新型エクストレイルの使い勝手チェック!ラゲッジの積載性は?2列と3列仕様で違いは?防水機能はなくなった?

歴代の日産エクストレイルといえば、撥水加工が施されたシートやラゲッジを備え、スノーボードやスキーなどのウインタースポーツ、サーフィンなどのマリンスポーツを楽しむ層に訴求してきた。新型はこうした特徴に、上質感も価値に加えることで、SUVの定番化による価格帯の向上(高級化)にも対応している。また、2段式ラゲッジフロアといえる「ウォッシャブルダブルラゲッジ」の採用を見送るなど、新型の積載性は、歴代モデルから少し変化している。ここでは、積載性を中心とした使い勝手をお届けしよう。
TEXT:塚田勝弘 PHOTO:平野 陽

普通のフロア構造になったラゲッジでも安心!オプションで防水タイプのフルカバーやトレーを用意

日産エクストレイルの先代モデルは、ラゲッジフロアが2重構造になっているような「ウォッシャブルダブルラゲッジ」を採用していた。ラゲッジフロアが引き出し式のトレーになっていて、上(荷室フロア上)に濡れたり、汚れたりした荷物を積めるのはもちろん、トレー内にある仕切りは脱着可能で、アイテムに合わせてすっきり整理できた。ラゲッジボードの取り外しもできるなど、フレキシブルに使える荷室がエクストレイルの特徴だった。

先代モデルは防水ラゲッジボードを活用した「ウォッシャブルダブルラゲッジ」を採用していた。
先代はラゲッジボードを立てて使用できるなど、フレキシブルな使い方がウリだった。
新型エクストレイルのラゲッジルームは防水ではなく通常タイプとなった。荷室容量は575ℓ(2列仕様、ラゲッジアンダースペースを含む)と広く、収納力で困ることはなさそうだ。

新型エクストレイルの開発時には「ウォッシャブルダブルラゲッジ」の採用も検討されていたそうだが、結果的にはシンプルな荷室構造になった。従来のやや複雑なラゲッジ構造は、機能を使いこなせる人には歓迎されていたが、一方で、シンプルに荷物を積むだけなら無用の長物になりかねない。オートキャンプを楽しむ層などであってもその大半は、泥まみれの荷物を積むことはそう頻繁にはないだろう。
とはいえ、オプションで、防水タイプのラゲッジフルカバー、ワイドなラゲッジトレー、ラゲッジネットを用意するなど、汚れたり濡れたりした荷物も躊躇なく積みたいというニーズにも応えている。なお、シートの撥水機能もオプション化するなど、泥遊びも似合う歴代モデルのイメージから、先述したように、大人の上質感という新しい価値を加えている。
また、従来どおり、防水シートが欲しい人には「セルクロス」の名でオプション設定しつつ、上質なナッパレザーや合皮の「テーラーフィット」を推している。

オプションで防水仕様の「ラゲッジトレイ」を用意する。濡れた物をそのまま置けるし、取り外して汚れを洗い流すこともできる。

新型エクストレイルのラゲッジは、広大な開口部を備え、ゴルフバッグが横積みできる荷室幅と575ℓ(2列仕様で、ラゲッジアンダースペースを含む)という広大な荷室容量を備えている。加えて、ラゲッジアンダースペースも用意している。

開口部はゴルフバッグを横積みできる広さ。9.5インチのゴルフバッグを4個収納できる。
ラゲッジアンダースペースにはパンク修理キットなどが入っている。それほど広くないが小物などは収納できる。

さらに、1500WのAC100V電源コンセントを荷室にタイプ別設定し、オートキャンプや車中泊を伴う趣味に対応するほか、災害時などでも電源を確保できる。
シリーズハイブリッドの1種であるe-POWERを採用する新型は、給油さえできれば、電欠の心配もない、走る蓄電池としても頼りになる存在になるはずだ。そのほか、リヤバンパー下に足先を入れることで、テールゲートが開閉するリモコンオートバックドアも設定した。ニーズに応じて選択できるのもうれしい。

パワーテールゲートを装備しているので、背の低い人でもテールゲートの開閉が簡単にできる。
キーをバッグやポケットに入れたまま、リヤバンパーの下に足先を入れて引くだけで、ドアが自動で開閉する機能をグレード別に装備する。

積載性を重視するのなら迷わず2列シート仕様を選びたい

3列シート仕様のサードシートは、5対5分割式で、床下にフラットに格納できるダイブダウン式。2列シート仕様のセカンドシートは、4対2対4の分割可倒式で、中央部だけ倒せば4人乗車しながら長尺物も積載できる。
さらに、セカンドシートはスライドも可能なので、フル乗車時でもシートを前寄りにすることで、荷室奥行きを稼ぐことが可能。サードシートの格納、展開という手間も考慮すると、使いやすくて大容量を確保できる2列シート仕様が積載性に優れているのは当然だろう。

2列シート仕様のセカンドシートは、4対2対4の分割可倒式で使い勝手が良い。
中央部だけを倒した状態。4人乗車しながらスキー板や釣り竿など長尺物も積載できる。
セカンドシートはスライドさせれば、荷室の奥行きを稼ぐこともできる。
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著者プロフィール

塚田 勝弘 近影

塚田 勝弘

中古車の広告代理店に数ヵ月勤務した後、自動車雑誌2誌の編集者、モノ系雑誌の編集者を経て、新車やカー…