新開発の電動パワーユニットを搭載した新型「ID.7」はフォルクスワーゲンEVファミリーのフラッグシップ! 北米市場に投入

フォルクスワーゲンは、最高の利便性を備えた、電動のプレミアムミドルサイズセダン「ID.7」を米国市場向けに発売することを発表した。新型「ID.7」は筋肉質かつ、EVらしいクリーンなプロポーションが特長。外観だけでなく、82 kWhのバッテリーを搭載した新しい電動駆動ユニットを搭載しており、最高出力282ps、最大トルク545Nmというダイナミックなパフォーマンスを発揮し、0-100km/h加速 6.5秒、最高速度179km/hを達成している。さらに、最先端の「パークアシスト」機能を使うと、駐車スペースへの出し入れの際にアクセル、ブレーキ、ステアリングの制御をクルマが行なってくれる。メモリー機能により駐車スペースからの自動運転も可能で、合計5つの駐車操作をさまざまな場所で保存することができる。欧州および北米市場向けのID.7は、ドイツのエムデンにあるフォルクスワーゲンの電動モビリティ工場で生産される。

セダンとEVのメリットを両立させた車両ダイナミクス

ID.7はバランスの取れたダンピングとロングホイールベースがあらゆる走行シーンで高い快適性を発揮する快適なEVセダン。その快適性は、特別にチューニングされたリヤアクスルの高減衰マウントなどによってより最適化。バッテリーはフロアに内蔵することで低重心化も実現している。足まわりの基本レイアウトは、フロント:ストラット、リヤ:5リンクアクスルで構成されており、オプションのDCCシステムの制御システムから、サスペンションモード(エコ、コンフォート、スポーツ)を選択することができる。

さらに、車両ダイナミクス・マネージャーの新しい設定により、快適性と俊敏性を両立させた独自の車両制御が実現されている。中央制御ユニットからは、横方向のダイナミクスを調整・最適化することで、最大限の走行安定性を継続的に確保する(カーブでのブレーキング時など)。また、ステアリングシステムもID.7のために最適化され、よりダイレクトに反応し、より正確なコントロールを可能にしている。

筋肉質かつEVらしいクリーンなプロポーション

ID.7のデザインは流れるような筋肉質なラインを基調としており、フロントフェイスは特にボンネットの立体的なデザインと、デイタイムランニングライト用の細いLEDストリップを備えたLEDヘッドライトが特長的だ。ホイールハウジングのサイドエアインテーク(エアカーテン)はバンパーの低い位置にあり、ボディを抉るような形で立体感を増している。

サイドウィンドウ下部のキャラクターラインは、車体側面にエレガントかつ力強く、ポジティブな緊張感を生み出している。ID.7の全長は4,960mm、ホイールベースは2,971mmに拡張されているため、短いボディ・オーバーハングはメリハリが効いている。全高は1,536mmで、これまでのフォルクスワーゲン「ID.」モデルの中では最も低い車高だ。

最高速度179km/hを誇る新しい電動駆動ユニットを搭載

ID.7のローンチバージョンには、フォルクスワーゲン社内で「APP 550」として知られる、新しい効率的な駆動システムが搭載されている。新しい電気モーターはこの効率的なドライブユニットの中心モジュールで、これまでのフォルクスワーゲンのEVモデルで最もパワフルかつ高トルクとなっている。
デュアルステージ1速ギアボックス、パルスインバータとともにリアアクスルに統合されたモジュールを形成している。これにより、最高出力282ps、最大トルク545Nm(※55.57kgm)というダイナミックなパフォーマンスを発揮し、ID.7は0-100km/h加速 6.5秒、最高速度179km/hを達成する。ID.7 ProのWLTP航続距離は最大621 kmを誇る。
※編集部換算値

サンドイッチフロアに設置されたリチウムイオンバッテリーは、ローンチバージョンでは、82kWh(グロス)のエネルギー量を供給する。バッテリーのプリコンディショニング機能は、次の充電時までのバッテリー使用を最適化することができ、電気自動車ルートプランナーを備えたナビゲーション・システムのルート案内が有効な場合、次の急速充電ステーションに向かう途中でプリコンディショニングが自動的に開始される。また、充電停止前には、バッテリーが最適な温度に自動制御されることで最大出力で充電することができ、特に冬場の充電時間を数分短縮することができる。

バッテリー搭載車ながら前後席ともに広いヘッドクリアランスを実現

ロングホイールベースとコンパクトなドライブトレインのおかげで、ID.7は前後シートともに広いスペースが確保されている。特にリヤの足元スペースは広々としており、バッテリーが車体フロアに内蔵されて他のID.モデルと比較して車体高が低いにもかかわらず、ID.7はパノラミックルーフを備えたフロントで1026mm、リアで960mmの良好なヘッドルームを確保している。

電動トランクリッドを開けると、最大532Lのラゲッジルームにアクセスすることができ、2列目シートを倒すことで最大1585Lにまで拡大することができる。

ID.7のインテリアはゼロからデザインされた水平基調なデザインが特長となっている。インテリアの主なディテールは、明確な構造の水平ダッシュパネルであり、トリムや吹き出し口の水平帯は、直線的なデザインに統合されている。インテリアには、AR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイが標準装備されており、ドライバーは道路から目を離すことなく車両情報を確認することができる。同時に、新しいARヘッドアップディスプレイは、従来の計器類を大幅に小型化することで、コックピットのレイアウトを変更し、ドライバーに合わせた情報提供のカタチを実現している。

ID.7のために、フォルクスワーゲンは運転席と助手席のために、電動12ウェイ調節機能、メモリー機能、便利なエントリー機能、調節可能な大腿部サポートを備えた新しい快適なシートを開発して搭載している。また、新しいツボ押しマッサージ機能も備えており、最上級モデルには、新しいクライマトロニック・オートエアコン機能とアップグレードされたマッサージ機能を備えたプレミアムシートが装備されている。

合計5つの駐車場メモリーが可能な「パークアシスト」機能を搭載

ID.7 には最先端のアシストシステムが搭載されており、そのひとつが、新スペクトルの「パークアシスト」システムだ。パークアシスト・プラスとパークアシストのメモリー機能が標準装備され、パークアシスト・プラスは、フォルクスワーゲンの他のモデルでもすでにお馴染みのシステム。駐車場への出入りの際にアクセル、ブレーキ、ステアリングの制御を車両が代行してくれる。車両が停止すると、ドライバーは駐車操作を保存することができ、その後、ID.7が再び同じ場所、例えばガレージの入り口や職場の駐車スペースに到着すると、自動的に単独で駐車を引き継がせることも可能だ。メモリー機能により駐車スペースからの自動運転も可能で、合計5つの駐車操作をさまざまな場所で保存することができる。

さらに、時速90km以上での高速道路走行で車線変更をアシストするトラベルアシスト、さらに、降車する際に後方から来るクルマを検知する降車警告システムを新搭載している。エクステリアミラーのサイドアシストLEDによる視覚的な警告と、音響による聴覚的な警告を行い、スムーズなドアの開閉を遅くする。

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