ホンダ・ヴェゼルe:HEV長期レポート | 法定12ヵ月点検 1年乗ってわかったこと

新型ヴェゼルe:HEVの1年通信簿 パッドやタイヤの減り、燃費は?

納車後1年を迎えた筆者のHonda VEZEL e:HEV Z FF
ちょっと報告が遅くなったが、先の6月初旬で筆者の新型ヴェゼルe:HEV Z(FF)は早いもので納車1年を迎えた。というわけで、法定12ヵ月点検を受けることとなった。点検費用は定期点検パックに点検費用は含まれていて、すでに車両購入時に支払っているので、点検当日は特別に何かを交換しなければ、無料のはず。気が楽だ。
TEXT & PHOTO:山上博也(YAMAGAMI Hiroya)

月間平均1000km走行 トータルの燃費は?

点検に向かう直前のオドメーターは11863km

点検時の総走行距離は11,866km。平均にすると約1,000km/月で、そこそこ走ってる感じ。スマホアプリ「Honda Total Care」による5月末までの生涯燃費は19.2km/Lとなっていた。

この一年間、ノートラブルだったと言いたいところだが、先のコラムに書いたとおり、ホンダセンシングのフロントワイドビューカメラ不良によるエラーが出てカメラの交換をしている。それが3月末の話だ。カメラ交換をした同じタイミングでホンダより重要なお知らせの封筒が届いていた。内容はフロントワイドビューカメラのプログラム誤作動によりホンダセンシングの動作不良の怖れがあるとのことで「対策プログラムに書き換え」する無償修理のサービスキャンペーン(リコールではない)のお知らせだった。

納車後1年間の生涯燃費は19.2km/L

筆者ヴェゼルのカメラ故障とタイミングがばっちり合っていたので、カメラの交換でもうOKなのかと思っていたのだが、そうではなかった。その後、同じお知らせの封書が2通届いた。お知らせは計3回にもなる。リコールではないが、重要な不具合とホンダでは考えているのだろう。

12ヵ月点検の入庫予約を入れた際、サービスキャンペーンのお知らせの件を確認した。

筆者「この間のカメラ交換で問題は解決したのでは?」
営業担当「どうもそれとはまた別の話のようで、点検時にプログラムを更新させていただきます」
とのこと。

どうやら前回の不具合は単純にカメラの問題だったようだ。
そういえば筆者の先代ヴェゼルでもサービスキャンペーンで7速DCTのプログラム書き換えを行なっていたことを思い出した。こちらは走行不能になる場合もあるとのことでより深刻だった。

カメラシステムのプログラム書換のお知らせは3回届いた

12ヵ月点検 タイヤやブレーキパッドの減りは?

12ヵ月点検では、エンジンオイルの交換とオイルフィルターの交換が含まれている。またブレーキパッドなど点検もあり、クルマをジャッキアップしタイヤを脱着する作業となることから、特別にお願いしてピットに入る許可を得てヴェゼルの下回りを撮影させてもらった。

整備担当さんの仕事の邪魔にならぬよう前後サクッと手短に確認、撮影を行なう。まあ筆者が見たところで、いつも仕事で一緒になるモーターファン・イラストレーテッドの編集者やライター陣のように細かいところまで気が付くわけもないのだが、それでもフェンダー内タイヤハウスにはしっかりした遮音材を施しているのがよくわかった。遮音材は、所有していた先代ヴェゼルのそれより入念に施してあるようで、特にリヤで顕著に見てとれた。e:HEVとなった新型は先代ヴェゼル・ハイブリッドよりモーター駆動で走ることが多くなっているので、遮音にはことさら気を使ったことが窺われる。

点検時に撮影した筆者ヴェゼルの下回り
前後サスペンションとタイヤハウス内の遮音材の様子


ブレーキパッドの残量を目視してみると減っている感じはほとんどなかった。ハードな走りをしていないこともあり、基本的に回生ブレーキでこと足りているのだろう。点検後にいただいた明細には、フロント残量9.5mm、リヤ残量10.5mmとなっていた。この様子だと5年の残クレが終わる頃でもパッド交換の必要はなさそうだ。


45分間ほどかかると書いてあったカメラシステムのプログラム書き換えも並行して進めていたようで12ヵ月点検はそれほど待ち時間もなく1時間半ほどで無事完了した。待ち時間に営業担当と雑談。新型ヴェゼルの納車状況を尋ねると相変わらずハイブリッドは1年待ちとのこと。

スマホアプリ「Honda Total Care」での5月末での同一車種燃費ランキングは「34650人中」となっていた。同一車種のくくりがグレード別なのかどうか良くわからないが、これが例えばハイブリッドZだとすると、発売1年以上たっても34650台、月平均2900台以下しか納車されていないことになる。手元に残っている「Honda Total Care」同一車種燃費ランキングの一番古いものが2021年7月末で「9391人中」となっていた。引き算すると今年の5月末まで25,259人(台)増えたことになる。月平均2500台ほどと一番のボリュームゾーンのZグレードと考えると納車の遅れが明らかだ。ちなみに2021年4月~2022年3月までのヴェゼルの総販売台数は59,674台となっている。新型ヴェゼルを見かけることも多くなってきたが、まだまだ希少な感じがする。納車を待っている方には申し訳ないが、早く注文したおかげでもう1年間も先に楽しむことができた。

減った様子が見られないフロントブレーキパッド
リヤ部分の下回りの様子


点検終了後、自宅に戻り整備記録の明細を確認した。タイヤの減り具合が気になっていたのだが、残り溝の深さはフロント5.1mm、リヤ5.8mm(点検で前後ローテーション)と記載されていた。新型ヴェゼルe:HEV Zのミシュラン・プライマシー4の新品時の溝の深さは8mmほどなのでフロントで6.5分山、リヤで7分山といったところ。現状の走行距離の伸び方を考えると最初の車検までもたず交換が必要になるだろう。延命処置という訳ではないが、冬はスタッドレス、もしくはオールシーズンに履き替えることも必要かなと考えている。

今回の12ヵ月点検の整備内容項目明細書
整備項目を写真で可視化したもの

先代ヴェゼルに乗っていた時はグッドイヤーVECTOR4SEASONSというオールシーズンタイヤを履いていた。3シーズン履いていたが、一度も雪の上を走ることはなかった。新型に乗り換えたこの冬は都内でも雪が積もりクルマを出せなかったこともある。やはり冬タイヤの備えは必要だろう。18インチだと価格も高いから、X・Gグレードの16インチにインチダウンで良いかなとも考えている。冬に向けヤフオクなどで新型ヴェゼルの16インチホイールの中古の出物がないか物色しなければと思う筆者だった。

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著者プロフィール

山上博也 近影

山上博也

フォトグラファー。札幌市出身。株式会社ヴュー代表でWEB・DTPデザイナーだったりもする。
幼少より好き…