クルマのボディケアは何より下地がポイント。ワックスやコーティングの前の鉄粉除去の重要性とは?

お手軽系ばかりで、それはそれでいいけれど、ひと工夫すると仕上がりも持ちもいいぞ。カギは鉄粉【カーケア&メンテナンス】

以前に比べれば塗装の質は飛躍的に良くなってツヤは申し分なし。耐久性もかなり長くなっているが、それでもワックスやコーティングなど、なにかしらで塗装は保護してやる必要はある。塗装というのはいわゆる樹脂なので、紫外線や気温などの影響によって劣化していくのは避けられないからだ。あと、単純に愛車がピカピカしているのは気持ちいい!
PHOTO&REPORT:近藤暁史

現在、油脂を主成分としたワックスよりも、化学的に塗装面に吸着することで強固な被膜を作り上げるコーティングのほうが人気ではある。ワックス同様、コーティングも本格的にやるとなると、塗り込んで乾燥させたうえで拭き上げるという手間が必要だが、今や主流はお手軽系。洗車後の濡れたボディにスプレーしてそのまま拭き上げるだけなど、こうなるとセコセコと塗り込んだり、拭き上げたりする手間いらないので、元に戻れないという声が多いのも納得だ。しかも化学薬品だけに、持続性もワックスとは比べ物にならないぐらい長い。もちろんワックスは化学系にはない自然なツヤといった魅力はあるので、最終的には好みだ。

今回はそれらの性能をさらに引き出すコツというかポイントを紹介しよう。よく言われるのは下地が大切ということ。クルマに限らずベースは大切で、土台を固めてから家を建てたりするように、ワックスやコーティングも汚いところに塗っても汚れをそのまま封じ込めるだけ。定着が不安定になって、ツヤも持ちも今ひとつということになってしまいかねない。

重要な下地作りとして、皆さんがやっているのは洗車だろう。洗車してからワックスをかけるといったことは昔からされていて、もちろんこれは今でも重要なこと。ただし、それだけではないのだ。注目すべきは塗装に刺さった鉄粉だ。塗装に鉄粉が刺さっているなんてにわかに信じがたく、「ツルツルしているから鉄粉が刺さっているわけない」という声も多かったりする。その気持はわからないでもないが、どんなクルマも多かれ少なかれ刺さっている。確かめる方法として簡単なのは、タバコの箱を包んでいるセロファン越しに撫でてみるというもの。今どき、タバコ自体が周囲にないかもしれないが、お菓子のものでもセロファンであればなんでもいい。実際に撫でてみると、ザラザラしているのが丸わかりだ。

そもそもなんで鉄粉が刺さるのかという質問もよくあるが、鉄道の近くであれば車輪と線路がこすれて出てくるし、幹線道路や高速道路が近いと、クルマのブレーキからも出てくる。そのほか、排気ガスや工場など、けっこういろいろなところから鉄粉は出てきて、それが塗装に刺さるわけだ。問題は刺さった鉄粉を放置した場合で、まず鉄粉だけにサビて塗装にダメージを与えるし、一番下の鉄板まで達しているとボディのサビにまで繋がったりもする。また、その上にワックスやコーティングを塗ると仕上がりもよくならない。

どういった方法で鉄粉を“抜く”のがいいかというと、ふたつ方法があって、まずひとつは専用の粘土でボディ表面をこすっていくということ。水をかけながらでないと、くっついてしまうので洗車のすすぎのときに行うのが効率がいい。そしてもうひとつがケミカルで、スプレーして放置しておくと紫色に変色して、鉄粉を溶かし出すことで除去する。ただ鉄粉だけでなく、塗装へのダメージが大きいのでしっかりと水洗いしてやる必要があって少々コツがある。

安全性という点では粘土のほうがオススメで、使用時のポイントはまず「ゴルフボール大に取って丸めて、それを潰す」ということ。小さなせんべいみたいになったものを手の平の部分に置いてかけつつ、指先で同時に取れているかを確認しながらかけていくと効率的だ。この際は水をかけながらが基本で、鉄粉が取れると粘土の引っかかりがなくなるし、手で触ってもツルツルしてくる。また、マメに練り込んでやることも必要で、そのままだとまさにサンドペーパー状で、取れた鉄粉によって逆に塗装が傷ついてしまいかねない。

またすでに紹介した鉄粉の発生源はブレーキもあるということからわかるように、ホイールにもたくさんの鉄粉が刺さっていることが多いので、こちらもボディが終わったらかけてやるようにしよう。ちなみにホイールに粘土をかけると、頑固にこびりついたブレーキダストも取れるので一石二鳥である。

このうえでワックスなどを塗り込むと、ノリや伸びがまったく違うことに気がつくハズ。女性の化粧も肌のコンディションでノリが違うが、まさにクルマでも同じこと。鉄粉は常に刺さるとはいえ、いつも大量に刺さりまくるわけではないので、駐車や走行する場所によるが鉄粉取りは半年毎程度でかまわない。ボディケアにちょっとひと手間、ひと工夫で、仕上がりがグンとよくなるので、ぜひ試してみてほしい。

同じ作業をホイールで行えば、ブレーキダストを取り除くことができる。

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