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納車から半年……初めてのオイル交換にDIYで挑戦する
フィアット500PINK!の納車から早くも半年以上が経過。初のイベント参加となった「CIAO! FesTrico(チャオ・フェストリコ)」のエントリーの翌週となる2024年3月末のある日、忙しくて先延ばしにしていたエンジンオイルの交換を行うことにした。アルファロメオ1300GTジュニアやマツダ・ロードスター、所有するバイクと同じようにフィアット500のオイル交換もDIYで作業する。
エンジンオイルはジャガーで使っていたカストロールの残りがある。ブランドにはとくにこだわりはなく、たまたまペール缶で安く買えたので使っていただけのことだ。1.2L直列4気筒SOHC8バルブエンジンの指定粘度は5W40(前期型の場合。後期型の指定粘度は0W20)だが、交換するオイルの粘度は5W30と柔らかいオイルとなる。まあ、夏前には交換する予定なので問題はないだろう。
オイル交換の作業自体は過去何度もやっているので慣れたものだが、フィアットでの作業は初めてとなるため、作業前にネットで手順を予習しておくことにした。しかし、肝心のドレンボルトの規定トルクがわからない。ディーラーに電話して聞いても良かったのだが、この日はあいにく定休日だった。そこでロードスターなどと同じく30Nmで様子を見ることにした。
これだけ揃えば作業ができる!フィアット500のオイル交換に必要な工具は?
オイル交換に必要な工具は、12mmのヘキサゴンソケットと対応したサイズのラチェットハンドル 、トルクレンチ 、オイルジョッキ、廃油オイルパン(廃油受け)、漏斗のみ。本来なら車体を持ち上げるのにジャッキが必要になるところだが、今回は時間短縮のためにカースロープを使用した。これなら重いフロアジャッキをわざわざ持ち出さずに済むし、ウマ(リジットラック)を使用する際の安全策としてタイヤを外して車体の下に置く必要もない。
なお、今回はフィアット500の購入店が納車時にオイルフィルターも新品に交換したと話していたので、作業はオイルの交換だけとなった(実際にフィルターをチェックしたら最近交換したと思しき新しいものが着いていた)。
ドレンプラグにシールテープを巻くべきか巻かざるべきか?
作業自体はとても簡単だ。カースロープを使って車体の下に潜れるスペースを確保したら、12mmのヘキサゴンソケットを着けた1/2ラチェットハンドル でドレンプラグを外し、オイルの抜けを良くするためにフィラーキャップを開け、古いオイルが抜けきったらトルクレンチを使ってドレンプラグを規定トルクで締めて新しいオイルを注ぎ入れるだけだ。必要な道具さえあれば、メカに詳しくない人でも1時間程度でできる作業だ。
作業をしていて少し悩んだのがドレンプラグに巻くシールテープの存在だ。ネットで調べたところフィアット500のドレンプラグにはシールテープを巻く人が多いようなのだが、筆者の車のドレンプラグには最初からテープが巻かれてはいなかった。
だが、オイルの滲みや漏れの痕跡は見当たらず、シールテープを巻かなくてもオイルが漏れないのなら必要はないのだろうと判断して、ねじ山を掃除しただけでそのまま組み付けることにした。
オイルパンのネジ山は潰すと高くつく……安物でもトルクレンチを使うべし
オイルが完全に抜けきったところでドレンボルトを締め付ける。最初は手で軽く回し入れ、ある程度回したところでトルクレンチを締め付ける。設定トルクは先ほども書いた通り30Nmにした。ネジ山を壊すとオイルパンを新品に交換する羽目となり、修理費用が高くつくのでこの作業にはトルクレンチが必須だ。筆者は3/8インチのPROXXON(プロクソン)製トルクレンチ(20~107N・mまで設定可能なMC100 3/8″ No.83351)に変換ソケットを噛まして、HAZET(ハゼット)の1/2インチの12mmソケットを使って締めつけた。
昔はトルクレンチは東日やSnap-on(スナップオン)などの高級品しかなかったが、現在では比較的リーズナブルな製品が販売されている。両者の違いは耐久性と校正などのアフターサービスの有無、そして、一流ブランドを使う安心感くらいで、精度にそれほど違いが出るわけではない。素人がDIY整備で使うくらいなら高級品でなくても問題はない。アストロプロダクツやストレートの製品なら4000~6000円くらいで購入できるので、DIYでメンンテナンスを考えている人は必ず1本は持っておくべき工具だろう。
ドレンプラグを締めて規定量のエンジンオイルを入れたら
ディップスティックを引き抜きオイル量のチェック
ドレンプラグを締め付けたら、フィラーキャップを開いて規定量のエンジンオイルを注ぎ入れる。フィアット500の場合、エンジンオイルのみの交換で2.5L、オイルフィルターも一緒に交換するなら2.8Lが規定量となる。今回はフィルターの交換はしないので必要なオイルの量は2.5Lだ。
埃やゴミなどがない中をキレイに掃除したオイルジョッキに規定量のエンジンオイルを入れてから、エンジンオイルをゆっくりと注ぎ入れる。今回はオイルをこぼさないように念のため漏斗を使うことにした。
エンジンオイルの交換作業が終わったら、エンジンをかけて数分間放置してからキーをオフにしてエンジンを止める。それから5分ほど待ってからディップスティックを一度引き抜き、清潔なウェスでスティックについたオイルを拭い去り、スティックをエンジンに差し戻してから再度引き抜き計測する。オイルの量がゲージ部分の半分より上なら問題がないが、イタリア車はエンジンオイルの消費が比較的多い傾向にあるので、念のためゲージの上限ラインスレスレになるようにオイルをわずかに追加して調整することにした。
あとはエンジンルームに工具やウェスなどを置き忘れていないか確認してからボンネットを閉めれば作業は終了だ。
所要時間30分!工具と場所さえあれば誰でもできる?
今回の作業に費やした時間はおよそ30分ほど。エンジンオイルは20L入りのペール缶で購入すれば割安だし、DIYで作業をすれば作業の待ち時間で貴重な休日を潰すこともなく、工賃を浮かすこともできる。DIYによる作業はすべてユーザー自身の責任となるが、プロの中にもいい加減な作業をするところもあるので、作業者のレベルがわからないガソリンスタンドやカー用品店に作業を依頼するよりも自分で作業をするのはむしろ安心かもしれない(とくに輸入車の場合は)。
エンジンオイルの交換はさほど難しい作業ではないので、これから愛車いじりをしてみようと考えている初心者におすすめのメンテナンスだ。ただし、まったく経験がない人の場合は、最初の作業は経験者に立ち会ってもらった方がいいだろう。とくに今回のようなカースロープを使わず、ジャッキアップをしての作業ならなおさらだ。