乗り込む前にエアコン作動!スマホでの遠隔エンジン始動が猛暑で便利…の巻【工藤貴宏のCX-60オーナーレポート:Vol.8】

自動車ライターの工藤貴宏氏が愛車をCX-5からCX-60へ買い替えるということでスタートした連載企画の第8回目。今回はクルマをスマートフォンで遠隔操作するコネクティッド化のお話。スマホの遠隔操作で事前にエアコンを作動させておけば、乗り込む時にはクルマが冷えていて快適!という一度使うと手放せなくなってしまう機能についてお届けします。

TEXT&PHOTO:工藤貴宏(KUDO Takahiro)

クルマをスマホで操作する。コネクティッド化は本当に便利。

「MyMazda」アプリを使用してクルマを遠隔で操作できる。

昨今の、ある程度以上の車格のクルマ(だけに限らず軽自動車の一部なんかも)は車両に専用端末を内蔵しインターネットに接続するコネクテッドカーとなっているのが一般的だ。緊急時にオペレーターに接続できるSOS機能がついている車両はまず該当するといっていいだろう。
もちろん我が愛車「CX-60」にも組み込まれていて、通信回線を経由しスマホアプリとの連携でいろんなことができるようになっている。

では、どんなことができるか。
まずは事故や急病などの緊急時にボタン一つでオペレーターにつながり緊急車両の手配まで依頼できるSOS機能。これはメーカーを問わずコネクテッドカーの代表的機能だ。そして事故や車両故障の際にロードサービスやディーラーにつないでくれるのも一般的といっていい。

あとはスマホアプリ上で、クルマの位置や燃料残量と航続可能距離やドアロックの状態を確認(&施錠)ができる。スマホの地図で設定した目的地をカーナビへ送って、クルマに乗り込んだらナビの目的地が入力された状態になっている、なんてことも多くのコネクテッドカーで可能だ。盗難防止アラームの作動やドアロックのし忘れをスマホに教えてくれる安心機能だってある。
利用金額は、マツダの場合は新車登録から10年間は基本機能が無料。一部機能は3年間無料でそこから有料だったり、オプション扱いで使うには利用料が必要なものもある。

スマホで簡単操作。利用料金が安いのもうれしいポイント!

そんなコネクテッドサービスにおいて、ボクがこの夏もっとも使った機能はリモートエンジンスターターだ。スマホを操作し、離れた場所からエンジンをかけられる便利機能である。
機能はいわゆるリモコンエンジンスターターと同じだけれど、コネクテッドカーならではといえるのはまずスマホで操作すること。そして通信回線経由だから操作する場所がクルマの近くでなくてもOKで、極端な話スマホがネットにつながっていれば地球の裏側からでもエンジンをかけられるのもコネクテッドならではだ(誰もしないとは思うけれど)。

携帯電話の通信回線を使用するため、電波があればどこからでもクルマを操作することが可能。例えば写真のようにカフェの中から事前にクルマのエンジンを始動させることも簡単にできる。

もうひとつのポイントは、負担額が控えめなこと。CX-60の場合、オプション機能として月額(月初めから月末までではなく、契約してから翌月の同じ日まで)220円、もしくは年契約2420円で利用できる。
任意の期間で利用可能なため、真夏の2か月間だけなら年間440円で、5年使っても2200円。寒冷地で冬に使う人は、11月中旬から3月中旬の4か月(120日間)使って880円でそれが5年間で4400円。夏と冬をあわせても5年間で6600円だ。これはどう考えても後付けのリモコンスターターよりも安く済む(最近のクルマはシステムのセキュリティが厳しいので社外のリモコンエンジンスターターをつけられるかはまた別の話として)。

さらに、操作がスマートなのもいいと思う。使い方は、スマホのアプリ「MyMazda」を立ち上げてボタンを長押しすればエンジンが始動。「リクエスト送信完了」のメッセージのあと、エンジンがかかったらスマホ画面の表示が「STOP」となるからわかる。

「MyMazda」アプリはシンプルで使いやすい画面デザイン。ボタンを長押しすればエンジンが始動する。

注意点は、9日以上車両のエンジンを始動/電源ポジションをオンにしていない場合は機能しないこと。また、エンジンスタートから何もせず15分経過すると自動的にエンジンが止まる。その際はもう一度操作すればエンジンがかかるが、走行するまでに可能なリモコンでのエンジン始動は2回までとなっている。
また、安全のため、車に乗り込もうとドアを開けるとエンジンがいったん切れる仕掛けになっている。これは乗り込んで再始動すればいいから、ひと手間あるが気にするほどではない。

エンジン始動のリクエストが完了すると、このような通知が届く。

エアコン事前始動は、一度使うと手放せなくなってしまう!

何を隠そうボク自身、こういったリモコンスターター的機能を使うのは初めて。使って感じたのはとっても便利だということ。
真夏は、乗車5分前にエンジンをかけておくだけでエアコンで室内が冷やされて快適度合いが全然違う。はっきり言うと、一度使うと手放せなくなってしまう。
なかには「こういう機能は無駄なアイドリングを増やす」と非難する人もいるかもしれないけれど、どうせ真夏はすぐには車に乗り込めず、エンジンをかけて車内を冷やしはじめてからスタートするまでに5分くらいかかる。そう考えれば、大きな違いはないとボクは考える。

乗り込む前にエアコンで車内が冷えているのは本当に便利だが、冬場の雪や氷を溶かしてくれる機能もありがたい。

いっぽう冬に使う場合は、外気温が5℃以下であればリアウインドーデフォッガーに加えて装着車はウインドーワイパーデアイサー、ミラーデフォッガーが自動的にオンになって、雪や氷を溶かしてくれるのも便利だ。
ということで、スマホとクルマがつながってどんどんカーライフが便利になっていることを、CX-60の購入で実感したのである。

ところで、リモートスタート機能とは離れるが、スマホとの連携機能を使ってみて思うこと。
それはドアロックだけでなく、窓やサンルーフが開いていると教えてくれる機能があればより便利で安心ではないかということ。そのうえで、ドアロック同様に遠隔操作で絞められれば最高なのだが、それは安全(誰かが挟まれてはいけない)を考えると厳しい……のかな。
ではまた次回!

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著者プロフィール

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工藤 貴宏

自動車ライターとして生計を立てて暮らしている、単なるクルマ好き。

大学在学中の自動車雑誌編集部ア…