BMW3シリーズの「ハンズ・オフ機能付き渋滞雲煙支援機能」は実際に使えるか?

年末年始の渋滞にも使える!自動運転レベル2はどこまで運転が楽になる? BMW3シリーズで検証してみた

年末年始は都市圏の高速道路を中心に大規模の渋滞が起きる。自動運転があれば楽なのにと考える人も少なくないだろう。最近の車にはアダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなどが備わっているものが多いが、実際にそれらを使うと高速道路の渋滞はどこまで楽になるのだろうか。
実際に自動運転レベル2を装備するBMW3シリーズで検証してみた。

自動運転のレベル2、レベル3って何で決まるの?

自動運転は、1、2、3とレベルで区別されている。最近ではホンダが世界で初めて自動運転レベル3を市販化したとして大きな話題を呼んだ。

レベル2、レベル3は何で決められているのか。そこでまずはその選定基準を紹介する。

国土交通省自動車局が2018年に発表した「自動運転車の安全技術ガイドライン」によると

レベル1(運転支援):システムが縦方向又は横方向のいずれかの車両運動制御のサブタスクを限定領域において実行。安全運転に係る監視、対応主体は運転者。

レベル2(部分運転自動化):システムが縦方向又は横方向両方の車両運動制御のサブタスクを限定領域において実行。安全運転に係る監視、対応主体は運転者。

レベル3(条件付運転自動化):システムが全ての動的運転タスクを限定領域において実行。作動継続が困難な場合は、システムの介入要求等に適切に応答。安全運転に係る監視、対応主体はシステム(作動継続が困難な場合は運転者)。

レベル4(高度運転自動化):システムが全ての動的運転タスク及び作動継続が困難な場合への応答を限定領域において実行。安全運転に係る監視、対応主体はシステム。

レベル5(完全運転自動化):システム全ての動的運転タスク及び作動継続が困難な場合への応答を無制限に(すなわち、限定領域内ではない)実行。安全運転に係る監視、対応主体はシステム。

大きく分ければ、レベル1、2「運転支援」、安全運転に係る監視、対応主体が運転者ではなくシステムになるレベル3からが「自動運転」と言えるだろう。そういう意味で、ホンダ・レジェンドが世界に先駆けてレベル3の実用化を成し遂げたことは、自動車史でも大きな一歩だ。

国土交通省が発表した資料。

実際にレベル2はどこまで使えるのか、BMW320dで検証してみる

現在販売されている車の多くは、レベル2に対応している。最近では先進安全装備が必須となっており軽自動車でもレーンキープアシスト(LKAS)やアダプティブクルーズコントロール(ACC)が装備されているモデルも少なくない。

実際にレベル2はどこまで使えるのか。現行BMW320dで試してみた。

BMW320d xDrive Mスポーツ 車両価格○657万円
フロントガラス上部についている高性能3眼カメラ。ZF製である。

現行3シリーズ(G20型)は、2019年初頭に日本でデビュー。高性能3眼カメラ、高性能プロセッサーおよびレーダーによって、より精度と正確性が向上した、最先端の運転支援システムを量産グレードに標準装備している。

また、2019年夏以降に販売されたモデルからは、ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能を搭載。「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」とは、高速道路(ナビによって認識)での渋滞時において、ドライバーの運転負荷を軽減し安全に寄与する運転支援システムのことだ。この機能では、絶えず前方に注意するとともに、周囲の道路交通や車両の状況に応じて直ちにハンドルを確実に操作することができる状態にある限りにおいて、ステアリングから手を離して走行が可能となる。

検証をしたのは、11月末、東名高速道路下り線の秦野中井IC―新御殿場IC間(約35km)だ。ちょうど東名リニューアル工事で車線規制が行なわれていたこともあり、渋滞が続き、特に鮎沢PAの前後約15kmは、速度10km/h以下でしか動かなかった。

そこで使ってみたのは、ハンズ・オフ・アシスト。

まずはACCとLKASをオンにする。その状態で速度が30km/h程度になるとメーターにハンズオフ許可が表示される。そしてステアリングにあるハンズオフスイッチを押すとハンズ・オフ・アシストが作動する。

ACC、 LKAS作動中に条件が揃うと「ASSIST PLUS READY」とメーター内に表示される。写真は、助手席の同行者に撮影してもらった。
ステアリングのハンズオフスイッチを押すとハンズ・オフ・アシストが

最初は半信半疑でステアリングから手を離せなかったが、慣れてしまえばかなり快適だ。もちろんレベル2は「安全運転に係る監視、対応主体は運転者」なのでしっかり前方を確認し、いつでも自分の運転に代われるように準備しなければならない。ただアクセル、ブレーキだけでなく、ステアリング操作までクルマに任せられるため、長い渋滞の際は疲労を大幅に軽減できる。

ハンズ・オフ・アシスト作動中は、ステアリングスイッチの上部が黄色く光る。条件が外れハンズ・オフがオフになると運転者が再びステアリングを握るまで赤く光る。

一度ハンズ・オフ・アシストがオンになると60km/hに達するまでほとんど作動していた(IC付近の合流など車線が一定でない状況下だとオフになる場合があった)。特にこれから年末年始にUターンラッシュが予想される。もしお持ちのクルマにそのようなハンズオフの機能があればぜひ活用していただきたい。

ACC+LKASでも充分 ただし全車速対応の方が渋滞時は楽!

またせっかくなので今回はあえて、途中でハンズ・オフ・アシストを切って、ACC+LKASだけでも試してみた。現行3シリーズのACCは、全車速追従機能付でストップ&ゴー機能付。車両が完全停止してしばらく経っても前の車が進みだせば、前車に追従して進み出す。

常にステアリングを握っていなければならないが、全車速追従機能がついているだけでも疲労は軽減される。ただし、渋滞ではやはり全車速対応、ストップ&ゴー機能付の方が良い。最近では軽自動車にも対応するモデルが増えてきている。

もちろん、自動運転レベル2は「安全運転に係る監視、対応主体は運転者」なのでクルマに完全に運転を任せることはできない。自動運転というより「運転支援」と捉えると良いだろう。あくまで運転者主体だとしても、渋滞時や長距離運転の際の疲労軽減につながり、より安全で快適なドライブが楽しめるだろう。

自動運転は日進月歩。これからの進化が楽しみだ。

キーワードで検索する

著者プロフィール

伏木幹太郎 近影

伏木幹太郎

福井県出身。自動車部品業を営んでいた祖父の影響で、幼い頃から自動車に囲まれて育つ。初めて憧れたクル…