先進運転支援システムのエラーはスペーシアベースでも起きうる? 初心者必見「車中泊で気を付けるべきこと3選」

スズキからパーソナルユースの趣味クルマとしての可能性を感じさせるニューモデル「スペーシアベース」が誕生した。マルチに使えるラゲッジを見ていると、アウトドアや車中泊といったレジャーシーンが思い浮かぶ。同じスズキの軽バン「エブリイ」で車中泊を楽しんでいる筆者は、スズキだからこそ気をつけたいポイントがあるという。
REPORT:山本晋也(YAMAMOTO Shinya)

車中泊では起床から出発まで1時間は見ておきたい件

スズキのニューカマー「スペーシアベース」が大いに注目を集めている。軽バン(商用車)を遊びの道具として使おうというトレンドは、密を避けたいコロナ禍の影響もあってか、ここ数年盛り上がっているが、そうしたパーソナルユース・ホビーユースに特化した軽バンとしてのバリューを追及したコンセプトへの期待が高まっているという部分もあるだろう。

さて、密を避けた軽バンの楽しみ方といえば、車中泊があげられる。心のままにドライブして、気ままに休むことができるというのも、その魅力だ。ただし、スペーシアベースで車中泊旅行に出かけるのであれば気をつけて欲しいのは、起床から出発まで1時間は見ておきたいということだ。

スペーシアベースと同じく、スズキのデュアルカメラブレーキサポートを搭載するエブリイバンで車中泊を楽しんでいる筆者の実体験が、その根拠だ。

スペーシアベースは前席を倒し、荷室のフラットボードを下段に設定すれば、車中泊に適したフラットな空間を作り出せる。あとはマットなどを敷けば車中泊で快適に仮眠することができる。

車中泊注意点 その1:結露で自動ブレーキが作動しなくなる場合もある

車中泊をするときには、窓を全開にしておくのはセキュリティの問題もあるので、どうしても全閉もしくは、少し開けている程度で就寝することになる。そうなると季節にかかわらず、窓の内側が結露することになるだろう。結露している場合であっても、乾いたタオルやウェスで拭きとればいい、と思うかもしれないが、そうは問屋が卸さない。

スズキの先進運転支援システムの核となっているステレオカメラの前方部分は拭き取ることが難しく、そこが結露した状態ではシステムエラーが出てしまうのだ。つまり、衝突被害軽減ブレーキなどが機能しない状態になってしまう。

普段は意識することが少ないが、車中泊ではステレオカメラ周辺が結露して衝突被害軽減ブレーキなどが作動しなくなる場合もあるので注意したい。

もちろん、先進運転支援システムが機能しなくても走行することはできるが、寝起きというのはドライバーのコンディションとしてもリスクが大きい状態といえるので、先進運転支援システムが作動しない状態で走り出すのはおすすめできない。

スペーシアベースで車中泊は試していないので、どの程度の結露をするかは不明ではあるが、一般論としてウインドウ内側が結露していたならば、先進運転支援システムが作動する程度までは結露が乾くまでは出発しないという判断が吉といえる。その目安として1時間は見ておきたいというわけだ。

車中泊注意点 その2:フラットで静かな場所を見つけるべし

さて、ここからは車中泊の一般論となるが、快適に休むために重要なのは、路面のフラットさと周囲の騒音だ。

筆者個人の好みかもしれないが、駐車場所の路面が斜めになっていると、横になった際に落ちつかず、思っている以上にリラックスすることが難しい。完全に平らな駐車スペースを見つけるのは難しいが、できるだけ斜めになっていない場所を見つけて、そこにクルマを駐車するようにしたい。

高速道路のSAや道の駅など、広くてフラットな駐車場は車中泊に向いている。

また周囲の騒音というのも、車中泊の満足度を大きく左右する要素。慣れた車中泊ユーザーはエンジンを止めて休息することを当たり前としているが、中にはアイドリングしたまま眠ってしまうようなドライバーもいる。また、冷凍トラックなどは、その構造からエンジンを止めることが難しく、アイドリング騒音が響き続ける。

そうしたクルマが少ないような場所を選ぶ、もしエンジンをかけたクルマがいれば、できるだけ離れるのは快適に休むためのポイントとなる。

なお、エンジンをかけた状態というのは一酸化炭素中毒のリスクがある。少なくとも、自分自身はアイドリングストップすることを絶対に守ってほしい。

車中泊注意点 その3:あくまで仮眠というスタンス。禁止事項は守る

車中泊という言葉には「泊」が含まれているが、あくまでも「疲労を回復するための休憩」というのが車中泊の基本的なスタンスといえる。

キャンプとは異なるため、煙が出るような調理をすることはNGであるし、ワイワイと騒ぐことも周囲に迷惑となる。

テーブルを出したりすることもマナー違反であるし、場所によっては明確に禁じられている。また、長時間の駐車を禁止しているところでは車中泊をすることがないようにしたい。

とても魅力的な装備なのだが、ここまでいくと車中泊ではなくキャンブになってしまう。

事実としては車内をフラットにして、布団やシュラフを敷いて横になっているので朝まで寝てしまうわけだが、あくまでも仮眠であって、宿泊しているわけではないことは肝に銘じておこう。

車中泊で宿泊費を浮かせたぶん、地元の観光名所などを回って、それなりに散財するということも意識したいところだ。

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山本 晋也 近影

山本 晋也

1969年生まれ。2010年代から自動車コラムニストとして執筆活動をしています。過去と未来をつなぐ視点から…