目次
東京オートサロン2024会場で新型『Eクラス』を発表!
1月12日から14日まで千葉県の幕張メッセで開催されている東京オートサロン2024の会場で2月発売のメルセデス・ベンツ『新型 Eクラス』が初公開となり、同時に全国ディーラーで受注受付が開始された。
チューニングカーの祭典であるオートサロンで新型Eクラスがお披露目と聞いても正直それほど注目していなかったのだが、まずデザインがとても気に入った。ガラリと変わったわけではなく、これまでの正常進化でありながら、細部のアレンジが上手い。ロングノーズでどこかクラシカルでありながら、美しく繊細で伸びやかなデザイン。セダンは難しい尻下がりのデザインでありながら重くならず、絶妙な3次元デザインでまとめられていて美しい。
デザインを優先すると室内は狭くなりがちだが、『 新型 Eクラス』の車内は広く、車内がとても心地良い。インパネの先進的な3つのモニターが目を引くが、それだけではない。乗員が癒され、快適に心地良く移動できるよう、細心の注意を払って空間をデザインされている。
安全性も高い。近年、衝突安全性向上のため、太くなりがちなAピラーは強度を持たせながらもドライバーの死角をなるべく少なくするよう考慮されたデザインで視界がとても良い。サイドクラッシュの安全性がいかにも高そうなBピラーはかなり太く、ガッチリした形状でサイドウインドウと被るほど結合部で剛性を重視した形状であることがわかる。『新型Eクラス』は自動車としての基本をしっかりと抑えたクルマであるこということを理解した上でその他のスペックを見ていきたい。
新型Eクラスのパワートレインは全車モーターを搭載するハイブリッドモデルでガソリンとディーゼルの2.0L直列4気筒ターボエンジンがあり、ミッションは9速ATを組み合わせる。展示車のセダンが『E350eスポーツEdition Star』。
大型のバッテリーをトランク下に収める2.0L直列4気筒直噴ガソリンターボエンジン+プラグインハイブリッド(PHEV)車で1回の充電でEV走行可能な航続距離が112km(プラグインハイブリッド車のトップクラス)を誇る。例えば片道30km程度の通勤距離ならば自宅に充電環境があれば、電気しか使わないで移動可能だ。
展示車のステーションワゴンが『E220dステーションワゴン アバンギャルド』。2.0L直列4気筒直噴ディーゼルターボエンジン+ハイブリッド車(48VのISG搭載)、トルクコンバーターの前にスターター兼発電機を搭載しているのディーゼル特有のアイドリングストップ後に「プルルン!」となり、始動までに若干あったタイムラグと振動がなく、スゥーと滑らかに走り出し、その後、エンジンが始動する。
シートはナッパレザーの非常に柔らかな手触りと質感が印象的で着座位置は低めに感じられる。センターコンソールBOXの開閉、ドアインナーハンドルを開ける時の柔らかさ、エアコン吹出口を動かした時の上質さなど手を触れて操作する各部に抜かりがない。
デジタルの進化も見逃せない。メルセデスとしては初めてiPhoneを鍵として使用できるデジタルキーに対応し、乗り込めばインパネは助手席まで一体型のディスプレイ『MBUX(メルセデス・ベンツユーザーエクスペリエンス)』スーパースクリーンを『EQモデル(電気自動車)』以外で初めて導入。
しかしながらデメリットもある。サイズ、ホイールベース共に拡大され、居住性は素晴らしいがSクラスに近づいている。その点は購入の際、注意が必要だ。それさえ気にならなければ、決して安いとは言えない価格も内容に対して見合ったものだと言えるのではないか。
新型Eクラスは開発者がまずメルセデス・ベンツの哲学に沿う形で「安全性と快適性を重視したキャビンがどうあるべきか」ということを徹底研究し、その上でそれを美しく包むエクステリアデザイン、先進的で癒されるインテリアデザインをしているように感じられる。
もちろん、これまでもそうしてきたと思うが、熟成に熟成を重ねてきた今回の新型はまず格好いいし、派手すぎない。シンプルで機能的であることを追求し、触るもの全てから『哲学』が感じられる。筆者はW124もそういったところが気に入って所有しているのだが、ここに来てまた再び良い意味で「これぞメルセデス・ベンツ」と感じられる”新型Eクラス”が出てくれたことが素直に嬉しい。