目次
1. WIND EXPO:クリーンエネルギー拡大に向けたロボティクス技術の活用事例を紹介
2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、クリーンエネルギーの創出は重要であり、その中でも洋上風力発電の発電量が今後大きく伸びることが予測されている。Hondaは洋上風力発電施設の施工・メンテナンスに貢献することを目指して、ASIMOをはじめとするロボティクス研究で培った技術を活用した作業用ROVの研究開発を行なっている。今回のWIND EXPOでは、研究開発中の作業用ROVと、その活用事例を紹介する。
■作業中の姿勢を自動でコントロールし、作業操作性を向上する作業用ROV
洋上風力発電のメンテナンスなど、水中作業を行なう遠隔操作型の無人潜水機。操縦者のマニピュレーター操作に合わせて、ROVが自動で移動・旋回するHonda独自の“マニピュレーター・ROV協調制御”や、浮心と重心のずれを自動で制御することでROV本体の姿勢を保つ“浮心・重心制御機構”、水流から受ける力を軽減する“流体抵抗低減ボディー形状”により、操縦者は水流などの外乱に影響を受けず、ROVを利用した高度な作業が可能。
2. H2&FC EXPO:燃料電池モジュールの活用事例を紹介
HondaはH2&FC EXPOにおいて、コア技術であり2020年代半ばに社外への販売開始を予定しているHonda燃料電池モジュールについて、自社のFCEVに、商用車、定置電源、建設機械を加えた4つのコアドメインでの活用や最新の取り組み事例を紹介する。
■主な出展内容
・新型FCEVの量産モデル(世界初公開)
今年、日米で発売が予定されている、新型FCEVの量産モデルを世界初公開する。北米で販売しているSUV『CR-V』をベースに、GMとの共同開発による燃料電池システムを搭載。短い燃料充填時間で長距離を走行できるFCEVの特長に加え、プラグイン機能により、家庭で充電できるEVの利便性も兼ね備えている。
・Honda燃料電池モジュール プロトタイプ
GMとの共同開発による燃料電池システムをベースとした、最大出力80kWを有する外販用モジュール。このモジュールに組み込まれる燃料電池システムは、FCEV『CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)』<2019年モデル>に搭載していた燃料電池システムに対して、コストを3分の1、耐久性を2倍に向上させるとともに、耐低温性も大幅に向上されている。H2&FC EXPOでは、Hondaの燃料電池の仕組みを動画でわかりやすく紹介する。
・燃料電池トラック・定置電源の取り組み
いすゞ自動車と共同で2023年末に日本で開始した、燃料電池(FC)大型トラック『GIGA FUEL CELL(ギガ フューエル セル)』の公道実証走行や、東風汽車集団と共同で2023年1月に中国にて開始された、Hondaの燃料電池モジュールを搭載した商用トラックの走行実証実験など、燃料電池トラック領域での最新の取り組みを展示パネルや映像で紹介する。
加えて、2024年中に米国現地法人アメリカン・ホンダモーターにおいてHondaの燃料電池モジュールを搭載した大型トラックの走行実証の開始が予定されており、実証で使用するトラックのデザインイメージをH2&FC EXPOで初公開する。
またHondaは、米国現地法人アメリカン・ホンダモーターの敷地内に、『CLARITY FUEL CELL』の燃料電池システムを再利用した約500kWの定置電源を設置し、2023年からデータセンターの非常用電源として実証運用を開始するなど、クリーンで静かな非常用電源から、発電領域における燃料電池モジュール活用の提案を進めている。H2&FC EXPOでは、燃料電池を搭載した定置電源の、将来のユースケースを展示パネルで紹介する。
3.SMART GRID EXPO:モバイルパワーパックの活用を紹介
HondaはSMART GRID EXPOにおいて、「移動」と「暮らし」の可能性を広げる、Honda Mobile Power Pack e:の活用事例を紹介する。
主な出展内容
・Honda Mobile Power Pack e:
さまざまな電動モビリティ/機器の動力源として活用が可能な、1.3kWh以上の大容量電力を貯蔵するリチウムイオンバッテリー。再生可能エネルギー由来の電力を、Honda Mobile Power Pack e:にためて持ち運びできるようにすることで、電動モビリティ/機器の動力としてはもちろん、家庭内・屋外での電源、また災害時の電力供給など、「移動」と「暮らし」の中でさまざまな用途への拡大が期待できる。
・Honda Mobile Power Pack e:搭載eGX コンセプト
Honda Mobile Power Pack e:に小型作業機用電動パワーユニット『eGX』を組み合わせた活用事例。1.3kWh以上の大容量電力を貯蔵するモバイルパワーパックと電動パワーユニットを組み合わせて搭載することで、幅広い商品の電動化を可能にする。
- Honda Power Pack Charger e:(パワーパックチャージャーイー)
- Honda Power Pack Exchanger e:(パワーパックエクスチェンジャーイー)・Honda Power Pod e: プロトタイプ(パワーポッドイー)
- Power Exporter e: 6000(パワーエクスポーターイー)
- SC e: コンセプト(エスシーイー)
<モバイルパワーパックを活用した他社開発モデル>
- e‐BURGMAN(イーバーグマン)※1(スズキ)
- DIAPASON C350(ディアパソン)※2プロトモデル(ヤマハ発動機)
- DIAPASON C580(ディアパソン)※2プロトモデル(ヤマハ発動機)
- スプリットライトLED投光機 PL-241SLB(デンヨー)
※1 実証実験車
※2 『DIAPASON』は、開発中のパーソナル電動モビリティ汎用プラットフォームの新たな名称(これまでは“YAMAHA MOTOR PLATFORM CONCEPT”と呼称)。
<モバイルパワーパックとeGXを活用した他社開発モデル>
- 電動クローラークレーン・URU054C コンセプトモデル(古河ユニック)
- 電動高所作業車・Xリフト コンセプトモデル(レンタルのニッケン)
- 電動コンバインドローラー・TW354 コンセプトモデル(酒井重工業)
- 電動エアコンプレッサー・SLP-22EF コンセプトモデル(アネスト岩田)