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5mオーバーの全長
かねてから噂のあった、ポルシェ初の3列7人乗り最高級クロスオーバーSUV、「K1」(社内コード)市販型プロトタイプをカメラが初めて捉えた。
K1は、「カイエン」の上位に位置するフラッグシップSUVとなり、同ブランド6代目のフルエレクトリックモデルとなることがわかっていたが、その全容に初めて迫る。
市販型では、「強力なパフォーマンスを提供する」ことと、「自動運転を目的」として設計、メルセデス・ベンツ「EQS SUV」や、BMW「iX」などと対峙することになりそうだ。関係者によると、これまでのポルシェ量産車とは異なり、全長は5メートルを超え、「半分サルーン、半分クロスオーバー」のような外観を持つという。
同ブランドCEOであるオリバー・ブルーメ氏は、K1について「SUVを非常にスポーティに解釈したもの」と表現。2023年の年次総会(AGM)では、「高さのあるクーペモデルになるだろう」と述べている。また「K1により、当社のスポーティ・ラグジュアリーなポジショニングを強調し、強化することになる」と付け加えたという。
捉えたプロトタイプは、カモフラージュが厳重だが、基本的なボディ構造は本物で、フェラーリ「プロサングエ」そっくりのボディシルエット確認できる。またヘッドライトもプレースホルダーではなく量産型の可能性がありそうで、今後大きな変化が見られそうなのは、フロント&リヤエンド、ドアパネルや、隠されたDピラー周辺だろう。
全体的に長く、低いスタイルで、フロントアクスルとリヤアクスルの間に十分なスペースをもつことにより、3列目のシートを収納できるスペースが確保されていることは間違いない。またマカンEVのようなスプリットヘッドライトではなく、LEDライトユニットはすべて一緒に収納、滑らかなフロントエンドが特徴のようだ。フロントバンパーには911改良新型で見られた縦スラットがあるが、K1はEVのため中央グリルの吸気口はない。
新開発「SSP」プラットフォーム&920Vアーキテクチャー採用
市販型では、タイカンがフォルクスワーゲンの「J1」プラットフォームに乗るのに対し、K1では完全に新開発された「SSP」(スケーラブル・システム・プラットフォーム)を採用、これはポルシェとアウディが提携して開発中のプレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)アーキテクチャーよりも高いパフォーマンスを提供すると予想されている。
また、PPEベースのモデルよりもさらに高速充電するために920Vの電気システムを実行し、モーターにはオイル冷却機能が装備されているとの情報がある。どのようなバッテリーパックが使用できるかはまだ秘密にされているが、構造的完全性を高めるために、セルからシャシーまでのレイアウトを採用し、最も効率的な形式で100kWh以上の容量とWLTP計測で700km以上の航続距離を実現すると予想されている。
計画されているその他のシャシー技術には、後輪の回転角度を最大5度まで提供できる電子制御4輪ステアリングがあり、街中の低速域での操縦性が向上、高速域での機敏性が向上するという。この機能は、電子デファレンシャルと組み合わせて機能し、各後輪間のトルクベクタリング効果を提供する。
キャビン内では、「スペースに重点を置いた、まったく新しい体験を提供する」ことが判明している。
K1のワールドプレミアは、2027年に計画されており、カイエンの最高級モデル「ターボEハイブリッド」の14万6900ドル(約2千200万円)より遥かに高い20万ドル(約3千万円)超えは確実とみられる。ポルシェは過去20年間、カイエンで大きな成功を収めてきたが、ブランドのSUVフラッグシップとしての時代は終わりに近づいており、K1によりSUV新時代を迎えるときが来たようだ。