上級仕様の先進安全装備が魅力の低燃費車「トヨタ ヤリス」【最新コンパクトカー 車種別解説 TOYOTA YARIS】

国内販売台数トップを誇り、日本のコンパクトカー代表といえる「トヨタ・ヤリス」。この意味は、誰もが操作しやすく、乗りやすく、使い勝手が良いということに他ならない。街中をキビキビと走る感覚は心地よく、先進安全装備も不足ない。14色のボディカラーにハイブリッドも含め3種のパワーユニット、FF/4WDの駆動系、MT車のラインナップも含め、最も売れているクルマは、最も組み合わせの幅が広いクルマといえるだろう。価格も含めて、ユーザーが思い描く通りの選択肢が用意されている。
REPORT:渡辺陽一郎(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:菅原樹里亜

運転視認性や装備操作性は◎ 操舵は俊敏で抜群

全長が4m以下の5ナンバー車で、最小回転半径は、14インチタイヤ装着車なら4.8mに収まる。サイドウインドウの下端を後ろに向けてもち上げたから、後方視界は良くないが、小さくて小回りも利くから運転しやすい。

エクステリア

後ろ姿は、「B- Dash! 」というデザインコンセプトを掲げるように、停まっていても今にも走り出しそうだ。リヤフェンダー周辺の力強さやボディの中心からタイヤに向かう造形により、鋭く加速する雰囲気を演出している。最小回転半径は5.1m。

内装の質感はコンパクトカーの平均水準だが、視認性や操作性は良い。身長170㎝の大人4名が乗車すると、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシひとつ少々だ。少し狭いが4名乗車にも対応できる。

インストルメントパネル

ステアリングの小径化やインパネ断面を小さくすることで、ワイド感を醸し出している。質感向上に寄与しているのが、随所に配置されているソフトパッド。ディスプレイオーディオは標準で、T-Connect対応ナビは販売店オプション。

パワーユニットは、直列3気筒の1.0ℓと1.5ℓ、1.5ℓハイブリッドを用意した。1.5ℓなら動力性能に余裕があり、ハイブリッドはWLTCWモード燃費が35.4〜36.0㎞/ℓに達する。「ハイブリッドZ」を街なかで普通に運転して、実用燃費が32㎞/ℓに達したから燃費効率は優秀。車両重量はFFなら1100㎏以下に収まり、ステアリング操作に対する反応は機敏だ。

居住性

危険回避時の後輪の接地性は高くないが、街なかをキビキビと走るのに適する。注意点は乗り心地で、路上のデコボコを伝えやすい。特に14インチタイヤは指定空気圧も前輪が250kPa、後輪も240kPaと高く、舗装の荒れた街なかを低速で走ると不満を感じる。オプションを含めて15/16インチも試して購入したい。

うれしい装備

T-Connect対応ナビは、話し掛けるだけで目的地設定などが可能なエージェントをはじめ、グルメや天気予報などのアプリにも対応する。
ハイブリッド車は、バッテリー残量などに応じてEVモードに切り替えが可能。早朝深夜の住宅街などを静かに走行したい際などに重宝する。
月間販売台数   7430台(22年11月〜23年4月平均値)
現行型発表     20年2月(一部改良22年7月)
WLTCモード燃費  36.0km/l ※[X(ハイブリッド)]のFF車 

ラゲッジルーム

ヤリスを買うメリットは、運転しやすく燃費も良く、さらに安全装備が先進的なことだ。衝突被害軽減ブレーキは、自車が右左折するときでも、直進車両や横断歩道上の歩行者を検知して作動する。求めやすい価格で高い安心感を得られる。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.150「2023-2024 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

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