販売台数No.1のベストセラー5ナンバーSUV「トヨタ・ライズ」【最新コンパクトカー 車種別解説】

小さいボディにSUVらしさを濃厚に漂わせる「トヨタ・ライズ」。 ハイブリッド車のグレード追加で、さらにその魅力は大きくなった。小回りが効き、かつ広い荷室で街乗りに本領を発揮するだけでなく、ハイブリッド車には非常時給電システムも用意されており、非日常時にも頼れる存在と言える。
REPORT:渡辺陽一郎(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:中野幸次 MODEL:大須賀あみ

存在感抜群のワイルドマスク ハイブリッド追加で販売好調

SUVでは珍しく、ボディは5ナンバーサイズ。全長は4m以下、最小回転半径も4.9〜5mだから、混雑した街なかや駐車場でも運転しやすい。SUVとあって着座位置が適度に設定され、乗降時には腰の移動量が少ないから、高齢者にも優しい。

エクステリア

扱いやすい大きさの中にSUVらしいルックスを表現。最上級グレードである「Z」系には切削光輝+ブラック塗装の17インチアルミホイールが標準装備されるほか、シーケンシャル発光のLEDターンラ ンプも備わる。最小回転半径は4.9m〜5m。

ライズの企画・開発・製造はダイハツが行ない、トヨタに供給されている。姉妹車にはダイハツブランドのロッキーもある。ライズのフロントマスクは、同じトヨタのヤリスクロスなどに比べて野性的な印象が強い。

インストルメントパネル

オートエアコンが標準装備の「Z」系と「G」系は、送風口にレッド&シルバー塗装の加飾を採用。9インチのディスプレイオーディオはオプション設定となり、Apple CarPlayなどのスマートフォン連携機能に対応している。

RAV4にも似ており、小さくてもSUVらしさが濃厚で人気。2022年1〜4月の1ヵ月平均登録販売台数は9088台で、ヤリスクロスやカローラクロスを上回り、SUVの販売1位を獲得。ハイブリッド車を加えた効果も大きく、ライズの販売総数の 50%以上を占める。

居住性

ボディが小さい割に車内は広く、後席にも大人が余裕で着座できる。ハイブリッド車では、1.2l直3エンジンが発電機を作動させ、駆動はモーターが行なう。モーターだけで走る時間は短いが、加速は滑らかだ。アクセル操作に対する反応も機敏で、加減速の多い街なかでも走りやすい。1.2lの自然吸気も、素直な性格で扱いやすい。

うれしい装備

駐車支援システムのスマートパノラマパーキングアシストをオプション設定。駐車可能なスペースを選ぶと自動制御で駐車の操作をサポート。
月間登録台数     8275台(21年1月〜22年4月平均値)
現行型発表      19年11月(新エンジン追加 21年11月)
WLTCモード燃費    28.0km/l ※ハイブリッド車  

ラゲッジルーム

操舵感は手応えが少し乏しく、パワーステアリングが直進状態へ戻ろうとする特性も弱めだが、走行安定性は満足できる。乗り心地は少し硬いが、ハイブリッド車は比較的柔軟に感じられる。SUVらしい少し野性的な外観と、市街地に適した運転感覚の両立が魅力だ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.142「2022-2023 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

http://motorfan-newmodel.com/integration/142/

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