絶妙なサイズ! 全長4500mm±50mmのコンパクトセダン メルセデスAクラス、BMW2シリーズグランクーペ、カローラ、アウディA3、シビック

上からBMW2シリーズグランクーペ、トヨタ・カローラ、メルセデス・ベンツAクラスセダン
SUV人気に押されてセダンは若干元気がない。と思ったら、全長4500mm±50mmというサイズになかなか魅力的なコンパクトセダンが揃ってきた。メルセデス・ベンツAクラスセダン、BMW2シリーズグランクーペ、アウディA3セダンのドイツ勢に対するのは、トヨタ・カローラとホンダ・シビックだ(シビックはハッチバックだけれど)。

全長4500mm±50mmが使いやすい

「本当はかっこいいセダンがほしい。けれども欲しいモデルはボディサイズが大きすぎる」と思っている人、きっといるだろう(筆者もそのひとり)。
BMW3シリーズは全長4715mm、メルセデス・ベンツCクラスは4690mm、MAZDA6は4865mm、トヨタ・クラウンは4900mmだ。これでは大きすぎる、もうちょっとコンパクトなサイズがいいのだ。

1998-2005のBMW3シリーズ(E46型)の全長は4470mmだった!

1998年デビューの4代目3シリーズであるE46型 カッコいいし、ボディサイズも手頃でいい。

1998年から2005年まで販売されたBMWの4代目3シリーズであるE46型のボディサイズは
全長×全幅×全高:4470mm×1740mm×1415mm
ホイールベース:2725mm
だった。
2000年デビューの2代目メルセデス・べンツCクラス(W203)のボディサイズは
全長×全幅×全高:4535mm×1730mm×1425mm
ホイールベース:2715mm
だった。

コンパクトセダンの代表格だった3シリーズ、Cクラスはフルモデルチェンジのたびにボディサイズが拡大され、もはやとても「コンパクト」とはいえなくなった。この間、道路幅が格段に広がったとも、平均身長が大きく伸びたとも聞かない。つまり、クルマは大きく立派になったが、その代償として扱いにくくなったのである。

もっとも扱いやすくそれでいてスタイリッシュなデザインを施せるサイズは、おそらく「全長4500mm ±50mm」というところだろう。ジャーマン・プレミアム3は、ここに魅力的な4ドアセダンを投入している。Aクラスセダン、A3セダン、そして2シリーズグランクーペである。
かつてのボディサイズが
Cクラス→Aクラスセダン
3シリーズ→2シリーズグランクーペ
A4→A3セダン

となったわけだ。

まずは、この3台を比べてみよう。

まずはAクラスと2シリーズグランクーペを比べてみる

上がメルセデス・ベンツAクラスセダン、下がBMW2シリーズグランクーペ

メルセデス・ベンツAクラスセダン 全長×全幅×全高:4550mm×1800mm×1430mm  ホイールベース:2730mm

メルセデス・ベンツAクラスセダン 全長×全幅×全高:4550×1800×1430mm  ホイールベース:2730mm 最小回転半径:5.0m

メルセデス・ベンツのもっとも小さな4ドアセダンが、Aクラスセダン。もちろん、エンジン横置きのFFベースのセダンである。なぜAクラスセダンがトップバッターかというと、全長が4550mmということで「4500mm±50mm」の上限だからである。

ちなみに、国産勢では
MAZDA3セダン:全長×全幅×全高:4660mm×1795mm×1445mm  ホイールベース:2725mm
スバル・インプレッサ(セダン):全長×全幅×全高:4640mm×1775mm×1455mm ホイールベース:2670mm
とだいぶ大きくなってしまうのだ。

Aクラスセダンの日本でのエントリーグレードは、
メルセデス・ベンツAクラスセダンA180セダン(419万円)
全長×全幅×全高:4550mm×1800mm×1430mm 
ホイールベース:2730mm
1.3ℓ直4ターボ+7速DCT
燃料:プレミアム
最小回転半径:5.0m
WLTCモード燃費:15.4km/ℓ
である。

