪のブレーキ操作をアシストし、突風の影響を軽減。
  • アテンションアシスト:ドライバーの注意力低下や眠気を検知し、音と映像で休憩を促す。
  • アクティブブレーキアシスト:追突事故や交差する車両との事故、歩行者や自転車との事故回避に貢献。
  • アクティブレーンキーピングアシスト:70km/hから作動し、ブレーキ介入の代わりにステアリング操作をサポート。
  • ブラインドスポットアシスト:レーダーを使用して、アウトサイドミラーでカバーされていない車両の側方を観察し、音声による警告とアウトサイドミラー内の照明用三角形の形で視覚的な警告を発する。
  • スピードリミットアシスト:カメラを使って制限速度を認識し、インストルメントクラスターに表示する。車両が制限速度を超えた場合、視覚的および聴覚的な警告を発する。

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