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ミッション警告灯以来はトラブルもなく快調
フィアット500PINK!が納車されてから早くも半年あまりが経過した。大分県由布院の中古車店でこのクルマを購入し、仮ナンバーをつけて自走による帰り道に、中国自動車道の下関IC~山口JCTの長く続く登り坂で渋滞に巻き込まれ、ミッション警告灯が点灯した(すぐに警告灯は消えたが)。
しかし、トラブルらしいトラブルはそれっきり。登録作業を終えてから3代目チンクェチェントで鬼門となるデュアロジックを東京都・江戸川区の『ピッコロカーズ』で点検してもらったところ、「クラッチの摩耗が見られるもののしばらくは乗れる」とのことで、その日は念のためにキャリブレーションのみ行ってもらった。それからはトラブルらしいトラブルもなく、車両価格35万円のフィアットは約4000kmの距離を問題なく走破した。
新たな愛車との初のイベント
「CIAO! FesTrico(チャオ・フェストリコ)」に参加
寒かった冬も終わりを告げ、季節はクルマやバイク関連のイベントが多く開催される春となった。せっかく愛らしいチンクェチェント、それも世界限定600台、日本導入50台の限定車……いわゆる「役モノ」のフィアット500PINK!を手に入れたのだから、イタリア車のイベントにも愛車で参加してみたいと考えていた。すると、タイミングよく2024年3月20日に千葉市のフェスティバルウォーク蘇我/ハーバーシティ第2駐車場にて「CIAO! FesTrico(チャオ・フェストリコ)」が開催されるという話を聞きつけた。
このイベントはフィアット&アバルトファンのためのポータルサイト「FesTrico」が主催する初めてのミーティングで、エントリーできるのはフィアット&アバルト車のみ。オーナー同士の交流会のほか、企業ブースの出展が22社もあり、デモカーの展示やパーツやグッズの販売も行われるという。
さらにはイタリア車業界のレジェンドによるトークショー、エントリー車の撮影会があるなど内容は盛り沢山だ。興味をそそられた筆者はさっそくエントリーを申し込むことにした。
エントリー台数は約100台!アバルト&フィアット500の他に希少車の姿も?
「天気晴朗なれど波高し」。当日は青空が広がるミーティング日和……なのは良かったのだが風が強い。会場となったハーバーシティ第2駐車場はすぐ隣が海という立地もあって、波がうねっており、波打ち際にクルマを停めるとバシャンバシャンと水しぶきが降りかかってくる。
これが旧車のジュリアクーペなら錆が進むことを恐れて直ちに退散するところだが、同じイタリア車でも21世紀に登場した3代目フィアット500は、そこまで腐食に弱くはないので「帰ったら洗車しないとな~」くらいの鷹揚な気持ちでいられる。
午前10時半ごろに入場すると、すでに駐車スペースには多くのフィアット&アバルト車が停まっていた。その多くがアバルト500シリーズで、ベース車のフィアット500よりもむしろ数が多いほど。次に多いのが筆者と同じ現行型チンクェチェントで、エントリーした約100台の8割以上が両者で占められていた。ほかにはヌォーバ・チンクェチェント(110F)、初代フィアット・パンダ、ムルティプラ 、バルケッタ、アウトビアンキA112などの姿も見える。
日本導入50台中の2台のフィアット500PINK!が邂逅した「CIAO! FesTrico」
会場入りして驚いたのは本部テント前に展示されていた1台のフィアット500だ。ノーマル然としたそのクルマのボディカラーはローザ・ローザ。いわゆるひとつの鮮やかなピンクである。チンクェチェントのユーザーの中には、この色に憧れてほかの色からリペイントする人もいるようだが、展示車両は前期型でどうやら本物のフィアット500PINK!のようだ。
運営本部で話を聞くとオーナーは「FesTrico」のアンバサダーのあゆたまさんとのこと。さっそく声をかけると彼女も他にPINK!のエントリーがあるとは思っていなかったらしく少し驚いていた。
話を聞くとあゆたまさんがフィアット500PINK!を購入したのは2023年秋頃とのこと。TVの自動車情報番組で4年ほど前にこのクルマの存在を知り、ずっと探していたのだという。筆者が購入したチンクェチェントにもチェック入れていたそうだが、販売店が遠方の九州ということで諦めたらしい。それからしばらくして、ちょうど運良く自宅近くの中古車店でフィアット500PINK!の売り物があったので購入を決めたそうだ。
2009年に50台のみが納車されたフィアット500PINK!のうち、今も現在している台数が何台あるのかは定かではないが、「CIAO! FesTrico」の会場にそのうちの2台が集まったことになる。筆者は購入してから同型車を目にしたことがない(というか、その前も10年くらい前にに1度首都高で見かけたことがあるだけ)こともあって、あゆたまさんの愛車との出会いはなかなか新鮮な体験になった。