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本格派ピックアップながらデイリーユースに不満なし

今や日本でもすっかり定着した〝SUV〞というカテゴリー。そのルーツは複数あるが、ひとつはピックアップトラックだ。アメリカ西海岸を中心に、若者の足として人気の高かったピックアップトラックの荷台にハードシェルを被せたものがクローズドボディのワゴンへと発展し、SUVと呼ばれるクルマになった。
エクステリア




三菱でもかつて、L200(日本名フォルテ)というピックアップトラックを販売していたが、その4WDシャシーに専用ボディを架装して誕生したのが初代パジェロ。2023年末にデビューした新型トライトンは、言わばその直系血族だ。「と言ってもトラックだし、装備は必要最小限なんでしょ?」という指摘は外れ。ステアリングヒーターや前2席のシートヒーター、リヤヒーターダクトなど快適装備はもとより、コネクティッド機能にも対応。運転支援システムは三菱最新のe-Assistが標準装備となるだけでなく、トレーラー牽引時のスネーキングを防ぐ〝トレーラースタビリティアシスト〞も付いている。
乗降性


「でもリヤサスがリーフ式だし、乗り心地は悪いんじゃない?」という心配も無用。1番リーフに高強度材を使い、枚数を5枚から3枚に減らすことで、板間に発生するフリクションを低減。前側ブッシュは前後入力に対して動きやすく、左右に動きにくくすることで、ショック吸収性と操縦安定性を両立している。加えてフレームは新設計。断面を拡大することで、上下の曲げ剛性を約60%、捩り剛性を約40%高めてり、サスペンションがしっかり仕事をするようになった。ダブルウイッシュボーン式のフロントサスは支持スパンを拡大して剛性をアップ。パワーステアリングにはラックパラレル式の電動パワーステアリングを採用しており、操安性や乗り心地は、モノコックボディ+四輪独立懸架のSUVにも遜色がない。
インストルメントパネル

エンジンは2.42ℓのディーゼルターボを搭載。2t越えのボディには排気量が小さく思えるが、小ターボと大ターボをリレーして使用するシーケンシャルツインターボを採用しており、発進から最高速まで淀みのない加速性能を発揮する。トランスミッションは6速ATだが、神髄はその下流にある〝スーパーセレクト4WDⅡ〞。
居住性


後輪駆動〜ルセンLSD式4WD〜センターデフロック〜そのローレンジ、と切り替えられ、後輪駆動による低燃費走行からオフロードコースの上級者セクションまで、あらゆる地形に対応できる。しかも電動リヤデフロッまで標準装備されており、悪路走破性としては「これ以上ない」ハードウェアを搭載している。その上、7種類のドライブモードが設定されており、エンジンの応答性やトランスミッションのプログラム、トラクションコントロール制御が路面に応じて最適になるよう選択が可能。悪路初心者でも本格的なオフロード走行を安心して楽しめる。
うれしい装備





フルモデルチェンジ発表 24年2月15日
月間販売台数 366台(24年6月~11月平均)
WLTCモード燃費 11.3km/ℓ

ラゲッジルーム


購入を検討するにあたって注意すべき点は、車庫証明が取れるかどうか。トライトンは全長が5.3mを越える一方、賃貸駐車場は長さ5mというところも多い。契約してから慌てないよう、5.4m以上の駐車場を確保しておこう。

