日産自動車が「サステナビリティセミナー2023」を開催。サーキュラー・エコノミーとDEIの専門家によるパネルディスカッションを実施

日産自動車はこのほど、「日産サステナビリティセミナー2023」を開催し、サーキュラー・エコノミー(循環経済)とDEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)をテーマに実施されたパネルディスカッションの動画を公開した。

「各界で活躍するエキスパートの皆さんと議論し、高度な知見や幅広い経験を互いに共有することで、私たちは今、何ができるのか、何をするべきなのかを、ともに考えるきっかけにしたい」(日産チーフサステナビリティオフィサー田川氏)

●「サーキュラー・エコノミーセッション」登壇者
・株式会社オウルズコンサルティンググループ 代表取締役CEO:羽生田慶介
・テネオ シニアアドバイザー:ピア・ハイデンマーク・クック
・フィリップスインターナショナル社ヘッド・オブ・サステナビリティ イノベーション戦略部長:ロバート・メッケ
・株式会社リコー ESG戦略部 サーキュラーエコノミーエキスパート:佐藤多加子
・日産自動車チーフサステナビリティオフィサー:田川丈二
※順不同/敬称略

日産は「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける」というコーポレートパーパスのもと、サステナビリティをあらゆる事業活動の中核とし、2050年までにクルマのライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現することを目指している。

日産チーフサステナビリティオフィサーの田川丈二氏は、このように述べている。
「より持続可能な社会を実現するためには、今すぐ、変革を生む行動を起こす必要があります。本サステナビリティセミナーにおいて各界で活躍するエキスパートの皆さんと議論し、高度な知見や幅広い経験を互いに共有することで、私たちは今、何ができるのか、何をするべきなのかを、ともに考えるきっかけにしたいと考えています」

日産は資源をライフサイクル全体にわたり、効率的かつ持続的に活用するシステムを発展させ、ユーザーや社会へ提供する価値を最大化するため、「サーキュラー・エコノミー」のコンセプトを採用している。リサイクル材料の積極的な使用や使用済み自動車のリサイクルに加え、設計・ 調達・生産段階から資源の再利用および省資源を考慮することで、少ないエネルギーで資源の有効利用を推進する。さらに、部品製造プロセスにクローズドループ・リサイクルプロセスを適用することで、新規採掘資源に頼らない材料への代替と工場からの廃棄物削減を推進し、CO2排出量を大幅に削減していく。

●「DEIセッション」登壇者
・認定NPO法人ReBit代表理事:藥師実芳
・TDC Global創設者兼マネージングディレクター:サラ・リュー
・武田薬品工業株式会社ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン グローバル・ヘッド:ヘイデン・マヤヤス
・日産自動車グローバル人事マネジメント、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン担当 常務執行役員:ミッシェル・バロン
※順不同/敬称略

また、持続的な成長を続けていくために、DEIは不可欠な要素だと日産は考えている。LGBTQ+、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見・思い込み)、ダイバーシティ・マネジメントなど、さまざまなトピックに関するセミナーや研修を従業員に提供することで、強みであるダイバーシティをさらに活かし、インクルーシブな職場の実現を目指している。100カ国以上の従業員が働く日産では、このDEIの取り組みを強化するため、従業員リソースグループ(ERG)を拡大していく予定だ。さらに、日産は女性の活躍を支援するため、国連機関が設立した「女性のエンパワーメント原則(以下WEPs)」に署名。WEPsは職場や市場、地域コミュニティにおけるジェンダー平等を目指し、女性の活躍促進に取り組む企業の行動指針となる原則だ。

日産は、7月末に環境(E)、社会性(S)、ガバナンス(G)の重要な分野における日産のマテリアリティ(重要課題)や方針、成果を包括的に報告する「ESGデータブック2023」を発行した。また、2023年度末までには初の統合報告書を発行する予定。これらのツールを通じて、日産の方針や取り組みの成果を、透明性を持ってタイムリーに開示していく。

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部