トヨタRAV4 vs. 日産エクストレイル!買う前に知っておきたい国産ミドルクラスSUVの細かすぎる違い

2022年に9年ぶりのモデルチェンジを果たした新型エクストレイルは、全車e-POWERとなり画期的な可変圧縮エンジンを搭載して登場した。ミドルクラスSUVの中心的存在であるトヨタ RAV4と比較して、細かな違いを挙げてみよう。

TOYOTA RAV4 × NISSAN X-TRAIL

ボディサイズや室内空間は同じだが後席に違いあり

両車のボディサイズにはほとんど違いがなく、最小回転半径もRAV4が5.5m、エクストレイルは5.4mと取り回しにも大きな差はない。互いの居住空間や荷室空間もミドルクラスSUVとして平均的だ。

ただし、後部座席の細部に目を向けると違いが目立つ。どちらもドアはサイドシル下部まで覆うタイプとなるが、エクストレイルのリヤドアは90°近い角度まで開くため乗降性にも優れる。

しかし、リヤシートの座面長はエクストレイルのほうがやや短く、一般成人男性では膝裏のサポートが足りないと感じやすいだろう。リヤシートのリクライニング機構は両車に備わるが、RAV4にはスライド機構が備わらないなどの違いもある。

決定的な優劣がつくほどの差ではないが、どちらにも細かな一長一短がある点には注意したい。

トヨタ RAV4 ハイブリッドG E-Four
ボディサイズ:全長4600mm×全幅1855mm×全高1685mm
ホイールベース:2690mm
車両重量:1690kg
タイヤサイズ:225/60R18(前後)

日産 エクストレイル X e-4ORCE
ボディサイズ:全長4660mm×全幅1840mm×全高1720mm
ホイールベース:2705mm
車両重量:1850kg
タイヤサイズ:235/60R18(前後)

燃費性能ではRAV4が勝り、上質感ではエクストレイルのほうが上

両車のパワートレインは、排気量から構成まで大きく異なる。RAV4は2.5L直列4気筒エンジンとモーターを協調制御させる「THS-II」。エクストレイルのほうは1.5L直列3気筒エンジンで発電し、モーターのみで駆動する「e-POWER」だ。

エクストレイルのモーター出力はRAV4を大きく上回るうえ、連続可変圧縮が可能な新型エンジンは走行状況に合わせて発電効率やエンジン回転数が緻密に制御されるため静粛性も高い。

存在を主張しない新型エンジンと緻密な駆動制御によって、低振動で低騒音かつ滑らかに走行できるエクストレイルの運転フィールは限りなくEVに近いものだ。RAV4も十分な静粛性が備わり、モーターの駆動力を車両制御に反映させてはいるが、純モータードライブのエクストレイルには及ばない。

燃費性能では車重が軽く、高効率なハイブリッドシステムを搭載するRAV4のほうがわずかに優れる。しかし、静粛性や車両安定性ではエクストレイルのほうが優勢と言えるだろう。

トヨタ RAV4 ハイブリッドG E-Four
エンジン形式:直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量:2487cc
最高出力:178ps/5700rpm
最大トルク:221Nm/3600-5700rpm
トランスミッション:電気式CVT
駆動方式:4WD

日産 エクストレイル X e-4ORCE
エンジン形式:直列3気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量:1497cc
最高出力:144ps/4400-5000rpm
最大トルク:250Nm/2400-4000rpm
トランスミッション:単速
駆動方式:4WD

同じミドルクラスSUVでも守備範囲は大きく異なる

クルマ自体の使い勝手で両車に大きな差はないが、走りの上質感ではe-POWERを採用するエクストレイルのほうが勝る。それでいて価格はハイブリッドモデルの中間グレード同士の比較なら、RAV4よりも16万円ほど安い。

またエクストレイルではRAV4には設定がない3列シート車も選べるうえ、RAV4の「アドベンチャー」グレードに相当するアグレッシブな外観の「エクストリーマー」も取り揃えている。

それに対して、RAV4が勝る点はハイブリッドモデルの燃費性能と、エクストレイルには用意されないガソリンエンジンモデルが選べる点だ。RAV4のガソリンモデルのエントリーグレード「X」なら価格は300万円を切る。

「RAV4 ハイブリッドG」と「エクストレイル X」のグレードを比較した場合、両車の差は極めて小さい。しかし、グレードラインナップ全体で見るとRAV4とエクストレイルの価格や用途には大きな隔たりがある。クルマに対する要求や予算次第で、どちらを選ぶべきかの答えは大きく変わると言えよう。

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