レクサス最小SUV「LBX」のライバルは?欧州プレミアムブランドの最小SUVモデルと比較してみた。メルセデス・ベンツGLA、BMW・X1、アウディQ2

レクサスから発表された、同ブランド最小SUVとなる「LBX」が注目を集めている。それではライバルとなるドイツのプレミアムブランドの最小SUVモデルはどのようなものがラインナップしているのか比較してみよう。

LBXは日本の道路事情にマッチしたBセグメント高級SUV

レクサスが6月5日に世界初公開した、新型「LBX」は同ブランドでもっとも小さなSUVとなるモデルだ。いわゆるBセグメントに属するコンパクトなボディは、日本国内の道路事情にマッチした取り回しの良さがポイント。それでいて、小さなボディにレクサスブランドのもつ上質感をギュッと凝縮しているあたりは、「これまでの高級車の概念を変える、コンパクトサイズながらも走りやデザインも上質であるサイズのヒエラルキーを超えたクルマをつくりたい」とのブランドホルダー豊田章男氏の想いをもとに「本物を知る人が、素の自分に戻り気負いなく乗れるクルマ」を目指して開発されたからだ。日本国内での発売は2023年の秋以降を予定している。

それでは、レクサスLBXとライバルになりそうな、「欧州プレミアムブランドの最小SUVモデル」はどのようなモデルがラインアップしているのか比較してみよう。

レクサス「LBX」

新型LBX(プロトタイプ)

レクサス・LBXのボディサイズは全長4190mm×全幅1825mm×全高1560mmで、ホイールベースは2580mm(数値はいずれもプロトタイプ)。レクサス専用開発のTNGAプラットフォーム(GA-B)は、軽量かつ高剛性、低重心なボディをベースに慣性諸元のさらなる最適化を追求。ドライバーの着座位置を下げることで、重心高と全高を下げつつも十分な室内空間を確保。さらにトレッドを拡大することで、ロー&ワイドなスタンスを実現した。

新型LBX(プロトタイプ)

また、クラスを超えた大径タイヤ(※)を採用しながらも、取り回しの良さにこだわり、最小回転半径は5.2mを実現している。パワートレーンは高効率な1.5ℓ直列3気筒エンジン(M15A-FXE)と、モーター出力を向上した軽量でコンパクトなトランスアクスル、高い電池出力のバイポーラ型ニッケル水素電池を搭載したHEVモデルを設定する。
※プロトタイプのタイヤサイズは225/60R17、225/55R18を設定

新型LBX(プロトタイプ)

メルセデス・ベンツ「GLA」

メルセデス・ベンツのSUVライン最小モデルがGLA。全長は4415mm×全幅1850mm×全高1620mmで、ホイールベースは2730mm。LBXより全長が225mmも長く、Cセグメントに属している。それだけ室内は広く体格のいい大人が乗っても窮屈感は皆無。後席は140mmのスライド機構が付いており居住性も多用途性も文句ない。ラインアップは標準車系とAMG系の2系統あり、ローエンドの「GLA180」がFF。ほかは〝4MATIC〞の名のとおり、電子制御多板クラッチ式の4WDとなる。

「GLA180」のエンジンは、1.4Lのガソリンターボ。最高出力136psを5500rpmで発生、最大トルクは200Nmと2.0L自然吸気並みで、豊かな低速トルクを持ちながら、ガソリンエンジンらしい軽快な吹け上がりでバランスは良好。また、ラインアップで唯一、ディーゼルエンジンを搭載するのが「GLA200d」。排気量は2.0Lながらターボで過給することで、320Nmの最大トルクを1400rpmから発生。ターボラグもほとんど感じられ ず、急勾配の登り坂でも低回転のまま力強く登っていく。

BMX「X1」

BMWのSUV最小モデルはX1となる。2023年2月7日にフルモデルチェンジを受けて三代目モデルが登場した。新型X1のボディサイズは全長4500mm×全幅1835mm×全高1645mmで、ホイールベースは2690mm。LBXより全長が310mmも長く、Cセグメントに属している。フロントマスクは正方形に近い大型のキドニーグリルや、環状のシグネチャーを2回繰り返すツイン・サーキュラーを進化させたアダプティブLEDヘッドライトを採用している。

後席は大人3名が座れる空間を確保するとともに、ラゲッジスペース容量は大人3名乗車時で540L、後席シートバックをすべて前方に倒した最大時で1600Lに拡大できる。ガソリンエンジン搭載モデル「X1 xDrive20i」は、204ps/300Nmを発揮する2.0L直列4気筒ターボエンジンと、ダイナミックな走りを実現する7速DCTを搭載。WLTCモードで12.9km/Lと好燃費だ。

アウディ「Q2」

アウディのSUV最小モデルはQとなる。ボディサイズは全長4200mm×全幅1795mm×全高1530mmで、ホイールベースは2595mm。LBXと同じBセグメントに属する。今回比較した3台のなかではLBXのサイズにいちばん近いモデルとなる。大柄なモデルも目立つ輸入SUVとしては、約4.2mの全長と1.8mを切った全幅は、5.1mという最小回転半径とともに日本での使い勝手の良さを裏付けるサイズ感だ。全高も1530mmと、パレット式立体駐車場への進入が可能であることを示している。

エンジンは、150ps/250Nmを発生する1.5L直4ターボに、7速DCTの組み合わせる。1340kgというSUVとしては軽めの車重と相まってパワー不足を感じることはない。また、エンジンが低負荷の際には2気筒となる気筒休止システムのシリンダーオンデマンド(cod)の採用により低燃費を実現。駆動方式はFFのみで、4WD(クワトロ)の設定はない。

各モデルのサイズを比較

各モデルのサイズを比較すると、以下のようになる。
LBXの発売時期は2023年秋以降となっており価格は未定だが、300万円台中盤になるのではないかと予想されている。

ライバルと比較してもよりコンパクト、それでいて存在感は充分なレクサスLBX。「小さな高級車」というカテゴリーで大成功する素質は充分だ。

モデル名全長×全幅×全高ホイールベース最小回転半径セグメント価格
レクサス「LBX」4190mm×1825mm×1560mm2580mm5.2mB
メルセデス・ベンツ「GLA」4415mm×1850mm×1620mm2730mm5.3mC573万円〜
BMX「X1」4500mm×1835mm×1645mm2690mm5.4mC586万円〜
アウディ「Q2」4200mm×1795mm×1530mm2595mm5.1mB417万円〜

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