ホンダK-CLIMB
曲がりくねった山道をいかに速く駆け上がれるか。ホンダアクセスがK-CLIMBをカスタマイズするうえで、まず重視したのがフットワークの改善だ。
専用チューニングを施した車高・減衰調整式ダンパーを装着したほか、ホイールは初代N-ONE モデューロX用の5.0J-15サイズのアルミをチョイス。インセットも変更することでワイドなスタンスを実現した。また、タイヤもヨコハマタイヤのアドバン・フレバに履き替えられている。
さらにボディは軽量化を実施。前後バンパーやボンネット、グリルは軽量高剛性なCFRP製に交換済みだ。また、室内はリヤシートが取り払われたうえで、6点式ロールバーも追加されている。
そんなヤル気なK-CLIMBのフロントマスクを見て、ある1台を思い出さないだろうか。横2本に開けられたグリルの形状と、左右非対称なHマークの配置、そして丸目ライト…。そう、1983年に発売されて一世を風靡したシティ・ターボIIだ。K-CLIMBは、ブルドックの愛称で親しまれ、ワンメイクレースも開催されるなど人気を博したシティ・ターボIIにもオマージュを捧げているのである。
カラーリングにも注目だ。ボディサイドは駆け上がる山道をいマージしたグラフィックが描かれており、それを境にフロント部はホワイト、リヤはイエローに塗り分けられている。ワインディング路をモチーフにしたというK-CLIMBのロゴもアクティブな雰囲気だ。
見ているだけで楽しくなってくるK-CLIMBだが、見せかけだけのショーモデルではない。実際にサーキットで走行テストも行うなど、本気で走りを高めようとしている。そのあたりが、遊びのツボを心得ているホンダアクセスらしいところ。令和の「羊の皮をかぶった狼」と呼ぶにふさわしい1台だ。