筆者のBMW320d(2018年型F30)は、オールシーズンタイヤ、「TOYO TIRES CELSIUS(セルシアス)」を装着している。装着したのは、2021年4月。それ以後、約3万2000kmを走行している。現在のタイヤの残溝は、フロントが5.2mm、リヤが5.3mmだ(2回目の車検の時に測ってもらっていた)。
新品のサマータイヤの溝が8mm程度、スタッドレスタイヤが10mm程度だというから、現在のタイヤのコンディションは五〜六分山程度だ。
CELSIUS(セルシアス)は、ASTM(世界最大・民間・非営利の国際標準化・規格設定機関)に認証されたスノーフレークマーク、日本で冬用タイヤであることを示すスノーマークが付いている。
高速道路の冬用タイヤ規制の際も、スタッドレスタイヤと同様、通行できるのもオールシーズンタイヤのメリットだ。ちなみに、「全車チェーン規制」がかかったら、スタッドレスタイヤもオールシーズンタイヤもチェーンを装着しないと通行できなくなる(したがって320dのトランクにはチェーンを搭載している)。
2月5日、東京都心も大雪に見舞われた。編集部がある新宿も17時頃には幹線道路もシャーベット状の雪が積もり始めていた。住宅地の裏通りはしっかりと積もっている。
JARTIC(日本道路交通情報センター)のHPを見ると、19時現在で、関東の主な高速道路、首都高速道路はすでに通行止めになっている。
さて、3万km走行したオールシーズンタイヤは、この状況で問題なく走れたか?
幹線道路はまったく問題ない。積雪している裏通りも(もちろん充分に注意して低速で走ったが)問題なかった。
これまでの経験だと、東京23区内に積もった雪程度ならまったく問題なく走行できる。気をつけなければいけないのは、翌朝だ。凍結した路面では、オールシーズンタイヤはスタッドレスと同じようなグリップ力を発揮してくれない。シャーベット路面、圧雪路面、通常の積雪路面(どれもサマータイヤでは走行が難しい)だと、スタッドレスタイヤの8割程度の走行ができるオールシーズンタイヤだが、凍結路では5割程度(筆者の感覚では)だと思っていたほうがいい。
スタッドレスタイヤなら、大雪の翌朝の凍結路も何事もなく走り出せるだろうが、オールシーズンタイヤの場合は、幹線道路に出るまではかなり気を遣わなければならない。
とはいえ、オールシーズンタイヤの最大の恩恵は、「時ならぬ大雪の際に、問題なく走行できて目的地(多くの場合は自宅)まで行ける」ことだ。
翌朝は路面凍結が溶けてから走り出す、という使い方なら、オールシーズンタイヤは冬期、かなり頼りになる存在だ。
トーヨータイヤのオールシーズンタイヤ「セルシアス」を装着したBMW320d。2018年F30型セダンである(4WDではなくFR)。大雪となった東京都内。今回もオールシーズンタイヤを装着していたので、問題なく走行できた。雪道に馴れていないドライバー(筆者もそのひとりだ)、サマータイヤのまま出発して雪に見舞われてしまったクルマが混在する都会の大雪、細心の注意をして運転するようにしたい。また、無理せず不要不急の外出は控えるようにしたい。