「そもそもなぜダイバーシティが必要なのか? その本質は何か?」、また「ヤマハ発動機らしい多様性とはどのようなものか?」といった活発な議論が展開

「国際女性デーのシンボルであるミモザのブーケの配布もそのひとつ。昨年から社員食堂等でお配りしていますが、今年は2500束を用意しました。この行事をきっかけに国際女性デーの社内認知も高まっています」と語るのは、グローバル人事部DE&I推進グループの安藤桃子さん。
※DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)とは、多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包摂性(Inclusion)を意味する言葉。組織で働く多様な人材が活躍できる環境を実現することを目的としている
ミモザは男性社員にも手渡され、「いつもありがとう」の言葉とともに、職場の女性やパートナーへの贈り物としても活用されているそうだ。

今年の国際女性デーのテーマは”Accelerate Action”。行動を加速していく、というものだった。同社でも柔軟な働き方や両立支援のための制度の整備などを進めているが、さらに多様な人材の活躍を促し、それを事業の成長につなげていこうと、国際女性デーに合わせた特別企画として「DE&Iトークセッション」が開かれ、オンラインでの視聴を含めて多数の社員が参加した。
「昨年は、女性社員と経営トップの対話会を開いたのですが、より事業に近いところで多くの皆さんの当事者意識を高めたいと、今年は4つの事業本部のリーダーによるパネルディスカッションの形式としました」と安藤さん。
当日は各職場におけるDE&I推進の状況や課題が報告されたほか、「そもそもなぜダイバーシティが必要なのか? その本質は何か?」、また「ヤマハ発動機らしい多様性とはどのようなものか?」といった活発な議論が繰り広げられた。
この日、焦点のひとつとなったのが、女性管理職登用についての議論。講師として迎えた岡島悦子さん(ProNova代表)は、「女性側に思い込みのバイアスが存在するケースもあり、上司が機会提供しようと思った時に、『私なんてまだまだ』という感じの機会損失が生まれている」と指摘。そうした時に必要な「私ならできるかも」というエフィカシー(自己効力感)と呼ばれる感覚知は、OJTの中で育むことができるという示唆も示された。
パネラーのひとり、同社ソリューション事業本部長の江頭綾子さんも、「実力以上に期待されたり、ポジションや役割が先行してしまうことに不安がある」という女性社員の声に、「まずは打席に立って、思い切りバットを振ってみましょう」とアドバイス。「傷つきたくない、不安もあるって気持ちはわかります。でも、結果なんて本当は誰にもわからない。一歩踏み出した先に、自分自身も知らない可能性や大きな成長があるかもしれません」と、自らの経験を交えながら激励した。