F1直下カテゴリーFIA F2が2024年型マシンを公開! “F1ルック”化で接近戦演出、100%持続可能燃料導入へ開発も継続

F1直下のカテゴリーとして若手育成の場となっているF2。2022年にF1の技術規則が大幅に改定され、マシンのコンセプトのほか見た目も新しくなったことを踏まえ、F2もまた2024年にシャシーを刷新。より現代的な外観となった。

FIAフォーミュラ2選手権(F2)は8月31日、2024年に同シリーズで導入される新世代マシンを発表した。

F2はサーキットレース最高峰のFIAフォーミュラ1選手権(F1)の直下カテゴリーとして、F1を目指す前途有望な若手ドライバーを受け入れる選手権。今シーズンもアルファタウリからF1に参戦している角田裕毅を筆頭に、近年複数の日本人ドライバーがこのシリーズで腕を磨いてきた。ホンダとレッドブルのサポートを受け、モータースポーツの頂点を目指す岩佐歩夢も昨シーズンからF2を戦っている。

FIA F2 2024 car

そんな育成の場であるF2は、2022年に技術規定が大幅に刷新されたF1に合わせてリニューアル。フロントノーズや前後フィング、フロアは、ホイール・トゥ・ホイールの接近戦が展開されるよう新たに設計され、マシンの外観も現行F1マシンに似たものとなった。また、安全性やパフォーマンス、持続可能性も可能な限りF1に近づけられ、F2に参戦するドライバーがF1昇格に向けて十分な準備を整える機会を創出する。

FIA F2 2024 car

その一方で、現行シャシーの『ダラーラF2 2018』からギアボックスをはじめ多くのパーツが引き継がれており、コストの抑制も図られている。
エンジンについても現行のメカクローム製3.4L V6シングルターボがキャリーオーバー。F2では今季、アラムコが手掛ける生物由来の55%持続可能燃料が採用されており、こちらも2024年まで引き続き使用する。また、2025年には同じくアラムコ製の新たな合成燃料が導入される予定だが、それに対応するための機能もエンジンに備えられる。

新シャシーのシェイクダウンは女性ドライバーのタチアナ・カルデロンによって今年7月に完了しているが、信頼性の確保などを目的としたテストは昨季のF2王者フェリペ・ドルゴヴィッチらにより続けられる。このプログラムは2027年に予定される100%持続可能な燃料の導入もターゲットにしており、2024年以降も継続される見通しだ。

2024年型FIA F2マシン 主要諸元 (一部抜粋)

シャシー
全長/全幅/全高:5284mm/1900mm/1097mm(ロールフープカメラ含む)
ホイールベース:3135 mm
サバイバルセル:ダラーラ製サンドイッチカーボン/アルミハニカム構造/ザイロン素材貫通防止パネル
前後ウィング:ダラーラ製カーボン構造
ボディワーク:ダラーラ製カーボン-ケブラーハニカム構造
安全基準:FIA F1 2024セーフティスタンダード/F1仕様チタン素材HALO
DRS:F1と同機能/油圧作動式

エンジン
メカクローム製3.4L V6シングルターボ
最高出力:620HP/8750rpm
最大トルク:570Nm/6000rpm

ギアボックス
ヒューランド製6速シーケンシャル縦置き
電動油圧式パドルシフト
ZFザックス製カーボンクラッチ
非油圧式ランプディファレンシャル

サスペンション
プッシュロッド作動ダブルウィッシュボーン
トーションバー(フロント)&スプリング(リヤ)
アジャスタブルアンチロールバー

ホイール&タイヤ
O.Z.レーシング製マグネシウムリム
18"x 12"(フロント)/18"x13.7"(リヤ)
ピレリ製F2用スリック&ウェットタイヤ

ブレーキ
ブレンボ製6ピストン モノブロックキャリパー
カーボンインダストリー製カーボンディスク&カーボンパッド

燃料
アラムコ製生物由来55% 持続可能燃料(2024年)

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