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恥ずかしながら「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の選考委員を拝命している私は、すでに「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の10ベスト車を選び、そのなかの5台に配点を行なっている。配点した5台は、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」にふさわしいクルマとして順位をつけた。しかし、『私の推しカー』とは選ぶ規準がまるで違う。『私の推しカー』は自分の好きなクルマを選ぶという規準を用いた。そこには価格も、社会的意義も、日本の自動車産業の行く末も、地球環境に対する配慮もない。純粋にクルマとして“いいなあ”と思う感情のみでのチョイスだ。
第1位:シボレー・コルベット
「よくぞここまでコルベットらしさを残してミッドシップ化したもんだ」
第1位はシボレー・コルベット。最初はものすごく否定的だった。何がって? そりゃあ、コルベットがミッドシップにという考え方にだ。コルベットはアメリカンスポーツカーの極みであるから、ミッドシップという方式ではなくその戦闘力をアップしてほしかった。しかし、乗ってみるとこれがぜんぜん違う。よくぞここまでコルベットらしさを残してミッドシップ化したものだ…と感心させられ、すっかり虜である。
6.2L V8をミッドシップするのだが、バルブ駆動方式はOHV。ほとんどのエンジンがDOHCという現代において、あえてOHVとしているところも好感度が高い。DOHCは高回転を得るための装置なので、エンジンを回さずに大トルクを得られる大排気量V8ならば、OHVで充分というわけだ。
ベーシックな2LTの価格は1250万円と絶対値としては高く庶民とは縁遠い存在だが、フェラーリのミッドシップV8の3分の1、V6を積むホンダNSXの半額で買えるとなると、GMの「どうだ見たか! 私達はここまでできるぞ」という力強さを見せつけられたのも痛快。なにしろGMは一度倒産している会社なのだから。
第2位:トヨタGR86/スバルBRZ
「2台の性格にかなり違いをつけているのもおもしろい」
第2位はGR86/スバルBRZ。初代はよくぞ作ってくれましただったが、2代目はよくぞ継続してくれましただ。
今の時代にベーシックブランドでFRのスポーツカーを作るというのは非常に難しいこと。昔は普通のクルマがFRだったので、パワフルなエンジンを積んでミッションを5速に、サスペンションを強化して…という手法が採れたが、ベーシックブランドにはベースとなるクルマがないのが現状。となると、シャシーをイチから作らないとならない。
その難しい部分を分業という手段で克服したのが先代。そして、2代目となる新型ではトヨタ86をGR86とネームチェンジ、GR86とスバルBRZの性格にかなりの差をつけるなど、よりオリジナリティを追求した部分もおもしろい。
第3位:BMW M4カブリオレ コンペティション
「カブリオレに510psの直6を搭載。こんな組み合わせは日本車じゃ無理」
第3位はBMW M4カブリオレ コンペティション。このクルマ、直列6気筒エンジンを搭載したカブリオレ。今の時代に直6を積んだFRのカブリオレって、それだけでヤバイ感じ。この6気筒エンジンのスペックはM4クーペと同一の510ps/650Nm。カブリオレでこんなエンジンを積んでしまうというところは、もうたまらない組み合わせといえる。日本車じゃあ、無理だろう。
2021年に買って良かったモノ:玄関ドア
今年買ったもので一番よかったのは玄関ドア。築50年の安普請の玄関ドアはボロボロだったのです。外装リフォームとともに、ドアも一新。スッキリしました。クルマはドアを交換して、雰囲気をガラッと変えるというパターンはないですねー。