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1GD-FTV型2.8L直4ディーゼルターボ | 世界の過酷な道で走れるタフなディーゼル
SUV/ピックアップトラックへの搭載を主としたGD型は、われわれにとっても馴染みのある、いわゆる働くクルマのディーゼルエンジン高機能版である。排気量は、新型ランドクルーザー250が積む2.8L(2754cc)のほかに、2.4L(2393cc)がある。
世界各地で販売されるため、過酷な使用状況や粗悪な燃料も視野に入れたタフな造りとなっている。しかし、もちろん最新技術は惜しみなく投入されている。
長年にわたって世界中で称賛を浴びてきた先代KD型のあとを襲うだけに、長寿命高耐久といった堅牢性はもちろんのこと、環境対応やパフォーマンスの発揮にいたるまで、全方位での高い性能を求められた。
燃焼室やブロックの水路設計による冷却損失の回復、ポート配置による燃焼の改善と過給効率の向上、各種コンポーネントの最適化設計による機械損失の低減などを含め、最大熱効率は44%、200g/kWhの最小燃料消費率を実現している。グローバル対応だけに、後処理装置には尿素SCRを採用した。
最高出力204ps(150kW)、最大トルク500Nmは、前型プラド搭載の1GD型と同じだが、ディーゼルに必須のターボチャージャーは、可変容量ターボでこれを小型高効率のタイプにした。
また組み合わせるトランスミッションは、従来型の6速ATから8速ATになったから、燃費性能は大きく向上していると予想できる(日本仕様は8速ATだが、世界の一部地域は6速ATを継続して使う)。
ちなみに、従来型のランドクルーザープラドの1GD型+6ATモデルの燃費はWLTCモードで11.2km/Lだ。
オーストラリア・欧州向けにはこの1DG-FTV型に48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせる仕様も設定する。停止/発進の多い市街地や渋滞時の実用燃費は向上するし、エンジンの再始動(おそらくアイドルストップ機構がつくはず)も上質になるだろう。しかし、タフギアであるランドクルーザーだから、機構はシンプルに越したことはない。国内仕様が48Vマイルドハイブリッドシステムがつかないのは、むしろいいかもしれない。
1GD-FTV型 エンジン形式:2.8L直列4気筒DOHCディーゼル ターボ排気量:2754cc ボア×ストローク:92.0mm×103.6mm 圧縮比:15.6 燃料供給システム:コモンレール(2200bar ソレノイド) 過給システム:VGターボ×1 可変動弁:EX:VVT EGR:HP/LP 最高出力:204ps(150kW)/3000-3400rpm 最大トルク:500Nm/1600-2800rpm 排気後処理装置:DOC+DPF+SCR トランスミッション:8AT (スペックは一部従来型ランドクルーザープラドのもの)
2TR-FE型 2.7L直4ガソリン | 働くクルマのための実用エンジン
ハイエースをはじめ従来型ランドクルーザープラド、小型トラックなどに搭載するために、徹底した中低速型トルク重視の性能を磨いてきたのがTRシリーズだ。2.0Lの1TR型と新型ランドクルーザー250が搭載する2.7L(2693cc)の2TR型がある。どちらもスクエアの設計なのが特徴だ。
2.7Lの2TR型のボア×ストロークは95.5mm×95.5mm。新型の圧縮比等の詳細は未発表だが、最高出力163ps(120kW)、最大トルク246Nmは、従来型と同じ。おそらく圧縮比も10.2で変わらないだろう。
中低速トルク追求のためにVVT-i(可変バルブタイミング機構)をうまく使っているのも2TR型の特徴だ。燃料供給は直噴ではなくコンベンショナルなPFI(ポート噴射)。
組み合わせるトランスミッションは、従来と同じく6速AT。ちなみに、従来型ランドクルーザープラドの2TR-FE型+6速ATモデルのWLTCモード燃費は8.3km/Lだ。
2TR-FE型 エンジン形式:2.7L直列4気筒DOHC 排気量:2693cc ボア×ストローク:95.0mm×95.0mm 圧縮比:10.2 吸気方式:自然吸気 燃料供給システム:PFI 可変動弁:吸気側VVT 最高出力:163ps(120kW)/5200rpm 最大トルク:246Nm/3900rpm トランスミッション:6AT (スペックは一部従来型ランドクルーザープラドのもの)