ヤマハから次世代型高速ディスペンサー「YRM-D」が新発売。コンパクトで業界最高水準の塗布性能と使い勝手の良さを両立

ヤマハ発動機はこのほど、業界最高水準の塗布性能を実現しながら、扱いやすくコンパクトサイズで面積生産性にも配慮した新型高速ディスペンサー「YRM-D」を、12月1日に発売すると発表した。

ますます高度化し生産性への高い要求とともに多様化する市場需要に応えるべく、業界最高水準の塗布性能を実現しながら、扱いやすく面積生産性にも考慮

電子部品実装工程におけるディスペンサーは、プリント基板に搭載する部品の仮固定用接着剤を塗布するマシン。裏面に実装済みの部品落下抑止のため、基板を両面実装する場合やハンダ印刷を行わない実装工程などで使用されており、実装高密度化への対応が強く求められている。また、接着剤塗布以外にも、微小チップと大型部品の混載実装における大型基板への追加ハンダ塗布、ハンダ印刷が難しい立体形状基板の電極部へのハンダ塗布などにも応用されている。

昨今は、人手不足や人件費の高騰を背景に、ロボットやAI、IoTなどの導入で工場の自動化を図り、生産性向上や設備稼働率の向上と同時に省人化、スキルレス化が推し進められている。そこでこのたびヤマハは、ますます高度化し生産性への高い要求とともに多様化する市場需要に応えるべく、業界最高水準の塗布性能を実現しながら、扱いやすく面積生産性にも考慮した高速ディスペンサー「YRM-D」を開発した。

YRM-D」は、インテリジェントファクトリーを体現する次世代型プラットフォーム「YRシリーズ」のディスペンサーとして開発された。「YRシリーズ」の高剛性筐体や高精度ヘッドの採用などにより、塗布タクト0.07秒/点、塗布精度±0.05mm Cpk≧1.0の高速・高精度を安定して実現。また、シリンジアダプターを刷新し、1種のアダプターアッセンブリーと2種のジョイントノズルで各種シリンジに対応可能とするほか、正面カバーを開閉可能にしてマシン内へのアクセス性を向上するなど、利便性を高めている。さらに、ディスペンスヘッドは生産形態に合わせ2ヘッド(標準)/3ヘッド(オプション)から選択可能で、いずれの使用時でも最大基板サイズ「L510mm×W460mm」までとコンベアの対応力を強化している。

「YRM-D」主な特徴

高密度実装に対応する高速・高精度・安定塗布を実現
奥行き1254mmと、従来機「YSD」と同様のコンパクトなマシンサイズはそのままに、インテリジェントファクトリーを体現する次世代型プラットフォーム「YRシリーズ」を採用。高剛性の筐体や高精度ディスペンスヘッドの採用、高精度な温度制御が可能なヒーターユニット、基板面高さや反りを検出し高精度な非接触塗布が可能なレーザー照射などにより、塗布タクト0.07秒/点、塗布精度±0.05mm Cpk≧1.0の高速・高精度を安定して実現している。また「YRシリーズ」共通のマシン制御システムや高速性と堅牢性を兼備したアプリケーションソフトにより、周辺システムやソフトウェアとの連携が無駄なくスムーズに、かつ安心して行える。

シリンジアダプターの刷新や開閉可能な正面カバーの採用など操作性を向上
シリンジアダプターを刷新し、1種のアダプターアッセンブリーと2種のジョイントノズルで5~30ccまでの各種・各容量のシリンジと塗布パターンに対応可能とした。アダプターの交換作業や保管の手間を最低限に抑えられる。ディスペンスヘッドは生産形態に合わせ2ヘッド(標準)/3ヘッド(オプション)から選択可能だが、いずれの使用時でも「L510mm×W460mm」までの大型基板に対応。さらに正面カバーを開閉可能にし、マシン内へのアクセスを向上するほか、見やすさと操作性を両立した次世代デザインの新GUI(Graphical User Interface:操作画面)により直感的な操作が可能となっている。

省人化対応
CADデータからディスペンスデータを自動変換したり、プリディスペンスで塗布径を認識し塗布量を自動制御したり、シリンジ内の塗布剤の残量を知らせてくれるなど、定型作業の自動化・サポート機能で作業負荷とヒューマンエラーを削減する。

ヤマハ発動機公式サイト「SMT(電子部品実装)・マウンター」

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部