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市場の人気と比例して、上位10車種をトヨタ・レクサスが独占
警視庁が発表した犯罪統計資料によると、2021年の自動車盗難認知件数は5,182件となっている。実はピークだった2003年の64,223件と比較すると実に90%以上も減少している。だからといって自動車盗難の被害がなくなったわけではなく、高級車を狙った盗難事件が多発しています。
日本損害保険協会が調査した「自動車盗難事故実態調査」では、自動車の車両本体盗難事故及び車上ねらい(部品盗難含む)の被害を車種別ランキングを発表しています。これは、2019年から2021年までの3年間、損保21社が自動車本体の盗難や車上狙い(部品盗難含む)で保険金を支払った事案を調査したもので、車両本体盗難9189件、車上狙い4041件を対象としています。
2021年に盗難された車両、上位10車種は次の通りです。
1位:ランドクルーザー: 13.6%(331台) 2位:プリウス: 11%(266台) 3位:レクサス LX: 6.4%(156台) 4位:アルファード: 5.7%(138台) 5位:クラウン: 3.3%(81台) 6位:ハイエース: 3.2%(78台) 8位:ヴェルファイア: 1.7%(41台) 9位:レクサス LS/ハリアー: 1.5%(36台)
2019年〜2021年の車種別ランキングは下記の表をご覧ください。
ランドクルーザーとプリウスは、ここ数年、必ず上位に登場し、この2車種だけで盗難される車両の2割以上を、上位10車種で全体の半数以上を占めている状態となっていて、特定の車種が狙われやすい傾向にあることが分かった。そして、上位10車種をトヨタ車とレクサス車が占めているのも特徴で、市場での人気と比例するように盗難件数も多くなっているようです。
なぜトヨタ車が狙われるのか?
それは「需要があるから」です。窃盗団は買い手が欲しがる車両を狙います。ランドクルーザーやレクサスLXといった高級SUV、ハイエースやアルファードなどのワンボックス車は、日本でも人気ですが海外でも人気の車種です。特に新型ランドクルーザーとレクサスLXは、新車を発注しても納車まで4年待ちという状況が続いているため、中古車も新車価格を遥かに上回るプレミア相場となっているため狙われやすい状況です。
また、高値で売れる部品が装着されている車両も狙われます。ハイブリッドカーにはバッテリーやモーターなど高価な部品が多いため、車両ごと転売しない場合でも、解体して海外に売られるパターンも多くなっています。
自動車盗難の被害に遭わないために
警視庁が発表した犯罪統計資料によると、2021年の自動車盗難事件の検挙数は2556件、事件発生数の5182件に対して検挙率は49.3%となっている。つまり愛車が盗まれたら半分の確率で戻ってこないということになる。それで盗難の被害に遭わないためにはどうしたらよいのだろうか?
意外かもしれないが、まずはしっかり施錠すること。盗難された車両のうち、5台に1台は鍵が付けっぱなしの状態で盗まれている。そのうえで、イモビライザーやGPSの設置、ハンドルやホイールへのロック設置など「手間が掛かって盗みにくそうなクルマ」と犯人に思わせることが重要になります。