ACシュニッツアーによって改造されたM2パトカーは、シルバー、ブルー、イエローのカラーリングに大胆に配された“Polizei(ポリツァイ=警察)”の文字、ルーフマウントされたサイレン、存在感を高める追加のLEDライトが際立っている。そのほか注目を集める特徴は、フロントスプリッター、カナード、サイドスカート、ルーフスポイラー、ガーニーフラップが付いた目立つリヤウィングを含むアグレッシブなカーボンファイバーボディキットだろう。
足まわりでは、フロントが20インチ、リヤが21インチのAC シュニッツァーのAC4鍛造ホイールセットを履いており、テックゴールド仕上げとなっている。スタンスを強化するために、AC シュニッツァーRSサスペンションは、完全に調整可能なリバウンドと圧縮率を提供しながら、車高を25〜35 mm(1〜1.4インチ)下げることが可能だ。
注目はそのパフォーマンスのアップグレードで、3.0L 直列6気筒エンジンは、最高出力560ps、最大トルク650Nmを発揮。これは標準EU仕様のM2より100psおよび100 Nm増加している。このチューニング・エンジンには、よりスポーティなバルブ制御の排気システムが組み合わされるほか、リヤバンパーには、より迫力のあるエンジン・サウンドを提供する、アグレッシブなカーボンファイバー製クワッドエキゾーストパイプがインストールされている。
インテリアのアップグレードでは、大型シフトパドル、ペダル、キーホルダー、BMWのiDriveコントローラーのアルミニウムアクセントと、ヘッドレストの “AC Schnitzer”の刺繍などがみられる。
ただし、車内には警察無線や特殊な法執行機器類は搭載されていない。実はこれはあくまでもデモ車両だからだ。すぐに実戦投入されて犯罪者を追いかけるというわけではないのは残念なところかもしれない。
ACシュニッツァーは「Tune it! Safe!」キャンペーンに定期的に参加し、8台の車両を製作しているが、TECHART(テックアート)やABT(アプト)スポーツラインといったドイツの著名チューナーもまた、同様に警察をテーマにしたプロジェクトに参加している。この全国キャンペーンは、ドイツ連邦デジタル交通省とドイツ警察が後援し、スポンサーからの資金で運営されているという。
この車両はドイツの厳しい道路認可規制に準拠した改造だと確認され次第、実際に導入される可能性もありそうだとのことだ。