憧れの英国車だったがブローしてサブロクへ
そもそもがイギリス車好きで、過去にあった雑誌の表紙絵が好きだったことからトライアンフに憧れたオーナー。一念発起してイギリスから輸入されたばかりのTR-3を購入するが、ある年のニューイヤーミーティングからの帰り、高速道路上でエンジンがブローしてしまう。確かに朝から音が出ていたが、まさかの事態。
実はオーナー、自分でバイクをバラして組み直すことを楽しんできたので、TR-3も自分でエンジンとミッションを降ろしてオーバーホールしようと考えた。部品が豊富なイギリス車だから困ることはないが、単価を調べていくと結構な金額になってしまう。部品がいつでも買えるなら、急いでオーバーホールすることもない。エンジンを直す予算の範囲で別の旧車、スバル360を買おうと考えてしまった。
今から8年ほど前だが、当時すでに値上がり気味だった。そこで目をつけたのが後継車のR-2とレックス。狙いを絞るとインターネットオークションでこのレックスを見つけた!
スバル360がホンダN360に押され、フロンテも強力なライバルとなるなか、起死回生を図りR-2を1969年に発売。だが毎年スタイルが変わるほど迷走し、71年には水冷エンジンを新採用。ところが売れずスタイルを大幅に変更した水冷モデルのレックスを72年に新発売。だが73年に排ガス規制に合わせて4ストエンジンを設定、76年に軽規格変更で500ccのレックス5へ移行。80年まで生産された息の長いモデルだ。
SUSPENSION
タイヤはフロントと同じだがワイド加工したホイールに履くため若干引っ張り気味になっているのだ。純正の合わせホイールだが低く見せたくてトゥクトゥク用と思しきバイクみたいなサイズのタイヤを履く。
加工ホイール! リヤだけ合わせの表側を加工したワイドホイール仕様。取材前日に塗装!
ENGINE
エンジンは組み直し! ブローしたエンジンは自分で組み直したが排気量含めノーマルのまま。いろいろゴチャゴチャしている。 φ36mm! ソレックスは36仕様でインナーベンチュリーが32だからR-2純正?
旧車を通勤に使うため大量のパーツを常時積む
無事にネットでレックスを落札すると、無謀にも通勤に使い始める。単身赴任先の住宅から職場までは近いため、サブロクでも可能だろうと考えたのだ。ところがある時、やはりエンジンブロー。それからは部品を集めるのとともにミッション以外は自分で分解整備してきたという強者だ。
カスタムは入手後すぐにローダウンしたこと。トーションバーなのでフロントは調整だけ、リヤは抜き差しするだけでカンタン。ホイールはリヤだけワイド加工されたものを見つけて装着。タイヤのハミ出しは最小限で、今なら車検にも問題なく合格する。
単キャブのグレードだったが、どうしてもエンジンにソレックスを付けたい。そこで36口径を見つけて入手するもインマニがない。だったら作るかと、アルミの塊を買って実に3カ月かけて自分で削って作り出した!
ソレックスにしたので電磁ポンプをつけたり、点火を強化するためMSDにしたり、コツコツ楽しんできた。通勤にも使うから、大量のスペアパーツを常時携行するが、さすがに最近は通勤用に新車を買ったとか。
室内
このスバル・レックスの記事は、令和に残るクルマ改造雑誌『G-ワークス』2022年8月号に掲載されたものです。