マツダ CX-5が大幅値下げ!トヨタ カローラクロスとどっちがお得?【ハイコスパSUVスペック比較】

2024年12月にマツダはCX-5のグレード改定を行い、標準装備を充実させたうえ10万円ほど価格を抑えた「i セレクション」を追加した。これまで高いコストパフォーマンスでミドルクラスSUVを席巻してきたカローラクロスとスペックを比較して、どちらがお得なクルマか確かめてみよう。

TOYOTA COROLLA CROSS
×
MAZDA CX-5

室内空間はわずかにCX-5のほうが広い

ボディサイズは全長、ホイールベースともにCX-5の方が長く、後席の乗降性や居住性はわずかにCX-5が勝る。全高もCX-5のほうが高いが、これは最低地上高がカローラクロスよりも50mm高い210mmであることが大きく影響している。室内高自体はCX-5のほうが拳ひとつぶんほど高い程度の違いしかない。

荷室空間もCX-5の方がほんのわずかに広いが、どちらも車中泊できるだけの十分な広さを確保している。ただしカローラクロスは、後席を畳んだ際に荷室床面と後席背もたれとの間に大きな段差ができるため、これを解消するには約3万円を支払ってディーラーオプションの「ラゲージアクティブボックス」追加する必要がある。車内の広さや使い勝手などを含めた総合力では僅差でCX-5の勝ちと言えそうだ。

トヨタ カローラクロス Z
ボディサイズ=全長4490mm×全幅1825mm×全高1620mm
ホイールベース=2640mm
車両重量=1380kg
タイヤサイズ=225/50R18(前後)

マツダ CX-5 20S i セレクション
ボディサイズ=全長4575mm×全幅1845mm×全高1690mm
ホイールベース=2700mm
車両重量=1540kg
タイヤサイズ=225/65R17(前後)

燃費に優れるカローラクロスとシャシー性能で勝るCX-5

両車のガソリンモデルに搭載されるのはどちらも2.0Lの4気筒エンジンだ。スペックはカローラクロスのほうがわずかに高い数値を示しているが、エンジン単体での動力性能に大きな差は感じ取れないだろう。

カローラクロスは200kgほど軽い車重による軽快感とCVTならではの滑らかな加速感が美点だ。対するCX-5は6速ATならではの自然な加速感に加え、Gベクタリングコントロールによるシャシー制御が特徴となる。また、カローラクロスのガソリンモデルは2WDしか選べないのに対し、CX-5には4WDが設定され悪路走行をサポートする「オフロード・トラクション・アシスト」も備わる。

ただし燃費性能はカローラクロスが優れる。両車のWLTCモード燃費はカローラクロスの16.6km/L(Zグレード)に対し、CX-5は14.6km/L(20Sグレード)だ。強いて両車を特徴を差別化するなら燃費性能で優れるカローラクロス、シャシー性能で勝るCX-5といったかたちになる。

トヨタ カローラクロス Z
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン
排気量=1986cc
最高出力=170ps/6600rpm
最大トルク=202Nm/4900rpm
トランスミッション=CVT
駆動方式=FWD

マツダ CX-5 20S i セレクション
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン
排気量=1997cc
最高出力=156ps/6000rpm
最大トルク=199Nm/4000rpm
トランスミッション=6速AT
駆動方式=FWD

CX-5はグレード改定でカローラクロス並の高コスパに

CX-5に新しく設定された最廉価グレード「20S i セレクション」は、アダプティブクルーズコントロールはもちろん、360°ビューモニターやハンズフリー電動バックドアなどが標準で備わるなど、装備内容はカローラクロスの最上級グレード「Z」に匹敵する。それでいて価格はカローラクロスZグレードより約9万円安い。

今回のCX-5のグレード改定と値下げは、登場以来その高いコストパフォーマンスでクラスを席巻してきたカローラクロスへの対抗措置といえるだろう。しかし、カローラクロスのガソリンモデルのエントリーグレード「G“X”」は218万4000円からとなっており、装備を選ばなければ依然として圧倒的なコスパを誇ることは変わらない。

少なくともCX-5は「i セレクション」の追加により、カローラクロスのZグレードに対抗できるだけの競争力を手に入れた。また「iセレクション」は、CX-5のディーゼルモデルにも設定されるため、ハイブリッドモデルに対しても確実に差を縮めたと言える。

車両本体価格

キーワードで検索する

著者プロフィール

ピーコックブルー 近影

ピーコックブルー

クルマやバイクの分野では日本最大級の記事配信数を誇るコンテンツ・プロダクション。ビギナー向けのやわ…