BMW2シリーズグランクーペ 全長×全幅×全高:4540mm×1800mm×1430mm  ホイールベース:2670mm

BMW2シリーズグランクーペ 全長×全幅×全高:4540×1800×1430mm  ホイールベース:2670mm 最小回転半径:5.4m

BMW2シリーズグランクーペはFF化された1シリーズのセダン版というポジションだ。

スペックは
BMW 218iグランクーペMスポーツ(478万円)
全長×全幅×全高:4540mm×1800mm×1430mm 
ホイールベース:2670mm
1.5ℓ直3ターボ+7速DCT
燃料:プレミアム
最小回転半径:5.4m
WLTCモード燃費:13.8km/ℓ
である。

ちなみに、1シリーズ(118i)は
全長×全幅×全高:4335×1800×1465mm
ホイールベース:2670mm
である。つまり全長は2シリーズグランクーペの方が205mm長い。

トヨタ・カローラも「絶妙サイズ」

前出の2台(Aクラスセダン、2シリーズグランクーペ)の下にトヨタ・カローラを並べてみた

トヨタ・カローラ 全長×全幅×全高:4495mm×1745mm×1435mm ホイールベース:2640mm

トヨタ・カローラ 全長×全幅×全高:4495×1745×1435mm ホイールベース:2640mm 最小回転半径:5.3m

全長4495mmの現行トヨタ・カローラは、グローバルモデルよりホイールベースを60mm短縮したほか、ドアミラーの取り付け位置やドア断面、ドアドリムの厚みなど日本の使用環境に合わせた専用設計を実施。グローバルモデルと同等の室内空間を確保しつつ、従来型と同等の最小回転半径(5.0m<16,17インチタイヤ装着車は5.3m>)と乗降性の良さを実現した。

トヨタ・カローラ ハイブリッドW×B(275万円)
全長×全幅×全高:4495mm×1745mm×1435mm 
ホイールベース:2640mm
最小回転半径:5.3m
1.8ℓ直4+THS II
燃料:レギュラー
WLTCモード燃費:25.6km/ℓ

全長4500mm±50mmにはあと2モデルある。アウディA3セダンともう1台

アウディA3セダンは4465mm

一番下にアウディA3セダンを並べてみた。基点はリヤアクスルセンターにしてある。

アウディA3セダン 全長×全幅×全高:4495mm×1815mm×1425mm ホイールベース:2635mm

アウディA3セダン 全長×全幅×全高:4495mm×1815mm×1425mm ホイールベース:2635mm 最小回転半径5.1m

A4セダンが大きくなってしまった(全長4770mm×全幅1845mm)いま、A3セダンのコンパクトさは魅力だ。A3ハッチバックにトランクを加えただけでない端正なスタイルもいい。

日本でのエントリーグレードのスペックは次の通りだ。

アウディA3セダン 30TFSI(347万円)
全長×全幅×全高:4495mm×1815mm×1425mm 
ホイールベース:2635mm
最小回転半径5.1m
1.0ℓ直3ターボ+7速DCT
WLTCモード:17.9km/ℓ
燃料:プレミアム


ホンダ・シビック 全長×全幅×全高:4550mm×1800mm×1415mm ホイールベース:2735mm

ホンダ・シビック 全長×全幅×全高:4550mm×1800mm×1415mm ホイールベース:2735mm 最小回転半径5.7m

国産勢ではもう1台、魅力的なコンパクトセダンがある。正確にいえば5ドアハッチなのだが、ホンダ・シビックである。全長は4550mmだから今回のテーマの上限だ。先代のセダンが全長4650mmと長かったことを思えば、現行シビックの4550mmはまさにジャストサイズ。e:HEVモデルも登場したから、その魅力はさらに増すはずだ。

ホンダ・シビックEX(353万9800円)
全長×全幅×全高:4550mm×1800mm×1415mm 
ホイールベース:2735mm
最小回転半径5.7m
1.5ℓ直4ターボ+CT/6MT
WLTCモード:16.3km/ℓ
燃料:プレミアム

こうして見ると全長4500mmあれば、かなり伸びやかなスタイルの4ドアセダンが出来上がることがわかる。かつてのE46型BWM3シリーズのように、FR(後輪駆動)のセダンはこのサイズでは望みようもないけれど(今回紹介したコンパクトセダンはすべてエンジン横置きのFF)、どのモデルも楽しい走りを実現している。SUV人気が高いが、セダンだって、いいクルマはたくさんあるのだ。


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著者プロフィール

鈴木慎一 近影

鈴木慎一

Motor-Fan.jp 統括編集長神奈川県横須賀市出身 早稲田大学法学部卒業後、出版社に入社。…