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GRカローラとGRヤリスのGR-DAT/GR-FOURを雪上で乗り比べチェックしてみた

フェイスリフトしたGRカローラの試乗だ。今回は初めてトルコンAT、GR-DAT(GAZOO Racing Direct Automatic Transmission)がGRカローラでは初めて備わっている。フェイスリフトをした時に前後のトルク配分も多少変更になっていて、グラベルモード(GRAVEL)は50:50。一般的にはノーマルモード(NORMAL)で前:後60:40、トラックモード(TRACK)だと可変で60:40~30:70に変更になり、よりリヤ寄りになるセッティングだ。この4駆システムGR-FOURが変更になったというのが1つのポイント。

それ以外にもボルトの締結やロワアーム、ステアリングラックの締結とかリヤダンパーの締結を変えたり。それがこの雪道でどんな走りなのかというのを試していこう。タイヤはダンロップのスタッドレスタイヤ、WINTER MAXX 03。

大人な走りを魅せるGRカローラで雪上を攻める

【GRカローラ DAT/グラベルモード】
トラクションコントロールはオフ、まずはグラベルの50:50から行ってみよう。ヤリスよりも200kgくらい重量が重い(GRカローラ=DAT:1500kg/6MT:1480kg/GRヤリス=DAT:1300kg/6MT:/1280kg)。全長もGRカローラが4410mでGRヤリスが3995m、CセグとBセグとの違いがあるが、一般的にGRカローラの方が落ち着いて走れる。以前乗った時はそんな感じだった。実際、袖ヶ浦フォレストレースウェイで乗った時は、重量差でのハンディキャップはあまりなかったような記憶がある。
操縦性的にはGRヤリスがちょっとヤンチャな暴れん坊に対して、このGRカローラの方が落ち着いた走りができる。クルマとしてはGRカローラの方が上質な乗り味。
左足ブレーキで走りやすい。やっぱりサイドターンができるっていうのは嬉しいね! ATでも十分楽しい♪ マニュアルより面倒臭くなくていいし。

【GRカローラ DAT/トラックモード】
今度はトラックモード。雪道だと簡単にオシリが流れるから、DATでもめっちゃ楽しい! 操縦性は前回、袖ヶ浦でダートとサーキットを試した時にGRカローラの方が理にかなった走りだった。やっぱりCセグメントなのでこっちのほうが上級。
トラックモードだとやっぱりスピンしちゃう。オーバーステアだな、フロントで引っ張りきれていない感じ。やっぱりトラックモードはサーキット向け、雪道ではやっぱりグラベルがいいね。

【GRカローラ DAT/ノーマルモード】
おっ! 意外とノーマルモード、走りやすい。GRカローラのDATは50:50のグラベルか、ノーマルの60:40がいい感じだ。

【GRカローラ 6MT/グラベルモード】
今度は6速マニュアル、同じようにトラコンをオフにしてグラベルモードから。6MTの50:50はダイレクトにタイヤにトルクがいくからATよりもオーバーステア。ATってそこでトルクを1回干渉されるからマイルドにタイヤにエンジントルクを伝える感じなので、6MTの方がダイレクトにいくから、6MTのほうがやりがいがあるな!

【GRカローラ 6MT/トラックモード】
トラックモードの方がオーバーステア…ちょっと喋ってらんねぇなぁ! マニュアルの方が走行モードの違いはあまりない。どのモードでも結構ピーキーだなって感じ。DATだと明確に4駆システムを切り替えると走りの違いも出てくるね。

【GRカローラ総評】
GRカローラのベストラップはDATのグラベルモードだと思う。6MTだとちょっとピーキーになる。エンジンのトルクが直接タイヤにガン!ってかかるから、3種の走行モードを変えてもその差は小さい。が、DATは確実にトラックモードとグラベルモードとの違いが出てくる。清水的にはグラベルモード推し。
一応トヨタ曰く、前後トルク配分50:50…本当にそうなっているかどうかっていうのは…?だけど、イニシャルセットで50:50と言われているものが、雪道では1番走りやすかったね。
GRカローラはサスペンションの前後バランスがいいから、以前、袖ヶ浦のダートで乗ったときと同じでこういう雪道でも結構リニアで運転しやすい。GRヤリスの方がメッチャ暴れん坊だと思う。
今日のコンディションはDATイチ推し!
ヤンチャなGRヤリスの6MTは楽しいけど忙しい!

