FIFAワールドカップ開催国のカタールに自動車メーカーは存在する?【クルマの雑学】

中東初のFIFAワールドカップ開催国となったカタールは、ご存知のとおり石油や天然ガスなどの資源が豊富なお金持ちな国です。過去には1人あたりのGDP(国民総生産)が世界1位となり「世界で最も裕福な国」と呼ばれたこともあるほど。では、そんなアラブのお金持ちな国に自動車メーカーは存在するのでしょうか?
Photo:Elibriea/W MOTORS

実は、スーパーカーを製造するメーカーが「一応」存在しています。

カタールはアラビア半島に位置し、面積は日本の秋田県程の小さな国です。人口は約250万人程。サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)と隣同士のような位置関係です。1940年代に石油が発見されて以降、急速な発展を遂げてきました。 過去には1人あたりの国民総生産(GDP)が世界1になったこともあり「世界一裕福な国」と呼ばれていたこともある、お金持ちな国です。
では、そんなカタールに自動車メーカーは存在するのでしょうか?

エリブリエア・エクヴァラス

カタールには「ELIBRIA(エリブリエア)」という自動車メーカーが「一応」存在しています。
エリブリエアはカタール初のスパーカーコンストラクターとして誕生。2016年のカタールモーターショーで、ランボルギーニ・ヴェネーノを彷彿とさせる個性的なスタイリングが目を引くコンセプトカーを発表しました。

エリブリエア・エクヴァラス

市販バージョンは「Equvallas(エクヴァラス)」という名称で2016年3月から受注を開始しています。カーボンファイバー製のモノコックボディにGM製のV8エンジンを搭載し532psを発揮する。車重はわずか1078kgと軽量。トランスミッションは6速シーケンシャルで後輪駆動となっている。同社のWEBサイトにはプロトタイプが飛行場で走行するシーンが公開されていますが、一般道を走る許認可は得られていないという状況とのこと。予約開始から5年以上経過しているが、完成予定時期は明らかにされていない。

2016年のカタールモーターショーで発表されたコンセプトカー

ということで、カタールに自動車メーカーは「一応」存在していますが、実際の市販化は難しように思えます。ただ、この個性的なデザインは、アラブのお金持ちの国ならではのセンス。といったところでしょうか。

お隣のUAEでは、約3億4000万円のスーパーカーが販売されている!

カタールでは「一応」自動車メーカーが存在していましたが、お隣のアラブ首長国連邦(UAE)には「ちゃんと」自動車メーカーが存在しています。スーパーカー専門の自動車メーカー「W MORTORS(Wモーターズ)」です。

Wモーターズは中東初のスーパーカーメーカーとして2012年にレバノンに誕生。その後、拠点をUAEのドバイに移し本格始動。2013年1月のカタールモーターショーで「ライカンハイパースポーツ」を世界初公開しました。

「ライカンハイパースポーツ」はカーボンコンポジット製のボディに、ルーフ製3.8ℓ水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載し、780ps/7100rpmと960Nm/4000rpmを発揮。トランスミッションは7速DCTで後輪駆動。0-100km/h加速2.8秒と最高速度395km/hを叩き出す。内装に金糸の刺繍や宝飾品も用いたため、わずか7台のみが生産され、販売価格は340万ドル(当時の日本円で約3億4000万円!)という世界でもトップクラスの価格となりました。

Wモーターズ・ライカンハイパースポーツ
Wモーターズ・ライカンハイパースポーツ

2015年11月にはその進化版といえる第2のモデル「フェニアスーパースポーツ」を発表。こちらも3.8ℓ水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載するが、800ps/7100rpmと980Nm/4000rpmへとパワー・トルクともアップし、最高速度は400km/hを超える。生産台数は110台と「ライカンハイパースポーツ」より大幅に増え、価格も150万ドル(当時の日本円で約1億6600万円)とリーズナブルになっています。みんさんも石油を掘り当てたら一台いかがでしょうか?

Wモーターズ・フェニアスーパースポーツ
Wモーターズ・フェニアスーパースポーツ
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