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さらば、CX-8! ミニバンユーザーも取り込んだ大型SUV
2023年12月をもって生産終了を発表されたマツダCX-8は、北米市場で人気のCX-9とKF系2代目CX-5のプラットフォームを組み合わせて開発された3列シートを持つ大型クロスオーバーSUVで、マツダの日本国内向けクロスオーバーSUVの最上位モデル。それと同時に、クロスオーバーSUVでありながら、しっかりした3列目シートで6~7人がゆとりを持って乗車できるミニバンのような居住性を追求することで、ミニバンに替わる新たな市場を開拓する狙いも持つ意欲作だ。
エンジンは発売当初は2.2ℓ直列4気筒ディーゼルターボのみだったが、2.5ℓ直列4気筒と2.5ℓ直列4気筒ターボの2種類のガソリンエンジンが追加されている。また、マツダの先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を標準装備するなど、安全装備も充実していることで知られる。2020年12月の改良ではディーゼルエンジンは最高出力を7kW(10ps)向上している。
2022年11月の大幅商品改良では、フロント&リヤバンパー・フロントグリル・前後ランプなどをマツダ最新のデザインへ変更、マツダ独自の塗装技術『匠塗TAKUMINURI』による外板色“ロジウムホワイトプレミアムメタリック”を追加している。
ダイナミクスにおいては、MAZDA3より採用されている車両構造技術“SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー)”の考え方を取り入れ、長時間運転しても疲労感の少ない運動性能を目指し、すべての乗車位置で揺れを軽減し、快適性を向上させている。また、走行シーンに応じ、スイッチの操作ひとつで任意に走行モードが切り替えられる『MAZDA INTELLIGENT DRIVE SELECT(マツダ インテリジェント ドライブ セレクト/Mi-DRIVE)』を新採用。オンロードからオフロードまでマツダらしい人馬一体感をさらに高めた。
加えて乗員全員が一段と安心・安全で快適に移動が楽しめるよう、3列目乗車時の後方からの追突に対する衝突安全性能の確保に加え、アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)の進化やクルージング&トラフィック・サポート(CTS)の採用などがはかられている。
どうなるCX-80? CX-90のナローボディ版か? CX-60のストレッチ版か? それとも…
2017年のデビューからほぼ6年半でモデル終焉となるCX-8だが、マツダからはいまだ正式にアナウンスは無いものの、その後継はCX-80と呼ばれる新型車になるという。
その登場自体は2021年10月に発表された同社の『2022年以降のクロスオーバーSUV商品群の拡充計画』において、「道路や駐車場が比較的狭い欧州や日本には、2列シートのCX-60、3列シートのCX-80を、一方、より大きなサイズや存在感が求められる北米などの市場には、ワイドボディ2列シートのCX-70、3列シートのCX-90を展開し、ミッドサイズクロスオーバーSUVのラインアップを拡充させます」と明らかにされており、「各国での電動化ロードマップに対応し、さまざまな電動化パワートレインの選択肢を提供していきます」としたうえで、「クリーンディーゼルエンジンの人気が根強い日本では、直列6気筒の“SKYACTIV-D”と48Vマイルドハイブリッドの組み合わせやプラグインハイブリッドなどを導入していく予定です」とされている。
2023年8月15日現在、いまだマツダからCX-80についての詳細は発表されておらず、ストレッチされたCX-60という噂もあれば、ナローボディ化されたCX-90という噂もあり、判然としていない。いずれにせよCX-80という後継車が誕生することは間違いなく、CX-8クラスの車両を欲していた方はひと安心といったところだろう。今後も同社の発表を注視して行きたい。