【GRヤリス DAT/グラベルモード】
GRカローラとGRヤリスの違いはどんなところなのか試してみたいと思う。まずはDAT。パワートレーンはGRカローラと一緒、トラコンのスイッチの位置が違うくらいかな。トラコンはカット。まずはグラベル50:50からいってみる。
うわぁ~道がすごい凸凹! GRヤリスをトラコン切って…いや~ATは楽だよね、シフトを考えないでいいからドライビングに集中できる。このアイスバーンが走りにくいのかGRヤリスがジャジャ馬なのかわからないが、GRカローラの方が乗りやすいな。
【GRヤリス DAT/ノーマルモード】
おぉ~! これは60:40だから結構フロントで引っ張っているハズなのだが…。どうもトルク配分っていうのは理論値なので、走っている時は前後に過重移動もするので、理論で決めた通りのトルク配分には実際の走りではならない。

【GRヤリス 6MT/グラベルモード】
マニュアルのグラベル! やっぱりDATより運転は難しいな。ヤンチャなクルマにヤンチャなトランスミッションの組み合わせだと本当に大変だ。ABSのロジックをちょっと変えたとか言っていたが、もうちょっとそうだね…確かにあまり早効きする感じはない。

【GRヤリス総評】
同じコースでGRヤリスとGRカローラの違いも見たかったし、6MTとDATの違いも見たかのだが、ホイールベースや車重とかが違うので6MTとDATの違いはっきりしている。
GRヤリスはやっぱりジャジャ馬。路面の悪いところを走ると上下にぴょんぴょんぴょんぴょん跳ねる。これは狙った性能ではなくて、ハンドリングなどをラリーやサーキットでチューニングするとこうなっちゃうのかなっていう気はする。もうちょっとダンパーで抑えることができないのか?って思うけど。
速くて楽しくて楽チンなGRカローラDAT、400Nmターボはお買い得感もあり!
いや~とにかく難しい。GRヤリスのマニュアルでトラックモード、雪の中は超難しい!(←でも楽しそうでしたねwww)

GRカローラは598万円(DAT)なので、スバルのWRX S4(4,477,000~5,302,000円)を買うのならGRカローラ、いいかもしれない。スバル・クロストレックもトヨタTHSのストロングハイブリッドの4駆で価格が3,833,500~4,053,500円、シビック1.5L(FF/ガソリン)も3,448,500~4,398,900円(※2Lのe-HEVは3,998,500~4,307,600円/タイプRは4,997,300~5,998,300円)なので、頑張ればGRカローラが手に入る。4駆でしかも1.5L 400Nmのターボ、悪くないかな。
【SPECIFICATIONS】
車名:GR COROLLA RZ(GR-DAT/6速MT)
全長×全幅×全高:4410×1850×1480mm
ホイールベース:2640mm
トレッド(前/後):1590/1620mm
車両重量:1500/1480kg
最小回転半径:5.5m
乗車定員:5名
エンジン:G16E-GTS/直列3気筒DOHC+ターボ
内径×行程:87.5×89.7mm
総排気量:1618cc
最高出力:224kW(304ps)/6500rpm
最大トルク:400Nm(40.8kgm)/3250-4600rpm
燃料タンク容量:50L(無鉛プレミアム)
駆動方式:四輪駆動
サスペンション(前/後):ストラット/ダブルウイッシュボーン
ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(前/後共):235/40R18
燃料消費率(WLTCモード):10.4/12.4km/L
車両本体価格:5,980,000円/5,680,000円
【SPECIFICATIONS】
車名:GR YARIS RZ“High performance”(GR-DAT/6速MT)
全長×全幅×全高:3995×1805×1455mm
ホイールベース:2560mm
トレッド(前/後):1535/1565mm
車両重量:1300/1280kg
最小回転半径:5.3m
乗車定員:4名
エンジン:G16E-GTS/直列3気筒DOHC+ターボ
内径×行程:87.5×89.7mm
総排気量:1618cc
最高出力:224kW(304ps)/6500rpm
最大トルク:400Nm(40.8kgm)/3250-4600rpm
燃料タンク容量:50L(無鉛プレミアム)
駆動方式:四輪駆動
サスペンション(前/後):ストラット/ダブルウイッシュボーン
ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(前/後共):225/40ZR18
燃料消費率(WLTCモード):10.8/12.4km/L
車両本体価格:5,330,000円/4,980,000円